人間ドラマ・社会派

映画「ゴーストライター」ネタバレ感想・社会派ミステリーを徹底解説!

NITARI
NITARI
今日は、ロマン・ポランスキー監督の「ゴーストライター」のレビューだよ。
虫
複雑すぎて俺には正直、全く意味不明だった。

映画「ゴーストライター」のあらすじ

出演者

  • ゴーストライター – ユアン・マクレガー
  • アダム・ラング元首相 – ピアース・ブロスナン
  • アメリア・ブライ – キム・キャトラル
  • ルース・ラング – オリヴィア・ウィリアムズ
  • ポール・エメット – トム・ウィルキンソン
  • シドニー・クロール – ティモシー・ハットン

主人公のイギリス人ゴーストライター(以後「作家」とする)に舞い込んできた仕事は、アダム・ラング元英国首相の自叙伝をゴーストとして執筆することだった。
期間はたったの一か月。前任者のマカラは執筆の最中に溺死。それが自殺なのか事故なのかは分かっていなかった。

作家は、米国で公演中のラングの住まいである島に滞在して執筆をすることになった。

同じ時期にラングは、拘束していたイスラム過激派をCIAに引き渡し、拷問をしたとして調査の対象となってしまっていたのだった。

ある夜、島のバーで酒を飲んでいたライターに話しかける人物がいた。

「ラングを知っているか?」

ゴーストとして働いている事を隠していた作家は彼を拒絶したが、翌日、彼の邸宅前のデモの中心にその男がいる事に気が付いていた。

大きな問題に発展し、ホテルと邸宅の行き来が難しくなってしまったため、彼はホテルを引き払い、前任者マカラが滞在していた部屋に滞在することになった。

その部屋で作家は、ある資料を発見する。
それは、ラング元首相の驚くべき真実が隠された写真だった・・・。

映画「ゴーストライター」の解説

ミステリーやホラー映画から戦争、コメディまで幅広いジャンルを制作してきた名匠・ロマン・ポランスキー監督作です。

今回の「ゴーストライター」は、社会派サスペンス映画ですが、ちょっと内容が複雑な部分もありますので、全て整理して解説したいと思います。

※ネタバレします

「ゴーストライター」ラングの過去写真の意味とは?

虫
そもそも内容が複雑でよくわからなかったから、解説してくれよ。
NITARI
NITARI
任せろ

まずは、作家が部屋で発見した資料に関して。
これがどうして重要な資料となったのか?という点ですね。

この映画の元首相ラングは、もともと大学では演劇部に所属していたという描写がありますよね。その事についてラングはあまり語りたがりませんでしたよね。

そして、その演劇部で政治に詳しい今の妻ルースと知り合い、影響を受けて政治の世界に入ったという風に公では発表されていました。

しかしマカラの隠していた資料には、ラングが現妻ルースと知り合う2年前には労働党員だったことを証明する党員証があったわけです。
つまり、ラングは妻を知り合う前から労働党員だったのです。

さらに、写真には、演劇部に所属していた時のラングが映っています。
そしてその中にラングの他に、エメット教授という人物も映っているんですよね。

虫
それは分かったけど、なんでラングが妻と知り合う前から労働局員だったことを隠していたの?
NITARI
NITARI
彼が労働局員になる理由にCIAが絡んでいたからだよ

別に党員である事自体には何の問題もないのですが、その経緯にCIAが絡んでいるとなると話は別。

作家がラングの邸宅からホテルへ戻ろうとする際に、以前の利用者であるマカラが登録していたナビに導かれてたどり着いた先にいた人物が、ラングと一緒に写真に写っていたエメット教授です。

エメット教授の家へ行くと彼はやはりラングとの関係を否定しています。
前任者マカラは写真を入手したことでエメット教授の事を知り、その車で彼の元へ行き、帰りに殺されたと考えられます。

ではなぜエメット教授はそうまでして秘密を隠そうとしていたのか?

