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「全裸監督」あらすじネタバレ感想&批判すべきか評価すべきか?

どうもこんにちは、NITARIです。

Netflixが製作した「全裸監督」を観ました。世間ではまさに賛否両論といった評価の作品となっていますが、実際どうだったんでしょうか?

「全裸監督」ネタバレあらすじ

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  • 村西とおる – 山田孝之
  • 荒井トシ – 満島真之介
  • 川田研二 – 玉山鉄二
  • 佐原恵美(黒木香) – 森田望智
  • 武井道郎 – リリー・フランキー
  • 池沢 – 石橋凌
  • 古谷伊織 – 國村隼
  • 佐原加代 – 小雪

時代は1980年代の北海道。村西とおるは会社で英語教材のセールスをしていた。
うだつの上がらなかった村西だが、ヤクザへのセールスを成功させたことをきっかけに成績を上げるようになり、経済的にも余裕が出てくる。

しかしそんな折、妻の浮気が発覚してしまう。
妻からは「アンタでイッたことないのよ」と言われてショックを受ける村西だったが、居酒屋で知り合った荒井トシからセックスの覗き窓を紹介されたことをきっかけにエロを売ろうと考えるように。

始めは、そのころ人気を博していた「ビニ本」を作って売ることから始めた。

一般的なビニ本では必ず局部にモザイクをかけることが義務付けられていたが、彼はモザイクをかけないビニ本を制作し、自ら買い取った書店で売り始めた。

持ち前のセールストークによってどんどん売れてゆくビニ本。

警察に目をつけられても買収して売り続け、販売のルートは都内にまで進出したために警視庁にも目をつけられて、ある時ついに逮捕されてしまうのだったが……

「全裸監督」ネタバレ感想

全裸監督は配信が始まってすぐにその存在を知ったのですが、ついつい後回しになってしまってみていませんでした。

予告ではコンプライアンス無視でドラマを作った!ということをドーンと掲げている感じがしましたよね。

映画陣が最近のコンプライアンス重視のエンタメ業界にかなりストレスを持っているということは私もよく知っていました。

一方で、予告の時点で「コンプライアンス無視!」とか言っている作品が割と増えたというのも実際のところだと思います。

押さえつけられた反動なのかもしれませんが、そこまで「コンプラ無視」自体をテーマにしなくても・・・と思うこともあるので、今回の「全裸監督」も「そもそもコンプラに対して何か言う作品ってみる価値あるのかな?」と思っていたんですよね。

つまり、観る前はあまり期待していませんでした。

が、実際は鳥肌が止まらないような素晴らしい作品でした。

「全裸監督」は一体何が言いたいのか?をネタバレ解説します

日本映画界が持っているフラストレーションとは

あまりにもテレビっていうメディアでコンプライアンスを重視した作品が多すぎて自由な作品が生まれなくなったから、というところからまず解説したいと思います。

今の世の中はSNSなどの発達で炎上しやすくなってしまった時代だということは誰でも実感していることだと思うんですよね。

ちょっとしたことで、「差別的だ」とか「倫理的にどうなんだ」というようなことを指摘され、批判され、大炎上してしまうことが多い。

よくある炎上ネタとしては、芸能人がアレを言ったとか、CMが差別的だとかということが多くて、一見ドラマや映画で炎上しているところはあまり見ることが無いような気もします。

しかし、例えばある俳優が言っていたのは、「ヤクザでもシートベルトしないと指摘される」とか、「タバコのポイ捨てのシーンはスポンサー的にNG」というような、あまりにもとるに足らない部分での自由の束縛を感じている、というところでした。

それ以外にも山のような制約があるんだろうな、と思います。

あとよく言われているのが、「本当に日本映画はつまらなくなった」ということでした。

コンプライアンスを重視する、ということは、何も映画の製作陣たちが炎上を怖がっているというわけではありません。
何を差し置いてもスポンサーがそれを恐れて、自由に映画を製作させない、というところが一番大きいわけです。

で、もちろんスポンサーっていうのはコンプライアンスを重視して様々な制約をつけるのはもちろんなんですが、とにかく映画をヒットさせようと必死で、あまりにもしょうもない原作ものなどを量産するようになってしまった、ということもよく言われています。

そういう、現代の日本映画(ドラマ)界のフラストレーションを一気に払拭するような作品は、やはりリスナーからの契約料によって製作費が賄われている(=スポンサーがつかない)ネット配信サービスから出てくるというのは当然の流れかもしれません。

なぜ今「AV監督」をモチーフにしたのか?

