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映画「ヴィジット」あらすじネタバレ感想・立派な胸糞映画だった

どうもこんにちは、NITARIです。

M・ナイト・シャマラン監督の「ヴィジット」を見ましたので感想です。

M・ナイト・シャマラン監督「ヴィジット」あらすじ

主人公の15歳のベッカーと13歳のタイラーは、生まれてから一度もあったことのない祖父母の家に休暇の1週間、初めて訪れることになる。

実は二人の母は結婚の際に祖父母に反対されたことをきっかけに、それ以来一度も会っていなかったのだ。

2人はその経験をムーヴィーに収めようと、ドキュメンタリーを撮影することに決めた。

この映画は、すべて登場人物が撮影した動画のみで構成された、という設定で進む作品である。

※完全にネタバレしますので、未見の方は注意してください。

M・ナイト・シャマラン監督「ヴィジット」のネタバレ感想

いや、怖かったしきもかったですよね。ほんとに。

シャマラン映画と言えば、もっとも有名な「シックス・センス」をはじめ、基本的にホラー映画を作っている監督です。

私はこの人の映画がとにかく大好きで、すべてを見ているわけではありませんが今んとこ見ている作品は全部面白いです。

M・ナイト・シャマラン監督の魅力

「シックス・センス」は非常に映画として一般的な作りになっているので、かなり多くの方に受け入れられやすい、わかりやすい作品だったのではないかと思います。

しかしながら本来のシャマランといえば、マニアックで偏執的な側面を持ち合わせており、なんといっても最も注目すべき点はそのシュール極まりないギャグセンスです。

「え?どこが笑えるの?」と思われた方は、たぶんシャマランには向かないんじゃないかと思います。

私としては初めて「シックス・センス」を見た時に既に、「これは笑える気がする・・・」と気づき、決定的になったのが「サイン」です。

とにかく、サインの面白さとギャグセンスは尋常じゃないと思います。

その後いくつもの作品を見ましたが、大変シリアスに見える中に組み込まれたギャグはとにかく魅力的。

例えば、駄作として有名な「アフター・アース」なんかは存在自体がギャグみたいなものです。

映画「ヴィジット」のギャグセンス

そんなわけで、この映画「ヴィジット」でも十分にギャグがさえわたっていました。

そもそもあの姉弟が、結構しんどい目に合ってるのに信じないようにしようとしているのとかちょっと無理がありすぎてウケるし、全裸で壁をひっかく祖母の姿を見たタイラーが「悪いもの見た!」と言ったり、「今度から否定的なことをいうときに女性シンガーの名前言うわ」と宣言していたタイラーが、おむつの山を見て逃げてきた時に「サラ・マクラクラン」と言ったり、もう面白すぎる。

のん気っすよ!2人とも!!

シャマラン映画のギャグの面白さって、B級映画のギャグセンスとまたちょっと違って、もっとわかりづらいと思うんですよね。

一見すると全てA級映画に見えるからだと思うんですけどね。
B級映画は全体的に作りが安っぽいからわかりやすいんだけど。

この映画でもそんなに、そういったB級的展開はありません。しいて言うなら、最後にかなり危機的な状況になったベッカが地下室を見に行くありえなさは、ちょっとわかりやすくB級の空気感だったかと思いますが、あそこもよかったです。

「ヴィジット」の恐ろしさ

とはいえ、この映画は全体的にはものすごく気持ち悪くて怖くて胸糞悪い映画でしたね。

軒下のかくれんぼに急に参加するバーさんとかマジで気持ち悪すぎるし、ショットガンを口にくわえるじーさんの描写とか、気持ち悪いシーンはいくらでもありました。

シャマランがうまいな、と思うのは、カメラの使い方でそういう気持ち悪いシーンを一瞬しか見せないところです。

あと、ホラー映画にありがちな、「来るぞ来るぞ・・・」と予感させずに唐突に驚かしてくるあたりも非常に秀逸ですわ(もちろん、予感があるシーンもありましたが)。

サスペンスの神様であるアルフレッド・ヒッチコックに「映画はサプライズではなくサスペンスだ」という名言があります。

「わ!」っと驚かすのがサプライズだけど、本当に怖がらせるには心理的に攻めなきゃダメだよ、というような意味ですが(概ね)、シャマランは比較的その両方を使いこなしているからいいなと思います。

場合によってはサプライズさせてくるけど、サスペンスもよくわかっているからね。
「シックス・センス」なんかはサプライズ感の強い映画でしたけど、本作はどっちもありだったかなと。

「ヴィジット」に内包された「許し」のテーマ

この映画に限らず、シャマランの映画で面白いなと思うのが、映画の筋と少し違うベクトルのテーマを置いている点です。

この「ヴィジット」に関しては、姉弟の「許し」も一つの大きなテーマですよね。

姉弟は、大好きな父が恋人を作って逃げてしまったことが心の傷になって、タイラーは潔癖症になり、姉は自分の姿を鏡で見れなくなってしまった。

その大きな弊害を、その後祖父母と対峙するなかで克服してゆく、というような筋が、ストーリーと少し離れたところにあるサイドストーリーです。

ホラー映画やサスペンス映画っていうのは、基本的にはこういうテーマを設定せずに大筋に特化することが多いですよね。だけど実はシャマランはこういったサイドストーリーにも力を入れているのが、他の監督と大きく違うところ。

そしてもっと言えば、その「サイドストーリー」が基本的に奇妙で浮いてしまっているのも魅力の一つかと思います(笑)

例えば「アフター・アース」とかは、息子の成長がサイドストーリーなんですけど、「恐怖心」を克服しないと宇宙生物にやられちゃうっていう妙な設定が最高に面白かった。

ようは、分かりづらいんだと思います(笑)。

「ヴィジット」でも、心に傷を負った姉弟という設定は実はあんまなくてもいいくらいですけど、あったとしてももう少しライトに描けばいいのに、潔癖症のタイラーにおむつ当てたり(うげえええ)、ベッカが鏡を割ってそれでばーさんをぶっ殺したり、なんかゆがんた方向に二人の成長を描く所が、変態っぽくて実に良かった。

「ヴィジット」で上げられる批判

最後になりましたが、この映画の評価を見ていると、まあ「つまらん」とか「きもい」とか「酔った」とかいろんな見方があるなかで、「老人の痴ほうをバカにしている」とか、「精神病患者への偏見を煽る」という見方がありました。

最近はポリティカル・コレクトネスが重要視されている時代の流れがあるので、この意見は最もかな、と思います。今後はこういった作品は減ってゆくでしょう。

ポリティカルコレクトネスとは 
政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと

かくいう私も、あんまりポリコレに準じていない作風は受け入れられないタイプです。

しかしまあ、この作品はもうそういう事を言ってられないのかな・・・というようなしょうもない作品だと思うので、スルーしてしまいました。

ちなみに、「老人の痴呆をバカにしている」と言いますが、たぶんこの人たちは痴呆っていうレベルではないと思うのでそれはないと思います。

「精神病患者に対する偏見を煽る」という点は黒です。

映画「ヴィジット」まとめ

それにしても、2人の子供、特にタイラーの演技の上手さは尋常じゃなかった。本当にかわいいし面白い。

2人がとっても明るいので、この映画が重くなりすぎなかったのだともいます。

この映画は久々に面白い胸糞映画だったので、心にとめておきましょう。

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