戦争・歴史

映画「パール・ハーバー」感想と解説。本当に批判されるべき映画だったのか?

どうもこんにちは、NITARIです。

クソ映画と名高い「パール・ハーバー」を観ましたので、感想と解説をします。

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映画「パール・ハーバー」あらすじ

出演者

  • レイフ・マコーレー – ベン・アフレック
  • ダニー・ウォーカー – ジョシュ・ハートネット
  • イヴリン・ジョンソン – ケイト・ベッキンセイル
  • ドリー – キューバ・グッディングJr.
  • ジミー・ドゥーリトル – アレック・ボールドウィン
  • サーマン – ダン・エイクロイド
  • アール – トム・サイズモア

第二次世界大戦前。

アメリカ陸軍航空隊の戦闘機パイロットのレイフとダニーは小さいころからパイロットを夢見て育った親友同士だった。

ある時、レイフは陸軍の看護婦であるイヴリンと出会い、恋に落ちる。
しかし彼女と出会ったのは、レイフがヨーロッパ戦線への参加に旅立つ直前だった。

ヨーロッパではドイツ軍と厳しい戦いを強いられていた。
レイフはあるとき空中戦で被弾し、戦闘機を墜落させる。

彼は「死亡」と通知され、ダニーとイヴリンは落胆。そのころ、二人は真珠湾に移動になっていた。
慰めあううちに、ダニーはもともと持っていたイヴリンへの気持ちを抑えきれなくなり、やがて二人は恋人同士になった。

しかしある日、死亡したはずのレイフが真珠湾に戻ってくる。
恋人イヴリンとの再会を夢見てきたレイフだったが、今はダニーの恋人となっていることを知り、ダニーとの関係に亀裂が入る。

そんな折、日本軍からの奇襲攻撃が始まったのだった。

「パール・ハーバー」の感想

この作品は随所に「ここって史実と合っているの?」という表現があるのですが、私自身は当時の事に詳しいわけでもなく、史実と比べてどうということは言えません。

この点に関しては「パール・ハーバー」のWikipediaが非常に詳しかったので、そちらを参考にしていただけたらと思います。

この作品は、ケイト・ベッキンセイル演じるイヴリンが、ベン・アフレック演じる主人公のレイフと知り合って恋に落ちるというところから始まります。

そもそもこの映画が公開された2001年のころはベン・アフレックが今ほど有名でもスターでもなくて、普通のわき役って感じの地味な男だったので、「これほど大掛かりな作品なのにベン・アフレックが主演って、明らかにダメだろw」っていう雰囲気がありました。

特にこの映画が生まれた背景には、もちろん1998年の「タイタニック」の成功があったわけです。そもそも映画の宣伝が「タイタニック」を意識しすぎて残念な感じにしか思えませんでした。

しかも日本軍の描き方が変とか言われていたし、どうせ日本軍を悪人に描いているんだろうなあーっていう感じを受けていたので、今まで観ていませんでした。

でもずっと気になっていて、批判するにしてもとりあえず見ないとな、って思ったんですよね。

実際に観てみたら、確かに「酷い……」というところもありましたが、思ったよりはよかったなというのが感想です。

「パール・ハーバー」の役者たち

レイフ役のベン・アフレックについて

別に、いつも通りどうっていうことのない感じでした。

ただ、公開当初は確かにベン・アフレックは完全に役者不足だと思っていたんだけど、その後はいろいろと大作にも出ているし、逆に今考えると彼がこの映画の主演だということに特に違和感はありません。

なんでこの人がハリウッドでこれほど評価されているのかはよくわかりませんが、当時の「え!??ベン・アフレック??なんで?????」っていう感じは今はそこまではないですから、後から考えてみると「そういえば当時は地味だと思ってたな」っていうくらいな感じです。

