人間ドラマ・社会派

映画【クレイマー、クレイマー】あらすじ感想!ラストの意味も解説する。

ダスティン・ホフマン&メリル・ストリープ主演のアカデミー賞作品「クレイマー、クレイマー」の、あらすじ&解説と、わかりにくいと言われているラストを解説。

映画「クレイマー、クレイマー」あらすじと作品紹介

それではまず、映画「クレイマー、クレイマー」の概要をご紹介します。

映画「クレイマー、クレイマー」出演者

  • テッド・クレイマー – ダスティン・ホフマン
  • ジョアンナ・クレイマー – メリル・ストリープ
  • ビリー・クレイマー –  ジャスティン・ヘンリー
  • マーガレット・フェルプス  – ジェーン・アレクサンダー
  • ジョン・ショーネシー  – ハワード・ダフ

映画「クレイマー、クレイマー」ネタバレなしのあらすじ

ニューヨークで妻と一人息子と共に暮らすテッドは、仕事に夢中で家庭を顧みていなかった。

ある夜遅く、テッドがいつもと同じように家に帰ってくると、ジョアンナが荷物をまとめて一人で家を出てしまう。
自分だけでなく、幼い息子ビリーも置き去りにして・・・

それまで全く家事をしてこなかったため、朝食を作ることすら一苦労のテッド。

ジョアンナの家出に関し、初めはテッドも本気ではないと思っていたが、数日後に息子ビリーへの手紙で正式に別れを告げる。

新しいプロジェクトを任されたばかりのテッドだったが、ビリーの育児や家事なども全て一人で背負うことになり、徐々に仕事に影響が及ぶようになってくる・・・

映画「クレイマー、クレイマー」動画配信情報

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映画「クレイマー、クレイマー」の見どころ

普及の名作「クレイマー、クレイマー」を見るにあたっておすすめしたいポイントを紹介します!

第52回アカデミー賞作品賞など主要5部門を受賞!

映画「クレイマー、クレイマー」は第52回アカデミー賞で主要5部門を受賞しています。

特にアカデミー賞で作品の質に最も関わる作品賞と脚本賞を受賞しているだけあって、非常に練られたストーリーでクオリティの高い作品となっています。

コメディタッチではあるのですが、当時のアメリカで社会現象ともなっていた離婚問題に正面から向き合った本作は、多くの批評家の支持を得て成功しました。

映画「クレイマー、クレイマー」出演者の見事な演技に注目!

映画「クレイマー、クレイマー」の魅力と言えば、出演俳優たちの見事な演技です。

こちらも高く評価され、アカデミー賞ではダスティン・ホフマンが主演男優賞を、メリル・ストリープが助演女優賞を受賞。

さらに注目されたのが、二人の幼い息子ビリーを演じたジャスティン・ヘンリーの見事な演技です。

とにかくこの映画はストーリー、演出から役者の演技まで素晴らしいクオリティで、おすすめ中のおすすめ映画です。

映画「クレイマー、クレイマー」ネタバレありの感想と解説

それでは、ここからはネタバレを含む感想と解説を書いていきます。

映画「クレイマー、クレイマー」ラスト結末の意味について

私は昔からこの映画が好きで何度も観ているので、この映画のラストについては特に疑問もなく飲み込んでいたのですが、この記事を書くにあたって調べていると、結構このラストに納得ができない人が多いようです。

①最終的に二人が離婚してしまうというのが分からない

どうも、「子供のためにはやっぱり離婚はしないでハッピーに暮らす映画のはずだ」という期待がこの映画に対してあった場合、「え?これって結局離婚しちゃうの?」という風になっとくできないケースがあるようです。

結論としては、この映画はもともと夫婦が離婚するのか離婚しないのか、という映画ではありませんので、最終的には当然離婚します。
もう、ジョアンナの気持ちは離れてしまっているわけです。

②なんでジョアンナがビリーの事を諦めたのか?

そもそも、映画内でも描かれていましたが、親権問題の場合はもちろん子供の意思よりも、とにかく「自分が子供を引き取りたい」という気持ちで争われることが多いですよね。

この映画でも、最初はノイローゼになってしまったジョアンナが、「離婚することで自分を取り戻して自信を回復したので、やはり自分で子供を引き取りたい」と思ったことで裁判に踏み切ることになったわけで。

それで裁判ではジョアンナが勝訴し、子供を引き取ることになりますが、いざジョアンナの元へビリーが去ってしまうときになって、ジョアンナは「ビリーの気持ちを考えるとこの家にいるべきだ」と思いなおすわけです。

