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映画「ソウSAW」感想解説&批判しちゃう。問題点は主に4つだ!

どうもこんにちは、NITARIです。

映画「ソウ」はかなりたくさんの続編が出ている人気シリーズですね(何本あるかは調べてませんが)。今回はその中で記念すべき第1作のレビューを、改めて書こうと思います。

映画「ソウSAW」あらすじ

出演者

  • ローレンス・ゴードン – ケイリー・エルウィス
  • アダム・フォークナー – リー・ワネル
  • デイビッド・タップ – ダニー・グローヴァー
  • スティーブン・シン – ケン・レオン
  • アリソン・ケリー – ディナ・メイヤー

主人公の医師ゴードンは目が覚めると、老朽化したバスルームに鎖でつながれていた。
部屋の中央には血まみれの死体。そして反対側の壁には、アダムが繋がれていた。

何が起こったのかさっぱり分からない二人。
二人のポケットに、それぞれカセットテープが入っていることに気づく。

死体を見ると、レープレコーダーが握られていた。
アダムはバスタブのチェーンを使ってレコーダーを手にし、テープを聞く。

そこには犯人からのメッセージが吹き込まれていた。

「6時までにどちらか相手を殺さないと、妻子を殺す」
「それができなければ二人とも殺す」
「ハートに従え」

最後のメッセージ「ハートに従え」によって、トイレのタンクからのこぎりを見つけ出したアダム。二人はそののこぎりでチェーンを切ろうとするが、うまくいかない。

やがてゴードンは、そののこぎりが鎖を切るためではなく、足を切るためにあるのだという事に気が付く。

そして彼は同時に、犯人像の事を思い出していた。
実は彼は五カ月前、この連続殺人犯だと思われて事情聴取を受けていたのだ。

「ジグソウ」が仕掛けた殺人ゲーム

犯人は「命を粗末にしている」人間を捕えては、同じように「ゲーム」に参加させて殺していた。

死体にジグソーパズルのピースのような彫り込みがあることから、犯人は「ジグソウ」と呼ばれていた。

これまでに「ジグソウ」に勝ったのは、たったの一人の女性

彼女は頭にヘッドギアのようなものを付けられ、縛られた状態で目が覚めた。
ジグソウからのメッセージによると、時間内にそばにある死体の井の中から、ヘッドギアを解除するキーを見つけなかった場合、頭が砕けるというのだ。

必死で束縛から抜け出し、死体を見つけた彼女は用意されていたナイフで腹を切り、中から鍵を見つけ出して解除したのだった。

しかし実は、そこに転がっていたのは、大量の睡眠薬で動けなくされた「生きた人間」だったのである。

ゴードンを誤認逮捕したタップ刑事は、ジグソウをすんでのところまで追いつめることに成功するのだが・・・

映画「ソウSAW」のネタバレ感想

「猟奇殺人犯がゲームで人をトラップにかけて死に追いやる」

というのは、話だけ聞けばかなり面白そうな感じがしますよね。
私もこういったサイコゲームネタはとても好きです。

しかし、この映画にはかなり多くの問題があり、その問題のせいでせっかくの設定が水の泡になっている残念な作品です。

この映画のどのあたりが問題だったのかを、紐解いてみようと思います。

映画「ソウSAW」の問題点①謎解きの中途半端さ

回りくどいのは好きじゃないので、最初から最も重大なポイントについて書いていこうと思います。

まずはこの映画の設定を確認してみましょう。

映画「ソウSAW」の設定

  • 目が覚めたらバスルームに繋がれていた
  • 二人の間には自殺死体
  • 見つけたノコギリ
  • 6時までにどちらかを殺さないと自分(や家族)が死ぬ

という設定があったわけですよね。
予告でもこの設定は公開されていて、かなり興味深いものになっていました。

上記の情報から読み取れることは、この映画の特徴として

  • 密室もの
  • サイコホラーもの
  • 知恵比べゲームもの

だろうなと予測するわけです。

しかしながら、この映画は見てゆくと、なんとこの設定が公開された直後の開始15分にはざっくりとした犯人像が明らかになってしまいます。

これは大問題ですよ。
だって、何しろ上記の設定のどこにも、「犯人は誰か」が謎として存在していないんだから。

見ている観客としては、設定が面白くて「なになに?どーやって助かるの!?」ってなっているところで、急に「犯人はサイコパスだよ!」っていわれても、「いやそれは別に・・・」っていう。
好きでもない人から告白されたみたいな唐突感があるわけですよね。