私自身、ベン・アフレックはどちらかといえば好きではない方ですが、唯一「ゴーン・ガール」は大変すばらしかったので、極端に嫌いとかいうわけではありません。

というわけで、「パール・ハーバー」での彼も別にどうということもありません。取り立てて悪いということもないです。

鼻にシャンパンの栓が当たるシーンは面白かった。

ダニー役ジョシュ・ハートネットについて

なんでベン・アフレックをキャスティングしたのか、理由がわかりました。
ジョシュ・ハートネットがかっこいいからです。

私はこの映画にはベン・アフレックが出演していることしか知らなかったので、まさかジョシュが出ていたとは知らず、大変驚きました。

つい先日、大好きな「ブラックホーク・ダウン」のレビューをしたところだったんですが、あの映画でもやっぱりかなりかっこいいなと思っていたので、今回も観れて満足です。

しかも「ブラックホーク・ダウン」よりイケメン役でした。

NITARI
NITARI
素敵すぎる。

ジョシュ・ハートネットは当時の映画には割と出ていましたが、最近はあまり目立った作品には出ていませんね。
彼の作品では「パラサイト」なんかもすごく好きなんですが、懐かしいな~。

しかし「パール・ハーバー」のジョシュは過去イチ素敵だった。100点満点。
この人をかっこよく見せるためのベン・アフレックだったということですね。 ←失礼

イヴリン役のケイト・ベッキンセイルについて

ケイト・ベッキンセイルはまあ別に良くも悪くもなかったんですが、まーこのスケの尻の軽さはどうにかしてほしいと思いますね。

まあこういうどうしようもない人がいないと、たいてい三角関係なんか描けないのでしょうがないか。

黒髪で清楚なグラマーっていう、もう完全にステレオタイプの役であまりにもどうでもいいです。

なんかケイトだけでなく、この映画に出てきた女たちが毛羽くて胸焼けがしましたね。娼婦みたい。

当時の様子を再現したらこうなったのか、この映画が作られた2001年がそういう時代だったのかわかりませんが、誰もかれも魅力皆無だったと思います。

「パール・ハーバー」真珠湾攻撃の描き方

この作品は真珠湾攻撃をモチーフにしている作品なのですが、考えてみると真珠湾攻撃ってかなり短時間で日本軍の勝利で終わっているのにどういうドラマになるのかなと思っていました。
実際、真珠湾攻撃は中盤のみで後半にはアメリカ軍の攻撃が描かれていました。

この映画にはまったく期待していなかったといいましたが、特に日本軍はかなり悪どく描かれているのかなーと思っていたからです。

真珠湾攻撃ほど、アメリカがプロパガンダ作品にしやすそうな題材もありませんからね。

つまり、この映画では「悪」である日本軍が急に「善」であるアメリカ軍基地を奇襲した。だけど頑張って戦ってアメリカ軍は素晴らしいっていう映画なのかな、と思ったんですよね。

ところが、日本軍を悪として描いているような描写は特にありませんでした。それが意外でしたね。

もちろん、なんか外で会議していたり、謎の旗を立てていたり「???」と思う描写は数多くありましたが、山本五十六と思しき人物が「賢明な人間なら不戦不敗の道を選ぶ」といっている時点で、「お?」と思いました。

つまり、日本側もやむなく攻撃に踏み切ったという描写もあれば、アメリカ側もあらかじめ予測していたのに受ける準備を怠った、といった描写も含まれているのが意外でした。

映画のメロドラマ自体はともかくとして、真珠湾攻撃の描写は迫力があって素晴らしいですよね。

「パール・ハーバー」の零戦の描き方

特に素晴らしかったのは、何と言っても零戦のカッコよさです。
もう、ここまで零戦がかっこよく描かれていたら何の不満もない、というくらい、零戦がかっこいい。しびれる。心の底からよかったと思います。

話は少しずれますが、宮崎駿の「風立ちぬ」は私のお気に入りの作品だし、零戦にはすごく興味があったので本も何冊か読みました。

しかしながら、あらゆる技術で他国から大きく後れを取っていた軍需産業でどうしてここまでの戦闘機作ることができたのか、いくつか本を読んでも私にはよくわかりませんでした(理解力がないのかもしれませんが)。

「風立ちぬ」でもそういったことが描かれているわけではありません。
零戦は素晴らしい戦闘機だと思いますが、この戦闘機があったから日本は太平洋戦争に向かったのだと思うと、悲しいですね。

日本は戦闘機だけではなく軍艦にもただならぬ自信があったので、もちろん零戦が成功しなくても戦争になった可能性はありますが、ここまでの悲劇と惨劇をもたらしたのでしょうか?

