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「リリイ・シュシュのすべて」無料動画配信&ネタバレ有のあらすじ解説と感想。

リリィ・シュシュのすべて

日本きっての「鬱映画」「胸糞映画」との呼び声も高い「リリイ・シュシュのすべて」ですが、私は昔からこの映画が面白くて何度も観たよ。私ってやばいかな。

【リリイ・シュシュのすべて】動画配信情報

2019年10月現在この作品はU-NEXTで視聴可能です。
U-NEXTには31日間無料トライアル期間があります。

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【リリイ・シュシュのすべて】感想

「リリィ・シュシュのすべて」の残酷さ

この映画を観たのはDVD化されてから少し経った頃で、私が20歳くらいの時だったと思う。

私はまさに、完全に「リリイ・シュシュ」世代で(どんな世代がよく分からんけど)、出演者の殆どが同世代。さらに、私は当時映画監督を目指していて、岩井俊二なんていう監督は比較的一部では神格化されているような人だったんですね。

私自身は、それまでそれほど好きだったわけではないけど(もちろん、何本かは見ていた)。

で、若い頃にこの映画を観て、「こりゃあかなり面白い!」と思ったわけです。
面白くて面白くて、夢中になってみた記憶があるよ。

この映画の私の印象は、暗いとか救われないとかではなくて、とにかく「面白い映画」「よくできた映画」というものでした。

後で岩井俊二が「花とアリス」を制作したのに関しては、「今回は割と明るい青春ものだな~」とか思ったものだけど、そもそも私にとっては「暗い青春=リリイ・シュシュのすべて」「明るい青春=花とアリス」というようなコントラスト程度の差しかなくて、結局あんまりこの2本の映画に違いはないと思っていたわけ。

確かに2本を比べるとリリイ・シュシュのほうがドラマチックっちゃドラマチックではあるけども……。

数年ぶりにこの「リリイ・シュシュのすべて」を見て、私はすごく驚いてしまった。

この映画めちゃくちゃ重くないですか(いまさら笑)

普通に若い女が楽しそうに観れる映画ではないと思うんですけど。
でも、その時から私はこの映画を暗いものではなくて面白いものだと思っていたわけで。

でも、さっきAmazonのレビューとかを見てたんですけど、「辛すぎて最後まで観れなかった」とか、「花とアリスの監督とは思えない。ショックな映画だった」とかの意見が結構あってやっぱり違和感があるんだよね。

辛すぎるの意味が分からない。やっぱりわからない。こんなに素晴らしく面白いのに。

もう、隠しても仕方ないから書いてしまおう。面白いっていうか、もはや楽しいんですよね、この映画。←やばい

そもそも私はかなり暗い映画が昔から好きなんですね。

私の好きな映画の一つに「めぐりあう時間たち」という映画があって、この映画もとてつもなく好きで多分30回くらい見てるんだけど、やっぱり登場人物がうつ病だったり、自殺したりするわけです。(しかも何人か)

私がどうして「リリイ・シュシュのすべて」を重い映画だという認識になってなかったのかということを私なりに考えてみました。

「リリィ・シュシュのすべて」は重くない・理由①

これは私に限ったことではないけども、やはりこの映画を観る時に受け入れられるかどうか、共感できるかどうかは、その本人がいじめを受けた事があるかどうかは重要なポイントのように思います。

私は、小さい頃からいじめを受けていたんですよね。

この映画にあらわされる程のいじめではなかったけど、小学校に上がった時からいじめられた経験が割と日常的だったので、意味のない悪意や嫌がらせはずっと目にしてきたんですよね。

まあ、私の場合はハブくらいで暴力的なモノはほとんどなかったけどね。

ただ、小さい頃から人の悪意には敏感(というか、疑問)でした。

で、例えばそれがもし本当にいじめでレイプされたりした子だったら、逆にこの映画を観れないかもしれません。
私はそこまでではないのは間違いない。なので、楽しく見れたのかもしれません。

が、私が小さなころから思っていた、「どうして人は人をいじめるのだろう?」という疑問の、この映画は答えのような気がしたのですごく受け入れられたのだと思います。

この映画の感想で、「観てられなかった」っていう人って、まあなんというか偽善者だよなあーと思います。

世の中でいじめを見たことのない人なんでいないでしょ。

いじめられたことない人も少ないと思うけど。
でも映画の世界でも、描かれた人間の露わな悪意から目を逸らしたくなるなんて、都合いいよなって思ってしまいますよね。そういう人って多分今までクラスでいじめにあってる子のことスルーしてたタイプなんじゃないの?知らんけど。

