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「ストレンジャー・ザン・パラダイス」感想・だらけきった映画を解説。

どうもこんにちは、NITARIです。

今日は昔から大好きな「ストレンジャー・ザン・パラダイス」をレビューします。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のあらすじと概要

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」はジム・ジャームッシュの1984年の映画です。

出演者

ジョン・ルーリー ー ウィリー

エスター・バリント ー エヴァ

リチャード・エドソン ー エディ

ウィリーはハンガリー出身・ニューヨークに住むギャンブラー。
ある日、彼の元に叔母から電話がかかってくる。じきにハンガリーからやってくる姪(ウィリーにとってはいとこ)のエヴァを10日間ほど預かってほしいというのである。

元々は一晩の予定だったが、叔母が入院することになったので、10日間に伸びてしまった。

ウィリーは拒否しようとするが、結局受け入れる事に。

やってきたエヴァはかわいらしい容姿だがマイペースで会話がかみ合わない。
しかし10日の間に二人にも連携が生まれ、エヴァが去る事を最終的にウィリーは寂しく思うのだった。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の感想

いやあ、久々に観たけど相変わらず激ユルですよね。
ユルユル。ユルすぎる。

この映画は非常に淡々と描かれているので、音楽が好きな人とかが「なんか知らんけどかっこよくて必見の映画」っぽい立ち位置になっています。

がしかし、実際「なんでこの映画がこんなに評価されているのかは謎だ」と思っている人も少なくないかも。

という事で、こういう感性先行の映画を解説するのは非常に難しいのですが、トライしてみようと思います。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の魅力①映画のユルさと笑い

この映画はモノクロで撮影されているし、とにかく淡々としているので一見シリアスなようにも見えますが、ただひたすらに可笑しな、滑稽な映画です。

まずエヴァがすごい。
ハンガリーからニューヨークに来て、外を大音量でスクリーミン・ジェイ・ホーキンスを流しながらダラダラと歩く女とかマジでとんでもないです。

まあちょっとこの時代のニューヨークの事情とか知らないんですが、当時はこういう人けっこういたってことなんでしょうか?←いるわけねえ

エヴァもかなり妙な女ですが、ウィリーも非常に妙。

まあ相当金がなさそうではありますが、いつも暇そう。
楽し気にテレビディナーを食べていると、エヴァからダメだしがあったりして、なんかちょっとかわいそうでもある。

そんなウィリーにはスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの魅力は全く分からなかったようで、エヴァが躍っていても「俺は嫌いだ!」と言い切るのも凄い。まあ確かに、あの音楽が普通に部屋で流れていたら「・・・ん?」と思わない人はいないでしょう。

ウィリーの部屋では「掃除機をかける」といっては行けなくて、「ワニを窒息させる」っていわなきゃいけない。理由は、「堅苦しいから」。

私は「掃除機をかける」という言い方が堅苦しいと感じたことはなかったのですが、よくよく掘り下げてみるとそういう事なんでしょうか(いや違うと思う)。

しかしとにかくこの映画は楽しいんですが、とにかくウィリーがかわいいんですよ。
せっかくエヴァに買ってあげたドレスも「趣味じゃない」と一蹴されてしまうし、エヴァが去った後のがっかりした表情はほんとにたまらない。

エヴァが去ってウィリーとエディががっかりと肩を落とすシーンは、この作品の中でもベストショットの一つといえましょう。

まあ、そういうわけでいろいろあってクリーブランドに行った後にフロリダに行ってすれ違って終わるんです。

急に雑な解説になってしまいましたが(笑)何しろ私はこの映画は第一章が好きで、もう映画自体かなり繰り返し見ていますが第一章の印象ばかりが先行します。

以上のように、この映画は全くシリアスな瞬間ってものが一切ないほど、常に愉快なんですよね。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の魅力②カット割り