最後には特攻の足掛かりになってしまった、悲しい戦闘機ですね。
この「パール・ハーバー」では、零戦が本当にかっこよく描かれていて満足です。

NITARI
NITARI
私は零戦が大好きなことを隠さないぞ

(誤解のないように言いますが「永遠の0」は大っ嫌いです)

それだけではなく、真珠湾攻撃のシーンは余計なドラマがほとんど描かれずに非常に淡々と描写されているのは素晴らしかったと思います。

もちろん史実と違った描写があったということですが、それを差し引いても戦争エンタメとしてはばっちりのド迫力。

畳みかけるように攻撃が続くシーンの迫力は素晴らしかったです。

主人公たちのスピットファイアが零戦を数機撃破するシーンに関しては、ちょっと「ん?」と思いましたが、それ以外はナイスです。

プライベート・ライアン」と「タイタニック」の影響でしょうか。お金もたっぷり使って臨場感のある仕上がりになっています。

ドーリットル空襲のシーンについて

しかしながら、アレック・ボールドウィン演じるドーリットルが出てきてからの展開があまりにもひどすぎて、めまいがしました。

何がダメって、ドーリットルがダメ。あまりにもダメ。
彼の言っているプロパガンダ発言がすべてキモすぎ。

途中で、「この作戦が失敗しても、この戦争には勝つ。なぜなら、彼ら(主人公たち)のように、自ら進んでこの身をささげてアメリカを守ろうとする若者がいるからだ」というようなことを言います。

これは多分、日本軍のように「特攻を強要されている国との大きな違い」みたいなことで言っているのでしょうけど、いやもう危ういセリフすぎてアウトでしょ。

日本軍だって最初は別に自ら進んで身をささげていたわけで、大体同じようなことですよといいたい。

そのうえ、危機的な状況になったらどうするかという質問に対してこの方は、「俺だったら降伏はせず、最も効果のありそうな場所に突っ込む」とか言って、周りは「おお…!」みたいな顔をしていますよね。

NITARI
NITARI
アウト発言すぎて完全に引くわー。

そもそも戦闘機乗りが爆撃機操縦とかさせてもらえるのか?空母からの難しい発艦があるようだけど!!とも思うし、なんかもうめちゃくちゃすぎる。

そして、真珠湾攻撃のシーンに比べてあまりにもお粗末な爆撃シーンと、何と言っても不時着してからの展開がズブズブすぎて本当にびっくりしました。

全くお金がかかっていない……お金が…

この辺りはドラマとしてもめちゃくちゃ。
どっちかといったらレイフがダニーをイヴリンへ戻すために命をなげうって助けるみたいな話になるのかなと思ったら、ダニーは割と普通にあっさり死んでしまいましたね。

ここまで引っ張っておいてこの盛り上がりのなさ。

しかし最後のナレーションで「ドーリットル空襲によって日本軍は後退を始め、アメリカは勝利を確信して進撃を続けた」と、あたかもドーリットル空襲によって戦況が激的に変わったように言われているけど、際戦況が大きく変わるのはその後のミッドウェイ海戦ですよね。

もちろんドーリットル空襲がその理由の一つになっていることは間違いないけど。

この映画、途中までは真珠湾攻撃のシーンを全力で描くことに集中できてたけど、そこからは適当にヒーローをでっちあげればいいだろう、お金もないしってな感じの映画になってしまったのは実にしょうもなかったです。

まとめ

というわけで、要するにこの映画は「零戦がかっこいい」という映画だったと思います。

この映画を見て、普通に「アメリカの英雄ってかっこいいな」とかいう感覚になれる人ってバカでいいなと思います。

とはいえ全く期待してなかったにしてはまあまあ面白かったです。

この映画はU-NEXTで配信されています。(配信終了予定:2020年10月) 

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