さて、昨今の日本映画界がどれだけストレスフルな状況にあるかということをざっくり説明してきましたが、だからってなんでAV監督をモチーフにしたのか?というところ、私の考えで解説していきたいと思います。

AV監督をモチーフにした大きな理由は二つあって、まず一つはやはり先ほどから言っているように「コンプライアンスを無視した作品を作るんだったら、挑戦的なテーマを選ぶべき」だからというのは当然あるでしょう。

せっかくコンプライアンスを無視した作品を撮ろうとしているのに、学園ものとかだったら全然意味ないですからね。(逆に面白いか?)

AV監督というのは今まであまりスポットライトが当たってこなかったジャンルのように私には思います。

もう一つ、「全裸監督」がAV監督をモチーフに選んだ理由は、ドラマを全部見ていればかなり分かりやすいと思います。

この映画ではもちろん、AV監督がエロを売り物にするために奔走する作品のように見えますが、よく見てみると、結局は「権力やルールに縛られずに自由に自己表現すること」がテーマになっていることがわかります。

主人公の村西はモザイクが大嫌いだしウソが嫌いなのでバンバン本番でモザイクなしのAVを制作していきます。

一方で、ヤクザや行政によって徹底的に活動は拒否され、締め出されてゆきます。

何度も逮捕されて、ハワイの刑務所ではレイプされても、絶対にモザイクはかけないのである!という不屈の精神が、やがて社会を変えてゆく、という話なんですよ。

これは、ただ単にネトフリがAV監督をモチーフにして話題性や炎上を狙った、ということとは全く違い、非常に緻密で計算されたメタファーとなっているわけです。

村西たちは一体何と戦っているのか?
彼らは自由を得るために戦っているのだという事です。

これは何かを表現する人だったら、胸が熱くならないわけがない。

正直、こういう「自由を獲得」ということをテーマにした作品はそれこそ今までも山のように作られてきました。
もはや語りつくされたテーマといっても過言ではないかもしれません。

しかしながらこの作品が既視感なく斬新で新しい作品のように思えるのは、やはりAV監督がモチーフになっているからという事に他なりません。

さらに言うならば、この作品は非常に斬新な作品に見えますが、実は非常に作りとしてはオーソドックスで気をてらわない、地に足の着いた作品となっていることが最も素晴らしかったところかもしれません。

しっかりと現実的な脚本を書き、ポップでノスタルジーでオシャレな雰囲気を無理に作ろうとせず、AVをことさら珍しいもののように誇張して描くこともなく、実にリアリティのある作品を作った監督のセンスには脱帽です。

ただただ面白い作品なんですよ。

「全裸監督」は女性を差別した作品なのか?

さて、この作品はやはり議論を呼びまして、Twitter上でもかなり批判の声が上がっています。

私も実際に全裸監督を観る前に、かなり批判されているということを知りました。
絶賛も批判もされている、まさに賛否両論な作品だということは間違いがありません。

まずこの作品ではアダルトビデオがかなり多く出てきますが、そのこと自体を批判している人が多く存在するようです。

多分、アダルトビデオそのものの存在が、女性の性を売り物にした差別的なコンテンツだと思っている、ということかもしれません。

私自身は全くそんなことは思いませんし、AVが女性差別とか思ったことはありません。その主張自体があまりピンときませんので、詳しく教えてもらいたいくらいです。

そもそも、今の人はエロをすごく安っぽく見ているというか、エロスを表現すること自体に潔癖な人が多いような気がします。

まあ私も昔はそうでしたけど。

もともと日本映画界の「ポルノ」というのは割と表現の自由の象徴だった、というような経緯があるんですよ。

エロスが描かれない一般的な作品には、やはり今と同じように制作の上でのいろいろな制約があったんですが、一方で「ポルノ(ここでいう日活ロマンポルノ)」は、10分に一回セックスシーンを入れて70分程度の作品となれば、それ以外の部分はすべて好きなように作ってもいい、というルールがあったんですよ。

だから、日活ロマンポルノの世界からはかなりクリエイティブな作品が多く生まれています。

そういう経緯がありますので、そもそもポルノは映像表現をする人間にとっては非常に魅力的で自由なものという印象があるんです。

そういった、ある意味で尊敬されたジャンルに出演する看板女優もやはり尊敬される立場だったと思うんだけどなあ。

今の世の中、何をやっても女性差別だとか言われてしまうことに対して、社会は大きなストレスを感じていると思います。

私はどうかというと、多分一般的に見て、かなり性差別に対してうるさい方だと思います。映画でも誰も気づかないくらいのレベルの作品でも「性差別的だ」と批判していることが多いくらいです。

はっきり言って性差別は嫌い。死ね!って思っています。

しかし「全裸監督」には私としては一切性差別的な表現を見ることができませんでした。
むしろこの作品の黒木香には、今の女性たちにはない自由を感じるくらいです。

性に対しての自由っていうのもありますが、脇毛を生やしている、というのがあまりにも素晴らしい。素晴らしすぎます!!

