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ローマ近郊古代遺跡「オスティア・アンティカ」の行き方とみどころ!

古代オスティアは、ローマから電車で30分ほどの郊外にある古代都市です。

短期滞在でも行くことができる大きな遺跡なので、おススメです!

【古代オスティア】とは?

オスティア・アンティカ

この都市が生まれたのは、紀元前4世紀ころらしいです。
紀元前4世紀ってすごいよね。まだ帝政前だったよね。

今のオスティアの場所をご覧ください。

オスティア・アンティカの場所

海には近いですが、海沿いっていうわけではありません。

テベレ川の土砂で埋まったらしいけど、2500年くらいだと地形も変わるんですね……ここまで変わるか?と思いますが。

ちなみに、同じ地図で、ではオスティアはどれくらいの広さなのかというと。

オスティア・アンティカの広さ

かなり広いです。

広さでいえば、ポンペイと同じくらいかな?と後日歩いてみて思いました。
ポンペイと違って、こちらは世界遺産というわけではありません。

この充実度で世界遺産に登録されてないなんて、ちょっと不思議なくらいではあります。

で、紀元1世紀ころに最盛期を迎えたんだけど、クラウディウス帝が現在のファウチミーノに新しい港を作ってから徐々に衰退して4世紀には完全に廃墟になった、と地球の歩き方には書いてある。

でもこの都市の歴史が紀元前4世紀から後4世紀までってすごくない?

800年も盛り上がってた都市が衰退するっていうのは、なんかどういうことなんだろうってすごく思いました。

まあ、ローマ帝国自体の最盛と衰退を同じくして経験した都市ってことだよね。

オスティア・アンティカへの行き方

ここはローマ市内からかなり行きやすいです。

まず、地下鉄B線でピラミデ駅まで行って、オスティア・リド線に乗ってオスティア・アンティカ駅まで。

で、この駅を出て目の前の歩道橋を渡って直進して途中で左折、すぐに古代オスティアに到着できます。看板が出ているのでわかりやすいですね。

オスティア・アンティカの入り口

私はここに7月2日に行ったんですが、上の地図を見てもらえれば分かる通り、ビーチのすぐ近くなんですね。

この辺は、ローマからの日帰りの海水浴場としてものすごくメジャーらしくて、朝8時頃だったと思うんだけど、行きの電車が家族連れで結構混んでました……。

私が行った日は、月初めの日曜だから、チケット代はタダでした。
これ実は私は全然知らなくて、チケット売り場で初めて知ったのでほんとにラッキーでしたよね。

オスティア・アンティカのみどころ

まずは街の全体像を。

オスティア・アンティカ

全体像って言っても、これでもまだほんの一部なんだけどね。
古代オスティアはかなりいろんなところを見ることができるのね。

上の写真は、遺跡の階段を上って見晴台から撮ったんだけど、かなりたくさんこうした見晴台から町全体を見ることができるというわけです。

見晴台

このような階段を登ると、要するに昔でいう2階の部分が開けてて見晴台になってます。そういうところがすごく多いのね。

これはかなり素晴らしいです。

さて、エントランスからまっすぐ伸びているのがこの道です。

デクマーノ・マッシモ

デクマーノ・マッシモ

まっすぐ1キロくらい伸びているメインストリートです。この左右に都市が枝葉のように広がってます。

このメインストリートを「デクマーノ・マッシモ」といいます。

ネプチューン浴場の玄関のモザイク

このモザイクは見晴台から見たもの。ネプチューン浴場の玄関のモザイク。

フォンターナ通り

こう見えて長辺が10メートル以上もある、広い部屋です。

フォンターナ通り

こんな通りなんか、屋根がないだけで普通の街みたいですよね。

この都市の素晴らしいところは、基本的にあんまり立ち入り禁止区域がないんですね。
なので、こういう家の一つ一つに入り込んで、奥の部屋とかまで自由に散策できるわけ。

だからもう、はっきり言って見始めたらきりがないっていうやつですよね。本当に。

フォンターナ通りの噴水

これはこの通りにあった、噴水です。

ちなみにこの通りの名前は「フォンターナ(噴水)通り」といいます。
「噴水」っていうけど、たぶん要するに水飲み場というか、水汲み場とかそういうことなんじゃないかね?

オスティア・アンティカの劇場

オスティア・アンティカの劇場

劇場です。
見てお分かりかと思いますが、今も使われているんですね。

状態のいい古代劇場の多くは今でも使われているものが非常に多いです。

コロッセオは状態は悪くはないですが床と観客席がありません。

で、面白いのがこの装飾部分↓

劇場の装飾

めちゃめちゃ可愛いですね。

この部分は有名というか、このオスティア・アンティカでは推しのパーツらしくて、グッズ化されてたりしてて面白いです。

古代の居酒屋(テルモポリウム)

私がすごく楽しみにしていたものの一つが、古代の居酒屋です。

古代の居酒屋

すごいよね。

これがまさか2000年も前に機能していた居酒屋だとは思えなくない?