しかも、しっかりと回想シーンでジグソウがどういう人だったかとか、刑事とかが出てきてしまうんです。
この時点で、「密室もの」ではなくなってしまいましたよね。

「これは刑事ものだったのか・・・?」と呆然としていると、バスルームに戻されて二人が「こんなサイコパスがいるんだよ」「やばいじゃん」みたいな話をしている。

そんなことを期待していたわけではなくて、最初の設定に乗っ取ったゲーム参加を観たかったのだが・・・

この展開のまずさは結局最後まで続き、この映画が「密室謎解きもの」として機能することは最後までありませんでした。

映画「ソウSAW」の問題点②緊張感のない回想シーン

まあ話はこの延長になるかと思いますが、この映画は基本的に「密室謎解きもの」っぽい設定になっているにもかかわらず、かなり初期の段階で「犯人像」をちらつかせ、「密室」から外の世界に飛び出すという残念な展開が待っているわけです。

回想シーンがかなり多く含まれているんですが、せっかくバスルームで謎解きを始めようとすると、ゴードンの人柄とか過去とかが回想シーンとして流れてくるわけですよね。

これは本当に要らない。
妻子とどういう関係だったとかは、猟奇殺人を描く上で全然いらないと思います。

なぜかといえば、このような状況になったら誰でも容易にパニック状態に陥ることができるので、いちいち妻子の事などを引き合いに出して共感を呼ぶ意味もないからです。

もちろん、その理由としては、犯人だと思っていた人が実は違った、というオチを表現するための伏線なのだという事はわかります。

しかし、伏線を貼るために映画全体を台無しにする展開は明らかな悪手ですよね。

映画「ソウSAW」の問題点③すべては結末のために

そう。
この映画の大きなもんだいはそこで、たぶん制作者はまず「設定」を思いつき、その次に「結末」を思いついたんだと思うんですよ。

つまり、「結局、犯人だと思っていた男は犯人ではなく、彼もまたゲームをさせられていた人で、最初から部屋の中心にいた死体の人物こそが真犯人だ」というところです。

「設定」と「結末」が出来上がったので、そこから「過程」を逆算して構成していったのが、この映画「ソウSAW」なんですよ。

何が問題かといえば、そもそも内容はともかくとして「結末」でびっくりさせるために、いろいろ伏線を貼ろうとした結果、映画の流れとしてどう考えても不必要な「回想シーン」がかなり多くできてしまった、というところ。

映画を作るうえで、何も「設定」と「結末」を最初に考えちゃいけないってことはありません。

むしろ、確かにミステリーや推理ものの場合はそうやって作り込んでゆくことは多いと思うんですよね。

ただ、この映画の最も重大な失敗として、「設定」と「結末」が繋がりようのない要素だったという事に制作陣が気づかなかったことが問題です。

映画「ソウSAW」の問題点④繋がらない展開

ここでもう一度、「ソウ」の設定を見てもらいたいと思います。

映画「ソウSAW」の設定

  • 目が覚めたらバスルームに繋がれていた
  • 二人の間には自殺死体
  • 見つけたノコギリ
  • 6時までにどちらかを殺さないと自分(や家族)が死ぬ

→どうやって脱出するのか?

これが設定です。
しかし結末をもう一度見てもらうと、

映画「ソウSAW】の結末

  • 犯人だと思っていた男は犯人ではなく、彼もまたゲームをさせられていた人物
  • 最初から部屋の中心にいた死体の人物こそが真犯人

という事になります。

これおかしいんですよ。
設定が「どう脱出するか」なのに、結末が「犯人は実は○○でした」ってなってる。
質問に対しての答えが出ていないんです。

もちろんこれは流れのある映画ですから、「脱出劇」に対する答えもちゃんと用意はされています。

しかしここにはゲームやトリックへの主人公たちの対応などは一切描かれておらず、あろうことか

  • 結局どうにもならなくてパニックになったゴードンは、自分の足を切り落とした

というマッチョな展開になってしまった。
いや、サイコホラーを描きたいだけだったらこれでも全然問題ないんですよ?

でも結局足を切り落とすっていう内容だったら、ゲーム的な設定を作らずに主人公たちを痛めつけてどんどん追い詰めてゆくだけの設定にすべきで、途中でいろいろ思い出したり、妻との思い出をアダムに語ったりする必要は全然ないわけです。

つまり、この映画の最大の問題点は、テーマや筋が曖昧で支離滅裂だったことにあるといえるでしょう。

まとめ

設定は非常に大好きな感じだったので、何も考えずに作っちゃったことがあまりにも悔やまれる作品だったなと思います。

しかしこんな残念な映画なのに、6個?それ以上?シリーズ化されている人気っていうのはかなりびっくりしますね。

ただグロければいいという事なんでしょうか?

ゲーム系サイコホラーでは、私はカナダ映画の「CUBE」が大好きですね。
理数系的ゲーム要素が満載で、最後まであくまでゲーム脱出ものとしての骨格が保たれた面白い作品です。