ジョアンナは心からビリーを愛しているので、この決断は断腸の思いだったはずです。

しかしテッドのビリーに対しての真摯な様子や、テッドになつくビリーを見て、テッドやこの家とビリーを引き離しちゃいけないと思ったのかなと思います。(ここは私の勝手な解釈ですが)

ビリーの事を想っているからこそ、彼にとって一番いいのはこの家にいることだと思ったんだよね。

ジョアンナは本当に、ビリーの事を愛していたんだなあというラストですよね。

だったら子供のためにもよりを戻せばいいじゃん!という考え方もあるかもしれませんが、親にも人権があるわけだし、子供のために無理して結婚している状況は必ずしも子供のためにならないですから。

しかしながら、最終的にこのジョアンナの苦渋の決断によって、ジョアンナとテッドの関係は元には戻らないけども、かなり良好な関係をもってこの問題を解決したのはよかったと思います。

ただし、息子を愛して大切に育てていたジョアンナが、結局息子とは一緒に暮らせないというのは彼女にとっては悲劇です。

ジョアンナは無責任な母親なのか?

この父子の奮闘ぶりはとにかく感動的で、温かい気持ちにもなるし手に汗握るものだと、私も小さい頃から感じてきました。

一方で、私の中ではこの映画のジョアンナは「悪役」の立場でした。そういう風に感じている方はそれなりに多いと思います。

どんな事情があろうとも、旦那はともかく子供を捨ててはいけない、と思っていました。今でも、子供を捨てるという決断には考えされられるものがあります。

ただ、今の日本や世界の育児の問題や性差別などの問題を考えると、ジョアンナを決して責めてはいけないのだという事がよくわかります。

「クレイマー、クレイマー」は、「妻の家出」から唐突に話がスタートしています。これは単に、観客を夫であるテッドの目線に据え置いて話を進めているからです。

それが証拠に、テッドが息子を置いて出て行った妻に対して嫌悪感を抱くのと同じように、観客である私たちも彼女を嫌悪しますよね。

しかし、実際はジョアンナがずっと孤独と戦ってきた、という事がよくわかるのです。

全く家庭を顧みないワンオペ育児やワンオペ家事が、どれだけジョアンナの心を蝕んだのかは、少し考えれば想像がつくはずです。

現代にも通じる社会問題を扱った作品

一方で、この映画では「子を持ちながら仕事をする難しさ」に対する社会批判が含まれています。

この仕事人間のテッドが、妻が出て行った途端にプライベートに時間を費やすことになって、仕事に支障をきたすようになります。この、仕事に支障をきたし方が、今の日本の社会にもすごく似ていて、改めてびっくりしました。

テッドはどんどん立場が悪くなって、しまいにはクビになってしまいます。
今のアメリカだったらそんなことはないだろうし、ドイツや北欧あたりだったらたぶん一笑に付されてしまう展開。

今は世界中で育児に対しての考え方が変わってきているので、この時代よりは少しはよくなっていると信じたいです。

が、日本はまだまだ育児に対する世間の目は厳しいですよね。

ジョアンナの気持ちを描いた裁判シーン

この映画のねらいは、とにかくテッド目線ですべてを描いていて、後半の裁判シーンで初めて妻に本音を語らせることで、社会に対しての批判を描写する、というところ。

ジョアンナが仕事をしたかったのに辞めなければならなかった事とか、ジョアンナにとっての結婚が何だったのかということが描かれます。

我々にとってはジョアンナが家を出た時からしか見ていないので、自分が勝手に出て行ったのに息子が欲しいとか本当に自分勝手だな、と思ってしまうかもしれません。

しかし、ジョアンナはそれまで何年も孤独に耐えて子育てをしてきたのです。それでも限界がきて、ジョアンナはうつ病になってしまった。

つまり、ジョアンナは病気なんですよ。正常な判断ができない状態になってしまっているのです。

なので、ジョアンナが家を出てからテッドが頑張って1年とかで立派な父親として成長したとしても、それまでのジョアンナの努力に比べたら特に素晴らしいというわけでもないはずです。

この映画を観て、本当にジョアンナっていう母親は悪だ、と決めつけてしまうのはやめてほしいと思います。

最終的に、病気になってしまったジョアンナは息子を失ってしまうのだから。

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映画「クレイマー、クレイマー」のオススメ度は?

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この映画、ほんっとうにオススメ中のオススメです。

だけどこの映画を観るときに気を付けてほしいのが、息子を捨てるってことはジョアンナは悪だってはじめに思わないでほしいです。

人は追い詰められたときに、見境のない行動しかできないときがあるんです。
問題は、「どうしてそうなったのか」ということです。

心を開いてみてもらえれば、今の日本にも通じる重要なメッセージを受け取ることが出来ると思います。