古代の居酒屋

何というか、今のいわゆる「居酒屋」と姿かたちがほとんど同じなんですね。

人間が合理的に「居酒屋」を作ろうとすると、いつの時代でもどこの国でも、何となくカウンター式のこういう作りになるんだろうね。

古代の居酒屋

それにしてもきれいですね。

ここはかなりじっくり見ることができました。大満足!

オスティア・アンティカのフォロ

オスティア・アンティカのフォロ

ここが街の中心地、フォロです。

大きい町には必ず「フォロ(Forumの語源:公共の広場)」があります。
写真に写っているのはカピトリウムっていう神殿です。

フォロには割と神殿はつきものですね。

最も有名なフォロ「フォロ・ロマーノ」にも大量に神殿があります。
古代ローマは多神教だった時代が長くて(後期にはキリスト教になるけど)、皇帝は死んだら神になるらしくて、その都度神殿を建ててたから増えたんでしょうな……。

オスティア・アンティカの公衆トイレ

あのヤマザキマリをして、「古代オスティアといえばトイレ!」と言い放つほどに、古代オスティアは公共のトイレが有名です。

その公共トイレがこのフォロのそばに、非常に状態よく残っています。

オスティア・アンティカのトイレ

古代ローマ時代は羞恥心とかないですから(全くなかったかはよくわからないけど 笑)、浴場と同じようにトイレも人々の憩いの場だったらしいんですね。

ちなみに羞恥心という概念が人間に芽生えたのはキリスト教以後ですね……キリスト教的な思想だそうです。

この椅子みたいに穴が開いているところが、まあわかると思いますが便器です。

そして床の前に小さな溝がありますけど、ここには水が流れていて、棒の先に綿を巻き付けたものをその水に浸し、それでおしりを拭いたそうです。

まあ、言ってもわからないだろうから、実際に「テルマエ・ロマエ」での描写をご覧ください。

テルマエ・ロマエよりテルマエ・ロマエより

これは確か主人公のルシウスが初めて現代日本のウォシュレットを使ったときの感想だったと思う。

ほかの遺跡でも何度かトイレを見ましたが、便座の部分がこれほどきれいに残っているのは珍しい感じがします。

便座だけ使用例として新しく作ってある遺跡もあったので。

ちなみにこれ、そばの浴場跡やいろんなところで見た排水口なんだけども↓↓

オスティア・アンティカの排水口

めちゃくちゃかわいくない?(笑)
可愛いっていうか、デザインが今とあんまり変わってないことに驚いています。

ちなみにちゃんと水はけがいいように、若干この排水口の部分が低く設計されているとこが多いです。

オスティア・アンティカの見晴台より

ここもやはり、見晴台から見た様子です。

右手に写っているのは確か浴場跡だったかな。

オスティア・アンティカの浴場

この日の混雑状況ですけど、さすがに無料の日曜とあって、この旅で訪れたほかの遺跡に比べたら多少観光客は多かったけど、それでも見ての通り、かなり見学しやすい環境でした。

考古学博物館

考古学博物館

規模は小さいですが、出土した像が展示されていました。

最近はもう、カエサルとアウグストゥスくらいは顔を見れば判別できるようになってきましたね。

で、この裏にカフェとトイレやブックショップがあります。

この時午前11時くらいだったんだけど、暑いし喉も乾いたのでトイレによって、カフェでクロワッサンとシュウェップスをいただきました。

オスティア・アンティカの遺跡

これが何だったのかは忘れてしまいましたね。広すぎです。

エロスとプシュケの家の大理石

オスティア・アンティカのタイル

エロスとプシュケの家の大理石です。

この大理石の床もすごいよね。
現代の金持ちの家の床みたいじゃないですか。

オスティア・アンティカの地下

さっきもちょっと言ったんだけど、この古代都市は本当に行こうと思えばどこにでも入り込めるところが本当にすごいと思うんですね。

で、一番私がすごいと思ったのが、時々ある地下への階段ですね。
地下への階段とか、降り放題なんです。

古代ローマはシステマチックな帝国だったから、地下にいろいろとあるわけですよ。

まあ、風呂を炊くシステムとかもそうだし、排水用の何かだったり水道だったり、まあいろいろです。

でもほかの遺跡だと、安全性とかのせいか普通は入れないようになってるんだよね。

しかし!このオスティアは基本的に入り放題なんですね。

こんな風に階段があって、

オスティア・アンティカの地下

こんなのが3~4個あって、いちいち降りて確認していました。かなり面白いです。

ちなみに、ミトラ神の浴場跡の地下にはミトラ教の集会所があるというのでそれも探して行ってみました。

オスティア・アンティカのミトラ教の集会所

これが地下への入り口。ワクワクしますねえ~

オスティア・アンティカのミトラ教の集会所

で、これが地下。

なんか薄暗くて虫がいそうで埃っぽくてきもかったです。

というか、オスティアの地下に都合3~4回潜り込みましたけど、どれも埃っぽくて虫がいそうできもい。

しかし、地下への階段があるとどうしても入ってしまうんですよね。
これは一体どういうことなんだろうね??

