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映画版「斉木楠雄のΨ難」感想・稀に見るアホ映画を本気で批評する

どうもこんにちは、NITARIです。

山崎賢人主演映画「斉木楠雄のΨ難」を観たので、感想を書きます。

映画版「斉木楠雄のΨ難」のあらすじ

「斉木楠雄のΨ難」は、山崎賢人主演・福田雄一監督の2017年の映画です。

出演者

  • 山﨑賢人 ー 斉木 楠雄
  • 橋本環奈 ー 照橋 心美
  • 新井浩文 ー 燃堂 力
  • 吉沢亮 ー 海藤 瞬
  • 笠原秀幸 ー 灰呂 杵志
  • 賀来賢人 ー 窪谷須 亜蓮
  • ムロツヨシ ー 蝶野 雨緑
  • 佐藤二朗 ー 神田 品助

主人公・斉木楠雄はとんでもない超能力を生まれつき持っているが、それを隠して平凡に暮らすことを心がける高校生である。

毎年恒例の文化祭は斉木にとって大切なものだった。
休んでしまってもバレる可能性が低いので、テレポーテーションで温泉でゆっくりするのが常だったのである。

しかし、今年はそんな学園祭にピンチが訪れた。
毎年トラブル続きの学園祭だが、今年トラブルがあった場合来年から文化祭は廃止されるというのである。

それは困る。
斉木は今年の文化祭は、あらゆるトラブルを解決すべく奮闘するのであった。

映画「斉木楠雄のψ難」の感想

まあ、とにかくひたすらにバカな映画ですよね。

まあ、とにかくひたすらにバカな映画です。

とにかくひたすらにバカでしょーもない映画なんですよね。

この映画を私が見ようと思ったきっかけは、現在(2017年10月)に放送されているドラマ「今日から俺は!」です。

この「今日から俺は!」に私は激ハマりしてしまいまして、この監督の作品をいろいろ見てみようと。

そもそも、福田雄一監督の存在を知ったのは、数年前のドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」を見てからでした。

しょうもなかったからです。
あまりにもしょうもなくて、とにかく間がながくてバカなドラマすぎてかなりハマりました。

ただ、その時にはまだ福田雄一の名前を覚えるほどでもありませんでした。

今回、「今日から俺は!」を見て改めて「これはすごいバカの天才だ」と認識し、遅ればせながら過去作品も観るに至ったというわけです。

※私は漫画版は未読ですので、映画だけの評価をしたいと思います。

映画「斉木楠雄のψ難」監督・福田雄一の魅力①間が長い

という事でこの「斉木楠雄のψ難」の魅力を語ろうと思ったのですが、どう考えても福田雄一がすごいよね、という話にしか行かないのでこの際、福田雄一の魅力を語ってしまおうと思います。

福田雄一の作品が面白いのは、とにかく間が長い事です。

1分1秒も無駄にできない忙しい現代社会において、福田雄一の作品は「時間の価値を分かっているのかな・・・?」と言いたくなるほど、無駄に間が長い。長~~い。

これほどの間を取って、どれだけ多くの人の貴重な時間を食いつぶしているのだろうと考え込んでしまいたくなるほど長いですよね。

特にムロツヨシ。と佐藤二郎

これは「斉木楠雄のψ難」の話だけではなく(というか、「斉木楠雄のψ難」は映画なのでさすがにそれほどとてつもなく長い間は取っていない)、「スーパーサラリーマン左江内氏」とか、「今日から俺は!」など、TVドラマでよくみられるところです。