単純に言って彼がCIAだったからなんですよね。

元々、ラングは政治には興味のないイギリス人だったにも関わらず、大学時代にCIAであるエメットや後の妻となるCIA工作員ルースなどの助けによって首相にまで上り詰めたわけです。

イギリスの首相がCIAと通じているという事は、首相の仕事は全てアメリカの利益になる、という事

最後の最後、作家がマカラの遺した本の章の冒頭の文字を組み合わせ、「ラングの妻ルースはハーバード大学のポール・エメット教授によってCIA局員に」

結局ラングの妻が彼を操ていたという事が分かるエンディングでした。

「ゴーストライター」とトニー・ブレア元英国首相

とまあ、この映画自体のざっくりとした解説は以上ですが、ここからはもう一歩踏み込んで解説していこうと思います。

この映画「ゴーストライター」に登場するラング元首相は、2000年代前後のイギリス首相トニー・ブレアがモデルになっているといわれています。

この映画で最も重大な要素として描かれているのが、イギリスのラング首相とアメリカCIAの癒着だという事は解説した通りです。

ブレア元首相は9・11に対する報復としてブッシュ政権が実行したアフガニスタン攻撃やイラク戦争に積極的に参加しています。

当時のフランスやドイツなど欧州の主要諸国はこの時のブッシュ政権を批判していたにも関わらず、ブレアはアメリカに同調しているんですよ。
国内でも激しい論争が繰り広げられたそうですが、最終的には議会を通さずに決断を強行してしまったそうです。

この映画で描いているのはイギリス(ブレア)とアメリカの癒着と、それによって引き起こされたイラク戦争に対する批判。

結局ラングは、彼が引き起こしたとされる戦争(現実にはイラク戦争)に駆り出された若者の父親によって暗殺される、というわけです。

映画「ゴーストライター」の感想

というわけで、大まかな解説は以上となります。
この映画は本編を見るだけでは分からないようないろいろな要素が語られた作品であるという事がお分かりいただけたかと思います。

私は今30代半ばでして、イラク戦争が起こった時代は高校生だったので、ブレア首相の話などはあまり知らなかったんですけどね。
今回いろいろ調べて、一つ賢く慣れてよかったです(笑)。

虫
なーんだ、お前もよく分かってなかったのか
NITARI
NITARI
うるさいわ

この映画はかなり多くの映画賞を受賞している作品なのですが、この映画がブレア元首相への批判の色濃い作品である事が大きな理由であることは間違いがないでしょう。

映画単体として見た時には、正直それほど面白い作品ではありません。

私はこの映画の監督ロマン・ポランスキーが大好きでして、多分好きな監督の5本の指に入ります。

ところがこの映画を最初に観た時には、ブレア首相の事などよく知らない私にとってはただのサスペンス映画の枠から外れないものにしか映らず、なぜこの映画がこれだけ評価されたのか正直言ってよくわかりませんでした。

演出も普通にわかりやすいし、ストーリーもよくある社会派サスペンス。悪いというわけでもないけれど、ポランスキー映画として取り立てていいとも思えません。

この映画を観る人は全員がブレアの事を知っていたのかといえばそういうわけでもないと思うので、やっぱりちょっと腑に落ちない部分はありますね。
これって私が単に知らなかったから言えるので、知っていたら評価していたのかな?どうなんだろうと思いますけど。

映画は基本的にはエンタメ作品であるべきだと思うので、元ネタがあるような作品で批判的なメッセージを伝えるツールとして利用されることにはあまりいい気はしません。

ただ、ポランスキー監督は非常に頭の良い方なので、このあたりは私は自分の未熟さを恥じるべきなのかもな、と思ったりもします。

まあ、個人的には一度観れば十分かなと思いますけど。
いずれにしても、もっと勉強します。

まとめ

この映画で最も重大な発見としては、ユアン・マクレガーがかっこよかった事ですかね。
これまで多くのユアン・マクレガーの映画みてきて、私は彼を単なるユアン・マクレガーだと思ていたのですけど、この映画を観て彼がハンサムだという事に初めて気が付きました。

NITARI
NITARI
凄くイケメンでときめいた
虫
感想のまとめがそれか・・・

以上です。