オスティア・アンティカの壁画やモザイク

オスティア・アンティカの壁画

壁画なんかもたまにあったり。

オスティア・アンティカのモザイク

モザイクがすごくきれい!!

この遺跡は先にも書いたけど、敷地があまりにも広大だからか、整備が整ってないところがすごく多いんですね。

つまりどういうことかというと、確かに入ろうと思えばどこにでも入れるんだけども、草ボーボーだったりするわけ(笑)

で、私も完全にこの時点で盛り上がりまくってしまい、もう入れるところはどんどん進んでいってしまったわけ。

そしたら気づいたらもうこんな道なき道を歩いてて。

オスティア・アンティカ草ボーボー

一応道っぽくはなってますけど、草ボーボーです(笑)。

これは本当に遺跡の外れだったんだけど夢中になりすぎて気づいたらこんなところにいたというやつ。

古代のマンション

オスティア・アンティカの古代マンション

古代オスティアの特徴として、公共のトイレは確かに非常に有名なんだけど、「高層マンション」も重要な特徴の一つ。

で、ここに写っているのは2階までだけど、確か4~5階まであったらしいんだよね。

後にポンペイやエルコラーノに行ったけど、いずれも2階建てはあったとは思うんだけど、こんな風に残ってるのはちょっと珍しいですね。

現代社会では高層であればあるほど良いとされていますが、当時は下層階のほうが金持ちが住んでいたそうです。

実はこの都市部から少し離れたところに皇帝の宮殿の遺跡があるというので、小路を歩いて行ってみました。

オスティア・アンティカの外れ

すごく気持ちいいけど、さすがに暑い

そしてさすがにこんな外れには誰もいなかった。

オスティア・アンティカの外れの遺跡

そして中には入れず……

まあ、このころには疲れ切ってたので、まあいいか、という感じだったけど。

街の真ん中の井戸

さて、最後の見どころはこの井戸です。

オスティア・アンティカの井戸

こちらは、メインストリートのど真ん中に位置しています。

なぜにこの井戸が見どころ?ということですが。
そもそも、なんでここに井戸があるのかが問題。

ローマ帝国の代名詞として重要視されるものは、浴場とか劇場とかいろいろありますが、そもそも古代ローマがこれだけ大きな力を得た理由は、水道のおかげって言ってもいいかもしれません。

この都市にも当然水道は来ていたわけですね。

じゃあなんで、ここに井戸?ということだけど。

まあ、要するに街の衰退によって水道が壊れて使えなくなってから掘られたものだそう。

なんだか古代遺跡の悲しさの詰まった井戸なんですね。

オスティア・アンティカの感想と、ポンペイと比べて

さて、そんなわけで古代オスティアの見学が終了しました!

見学を始めたのが午前9時頃。
そしてこの遺跡を後にしたのが14時半くらいです。

中でお茶した時間を抜いても、余裕で5時間は見学しっぱなしだったわけです。

それにしても本当に面白かったです。
何度も書いているけど、どこにでも行けるのがすごくいいんですね。

ここでこれだけ楽しめちゃったら、ポンペイはどれだけなんだよ!と思ってて、翌週に訪れることになるんだけど、ポンペイは期待ほどではなかったんですね。

まあ、あとでちゃんと書きますけど、ポンペイのほうは世界遺産に登録されているので、たぶん予算もかなり出るんだろうね。

オスティアみたいに草ボーボーとかは基本的にないんですね。
ポンペイはオスティアに比べて圧倒的にきれいです。

だけどポンペイはその分、立ち入り禁止区域が非常に多い。

というか、基本的に民家には入っていけないようになっているわけ。
保存状態のいい、いわゆる見どころの多さとクオリティはさすがにオスティアの比ではないんだけど、「見どころ」ってなっているところ以外は基本的に入れないんですね。

だからまあ、それほど私としては面白くなかったです。人も異常に多かったし。

私がオスティアがあまりにも面白かったのは、本当に暮らしてた人達の生活を感じられるように、自分自身も行動できたこと。

人んちに無断で上がり込んでる感じがありましたね(笑)。あまりにもどこにでも入れるものだから。

で、一つの都市の最盛の衰退って、本当に面白いな、と思いました。

オスティアは私にとってはものすごくいい意味で余白が多くて、ここでどんなことがあったのかな~とかどんな家だったのかとか、勝手に妄想を膨らませたり。

少し想像力のある人だったら、この土地には1日居れるんじゃないかな。

そしてこの都市を見ながら、私の大好きなガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い出しました。

で、そういえばヤマザキマリも「国境のない生き方」だったか、「百年の孤独」を100回は読んだみたいに言ってたと思いだしました。

とにかくオスティア・アンティカは大変おすすめです。