これ実際にも黒木香は脇毛を生やしていたようですが、「女性が脇毛を生やす」ということはそのまんま自由の象徴であると言えますよね。

女性には、脇毛を生やす自由があるんです。
だから、池澤に「脇毛を剃れ」を言われて拒んだことに関しては称賛するしかないんです。

「全裸監督」の村西とおるは女性蔑視のトンでもないやつだ!

村西とおるが女性蔑視で最悪だという意見もよく目にします。

そもそもまず、この映画は「自由」をテーマにしてはいるけど別に村西とおるを肯定してヒーロー化した作品ではないぞ、というところが見落とされがちな気がするんですよ。

実際、モチーフとなった村西とおるが女性を差別したようなツイートをしたり、ネトウヨだとの声も聴きます。

アウト発言しまくっていますね。(笑)

私はすべてのネトウヨが滅んでしまえばいいと思うほど嫌ネトウヨですし、村西の事も別に全然好きでもなんでもありません。

そもそもこの映画を見て、「村西がかなりヤベエ」という事に気づかない人がどこにいるんだというんですよ。

ただのやばい奴です。

雰囲気的には、原一男の「ゆきゆきて、神軍」を見た時のような印象(村西はもっとかなりソフトですが)です。

ヤベエやついたんだなっていうような。
この映画はかなり素晴らしい作品だと思いますが、正直初めから村西がアホであることは一目瞭然ですよね。

誰が見たって「そんなことしない方がいいのに……」ということを積極的にして、案の定パクられるという。

ハワイのエピソードなんかその最たるものです。
無理やり女優に本番やらせたり、どう考えてもそれはレイプ。アウトです。

村西はこの映画が描いている通り、かなりカスです。
だから何だという答えしか出てきません。

この映画を批判している人は、そもそもセックス自体を批判しているのかな、とも思います。セックスは絶対に人目に触れてはいけないものだと思っているのかもしれません。

ちょっとその辺はよくわかりませんね。

あと、実在したAV女優黒木香には許可を取らずに制作したことに対しても批判が上がっているようですが、黒木香が訴えたわけでもないのにこのことにすごく怒っている人がいてすごいですね。

誰も傷ついていないかもしれない事に対して、想像でよく怒れるなと思いますよ。
なんで黒木香が勝手に被害者になってんだ?あんたは黒木香の事知ってんのか?と言いたい。

「全裸監督」の役者たちのすばらしさについて

それにしてもこの作品は役者がすごすぎましたね。

山田孝之。もちろん楽しみにはしていましたが、それを大きく上回る演技でした。
彼のセールストークなど、永遠に聞いていたいほどの切れ味で、過去最高だったかもしれません。

しかしながら、このドラマで最も素晴らしいと思ったのはやはり黒木香を演じた森田望智

NITARI
NITARI
何者だあああああああああ!

飲んでもいない牛乳を鼻から噴き出すような衝撃を覚えました。

まず年齢が不詳。
20歳前後に見えて実際22歳だそうですが、もう何が何だか分からない。かっこよすぎて。
「体当たりの演技」とか言われていますが、本当に体当たりかどうかもよくわからない。こういう人にしか見えない。

この女優のシーン全部最高すぎて、全く言葉にもならないくらいです。

そして満島真之介も素晴らしいですよね。
満島演じるトシの末路があまりにも残酷すぎて、どうなってしまうのかなと思ったらそのままヤクザの道に行ってしまう悲しさがすごい。

このキャラ本当に素晴らしかったと思います。

唯一の女性スタッフを演じた伊藤沙莉もいいですよね。伊藤沙莉は何をやっても魅力的で大好きな女優です。

そのほか、とにかくこの作品は出てる人出てる人が皆生き生きとしていて魅力的で、本当によかった。

まとめ

というわけで全面的に絶賛した「全裸監督」ですが、第2シーズンがすでに決まったということで、うれしいというよりありませんね。

私としては、森田望智の素晴らしい作品をもっとたくさん見たいという希望がありますが、ここまでの作品はなかなか生まれないんじゃないかなと思います。

ネトフリは最近あまり見てなかったので契約をいったん終わろうかと思っていましたが、これからも続けようと思いました。