アドリブでなが~~~~く引き伸ばしてダラダラダラダラと笑いを取ってくる感じは、とにかく時間の無駄でしょうもない。

「あれっ?私って今なんでこんなの見てるんだろう・・・?」と思わせてしまうほどに長い所が魅力です。

しかも場合によっては面白くない。
面白くないので、若干、早送りしたくなる感もあります。

書いていて、「んっ・・・?これは上げているようで完全にdisっているのではないか?」と私自身思ってきました。

しかしいいのです。
重要なのは、現代社会において「無駄なシーン」をふんだんに取り入れているところ。

私はそこを絶賛したい。
いかにムロや佐藤が異常なほどにくどかろうが、全然いいんですよ。

映画「斉木楠雄のψ難」監督・福田雄一の魅力②心に残らない作品

福田雄一のもう一つとてつもなくすごいな、と思うのは、彼の作品(すべてを見ているわけではありませんが、見た作品に関しては)が全く心に残らない作品だという事です。

つまりですね、あまりにも間が長いし、しょうもなさ過ぎて、ゲヘゲヘと笑った後の余韻や教訓が全くない所だと思うんですよ。

まず、社会的なメッセージが全くありませんよね。
普通どんな作品でも、何か一つは社会的に投げかけたい意義みたいなものがあるんですよ。

それは立派なものでなくてもいいんです。
大体、世の中のすべての作品で、主人公はほとんど必ずと言っていいほど成長するんですよね。

思い浮かべてください。どんな作品でも必ず、映画の中で主人公は成長するとか、変化するでしょう。

しかし、福田雄一の作品にはそれがない。全然成長しないし、意味ないんです。
だからもう、まず共感とかできない。共感とかする感じではないんですけど、ただバカみたいに笑ってそのまま終わるのがほんとすごい。

ここで誰かが成長とかしてしまうと、心に残るまともな作品になってしまうんですよ。
ただひたすらにバカでしょうもなく、B級であることがあまりにもすごい。

三谷幸喜が昔、「心に残らないコメディを作りたい」と言っていたんです。
それは、最終的に意義深いメッセージなどがない、ただその場だけが楽しい作品がとても重要だ、という意味でした。

しかし実際の三谷作品は、クオリティも高く非常に作品として心に残る傑作ばかりですよね。

福田雄一は、世の中の多くの人が忘れかけている「アホ」を表現してくれているような気がします。

映画「斉木楠雄のψ難」監督・福田雄一の魅力②意外とリベラル

「それだったら日本のお笑いでも見てるだけでもいいじゃん」っていわれそうですが、それは違います。

私もお笑いが嫌いではないですからいろいろ観てますけど、日本のお笑いはネタの8割くらいが差別的表現ですよね。

全然つまらないどころか不快です。

よく、茂木健一郎さんがその事を嘆いていて、「お笑いには風刺が絶対に必要」みたいなことを言っています。

アメリカのスタンドアップコメディなどは、むしろ9割がそういった社会批判がネタになっています。
私も差別的表現よりも遥かに風刺的な笑いのほうが好きですが、それだけがコメディだというのは言い過ぎでしょう。

福田雄一作品すごい所は、そのどちらでもないのに面白い所です。

私は日本のドラマが好きなのでよく見ていますが、モラルの無さというか、シリアスでもコメディでも無意識な差別的表現はマジでかなり多いです。

そういう空気がちょっとでも見えてしまうと、見るのをやめてしまいます。
しかしながら福田雄一作品はそういうのがない。
いかにも弱者をバカにして笑いを取りそうな感じなのに、そういう表現がないのはすごいですよね。

もちろん、私が見た作品は全て原作ありきのもので、原作にそういった表現がないのかもしれないけど、制作者側の差別的意識って結構透けて見えるものですからね~。

要はとにかく自由で、封建的な感じがないってことです。

これは福田雄一があんまりそういうことに興味がないのではなくて、はっきり言って福田雄一がそういった社会的なことを熟知しているからこそ避けて通れるんじゃないかな、と私自身は思っています。

確かどこかに、「疲れたサラリーマンを笑いで癒す」みたいなキャッチフレーズがあったかと思うんです。
だとすると、福田雄一のしている事はただただバカなものを作って社会を癒しているのだから、実はめちゃくちゃ逆に社会的なのかもしれないと思います。

バカバカ言ってますけど、かなりのインテリですよね。

映画「斉木楠雄のψ難」の不満点

というわけで絶賛しました「斉木楠雄のψ難」ですが何もこの映画のすべてが素晴らしいというわけではありません。

これは逆に原作に対するダメだしになってしまうのかもしれませんが、斉木のツッコミが理屈っぽいし古い

この作品、ツッコミどころ満載の斉木が逆に周りとツッコミまくるというのがミソなんですけど、若干わかりやすすぎるのかなとは思いました。

まあ、どんな作品でもツッコミが笑わせるみたいなところありますけど、もしかして私は斉木楠雄はそれほど好きじゃないのかも。

なんか冷静にツッこむみたいなキャラが好きじゃないのかもしれません。
ま、些細なことですけどね。

まとめ

というわけで、「斉木楠雄のψ難」の評価というよりは福田雄一の評価って感じになりましたが、とてもおもしろかったよ、という事です。

しかしその他の福田作品のレビューも書きたいところだけど、どうにも「福田雄一作品」をくくってしまってしまいそうで、逆に難しいかもな(笑)