この映画、とにかく奇妙なのは普通の映画よりも全然カットを割らないというところです。

1シーン1ショット。カメラは全てのシーンで固定カメラを使っており1ショットで撮影されています。

パッと画面が映るとそこで登場人物が話をして、そのあとパッと切れる、というシーンの繰り返しでこの作品は成り立っています。

この手法「1シーン1ショット」は、映画制作者がわりかし憧れる手段です。

映画をカットを割らずに作るのは非常に難しいんです。だからバイタリティのある映画監督は、割と「1シーン1ショット」(もしくは長回し)という手段を取りたがります。

カットを割らないことで映画自体に緊張感を持たせる、という意図もあることが多いです。

この「ストレンジャー・ザン・パラダイス」も全てのシーンが「1シーン1ショット」で撮影されており、そういった点でも非常に有名ではあります。

しかしながら、この映画が「1シーン1ショット」を用いたのは、単に予算がなかったからだと思うんですよ。

元々この作品は、ジャームッシュがドイツ人監督ヴィム・ヴェンダースから40分のフィルムを貰ったことで出発した作品です。

作品は第一章「The New World」がまずは撮影され、そこからその後の展開に広げていったそうです。

(だから、第一章が特にユニークで面白いんだなあと思う)

第一章「The New World」の場合はほとんどがウィリーのアパートで撮影され、第二章こそ若干いろいろな所に足を運ぶにせよ、第三章はフロリダのモーテルがほとんどの舞台ですよね。

つまり、この映画はとにかく低予算で制作されている事がわかります。

映画にとって低予算かどうかは見ている側にとってはあまり関係のない事のように思えますが、この作品の場合は非常に重大な意味を持っています。

この映画の持つテーマというか、つまんない言い方をするとメッセージみたいなもの。それは登場人物たちのように、金とかなくてもユルく自由に生きる、みたいな感じだと思うんですよ。

それはこの映画の被写体である登場人物たちの存在が語っているという事もありますが、徹底的に低予算で制作され、1シーン1ショットでユルユルと撮影されたこの映画の存在そのものでジャームッシュが体現している事ともいえるでしょう。

凄いのは、単に予算がなくて長回ししたという当初の事情にしては、あまりにも映画全体のクオリティにバッチリ合ってきたというところですよね。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のタイトルの意味

さて、この映画でポイントになるのが、タイトルです。

「Stranger Than Paradise」は、直訳すると「楽園より奇妙なもの」となります。

日本ではこの「ストレンジャー」の部分が「異邦人」とか「未知の人(外国人とか、知らない人)」という解釈をされることもあるようですが、この映画のタイトルだけ見ると、ここでいる「ストレンジャー」は「奇妙な○○」という使われ方になります。

ただ、「Stranger in Paradise」(楽園の異邦人)という曲が元々あるので、そのタイトルを捩ったとも解釈できます。

元の曲は良く知らないのですが、単にジャームッシュは「ストレンジャー」というワードと「パラダイス」というワードを使いたかったのかなと思います。

ここはサラッと「なんかかっこいいタイトル」として、ジャームッシュの意図をまことしやかに解釈するのはやめておこうと思います。

スクリーミン・ジェイ・ホーキンス「I put a spell on you」

ではここで、エヴァが大好きなスクリーミンのI put a spell on youをご紹介しましょうか。

一体何だったんでしょうね、スクリーミン・ジェイ・ホーキンスとは・・・

・・・・・・

ちなみにこの映画の音楽という点でいうと、もちろんスクリーミン・ジェイ・ホーキンスの曲が真っ先にあげられる事が多いですが、時々流れている音楽、それもかなりかっこいいぞ。

「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の主人公ウィリーを演じたジョン・ルーリーはミュージシャンです。
彼がこの映画の音楽も担当しており、要所要所で入れてきています。

まあ私はあんまり映画の音楽に詳しくはないので専門的なことは分からないのですが、忘れたころにふと流れる音楽かっこよくて好きです。

まとめ

というわけで、とにかくなんか楽しい不思議映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の解説でした。

いやいや本当にウィリーとエヴァがかわいかったよね←そこ

「アート系映画」とかいう言い方はすごいつまらないのでやめてください。