「リリィ・シュシュのすべて」は重くない・理由②

もう一つの理由が私がこの映画を面白いと思った理由で、まあこの映画自体が評価されている大きな理由かと思うんだけど、この映画で描かれているのは「人間の悪意の本質」だからだと思います。

私にとっては、「いじめる側の心理」というのがすごく気になるんですね。ずっと昔から、どういう理由で人は人をいじめるのだろう、と疑問に思っていました。

私は「いじめられる側」の事にはあんまり興味が無いんです。大体わかるから。
だって自分がプやられてた方ですから別に理解する必要もないんです。そういうことはうんざりするくらい考え続けてきたんで。

ただ、「いじめる側」ともなるとどうもよく分かんないんだよね。
人に対して意味もなく悪意を持つというのが意味不明。

私は別に、いじめはよくないとか、いじめっ子はいじめを止めろと言っているわけではないんですよ。もちろんいじめはダメなんですけど、そんなことを否定しても人類においてあんま意味ないと思うしね。

人の精神って本当に謎だと思っていて、人をいじめたいとする精神は人間特有だから面白いなーと思っているんですね。

私も人のこと嫌いになったりもちろんするけど、それで誰かをいじめたり省いたりして楽しい気持ちになるっていうスキルが私にない。

でも一方で、それを感じることって一種の人間の性っていう気もするのよね。
本能なのかも知れない。

私はこの映画ほど、この「人の悪意」の無意味さを描いた作品はないと思うんですよね。星野が「悪の象徴」にまでなってしまったことに理由なんてないでしょう?

人が死ぬことに理由なんかないわけです。
人が誰かを陥れることに、必ず理由が無きゃいけないとは思わない。

で、意味のない行動の結果で誰かが死んだり、傷ついたり、それってすごくある意味では自然なことなんだろうなと思うんですよ。

私にとっては、「イジメってこうだ」という理由を突き付けようとするような映画は全く信用できないんです。そういう映画多いよね。

私は「いじめちゃだめだ」という風に正義を振りかざすような映画よりも、人の本質の中にあらかじめ組み込まれた「理由なき悪」の姿を描いたこの映画の方がはるかに面白いと思います。

今回、久々に見て、昔よりも少しだけ大人になって見れたから「暗い映画だな」と理解できた部分もあるけど、心の中では普通にやっぱり「面白い映画」だなと思う。

面白い、というか、案外私の中ではこの映画って、いい意味で「普通のこと:誰も言ってはくれなかったけど」ということのような気がします。

ちなみに、私にはかわいそうな人を助けたい、という上から目線での優位性や偽善的精神はあります。残念ながら。

悪意とあまり変わらないかもしれないけどもね、
そういうわけで、いじめに対してはかなり大きな怒りが今でもあります。

なお、現在この作品はU-NEXTで視聴可能です。
U-NEXTには31日間無料トライアル期間があります。

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【岩井俊二:リリイ・シュシュのすべて】オススメ度

と、言うわけでこの映画はどんな方にも非常におすすめです。

でも多分普通見たら重い気分になると思うので、まあ覚悟は必要なのかな、という感じ。

「リリィ・シュシュのすべて」が好きな人におすすめ

ここからは、「リリィ・シュシュのすべて」が好きな人におすすめの映画を紹介します。

岩井俊二「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「リリィ・シュシュのすべて」と同じく岩井俊二監督の作品です。
私の印象としては、「花とアリス」+「リリィ・シュシュのすべて」÷2っていう感じの印象でした。爽やかそうに見えて割と胸糞です。そのあたりのバランスが好きで、岩井俊二作品では最も好きな作品かもしれません。

にじみ出た人間の膿のようなものが、ユーモラスに描かれた傑作でした。

ケン・ローチ「SWEET SIXTEEN」

イギリスの地方都市に暮らす高校生の日常を描いた作品。かなり理不尽な目にばかり合う少年の生活を淡々と描いています。

観ていて嫌な気分になる、良い感じの胸糞映画です。(「リリィ・シュシュのすべて」のように面白い作品ではなくて、ずっと嫌な感じです)
私の知っているケン・ローチの監督作品はどれもこんな感じで嫌な気持ちになるものが多くて好きでした。「ケス」なんかも主人公の少年が理不尽な目に遭って嫌な気持ちになります。

テリー・ツワイゴフ「ゴーストワールド」

今をトキメク(←古い)スカーレット・ヨハンソンとソーラ・バーチが高校生役で主演をした映画です。

2人のオタク少女が高校を卒業しても就職せずダラダラとオタクを貫いていたが、遊びで出会い系広告に応募し、冴えない中年男性と知り合う、という話。

胸糞でもないんですけど、鬱屈したティーンの気持ちを見事に代弁してくれる作品で、今でもとても好きな映画です。