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映画版「キングダム」評価と感想!超大作が成功した、たった一つの理由とは?

今日は、映画版「キングダム」のレビューをしたいと思います。

「キングダム」は人気漫画を映画化したものですが、私は漫画版は未読です。

映画版「キングダム」のあらすじ

出演者

  • 信(しん):山崎賢人
  • 嬴政(えいせい)・漂(ひょう) : 吉沢亮
  • 楊端和(ようたんわ) :長澤まさみ
  • 河了貂(かりょうてん):橋本環奈
  • 成蟜(せいきょう): 本郷奏多
  • 壁(へき):満島真之介
  • 昌文君(しょうぶんくん):高嶋政宏
  • 王騎(おうき):大沢たかお

時代は紀元前245年
秦の戦災孤児であるは、と共に奴隷として働いていた。当時は一度奴隷になると、生涯その地位を変えることはできない。二人は唯一のし上がれる可能性にかけ、毎日剣術を磨いていた。

あるとき、漂は都の大臣である昌文君によって王宮へ使いに出ることになる。
「必ず天下の大将軍になる」と約束の元、二人は離れ離れに。

数年の月日が流れたある日、瀕死の傷を負った漂が家に帰ってきた。彼は死ぬ間際、信にある地図を渡し、その地へ赴くよう伝えて絶命する。

信はすぐに家を後に死、その地図の元へ走った。
そこにいたのは、死んだはずの漂・・・ではなく、瓜二つの男。

彼は、王座を弟に奪われた王・嬴政だった。
実は評は彼と瓜二つだったため、変わり種として雇い入れられ、身代わりに殺されたのだった。

ショックを受ける信だったが、嬴政と行動を共にする決意を固める。
二人は王座奪還を目指し、忠実な家臣である昌文君との合流場所へ向かうのだった。。

まず初めに言っておきますが、私は原作は未読ですし、なんならあらすじすらもほとんど知らないまま観に行きました。
なので、今回の感想は完全に映画のみの感想となります。

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映画「キングダム」の感想と解説

正直言って私はこの映画は全く期待していなかっただけでなく、

「つまらなそう」
「また山崎賢人か」
「安っぽいにきまっている」
「またコミックの映像化という名の駄作の誕生に立ち会うのか」

などなど、酷い言いっぷりでした。

虫
じゃあ観に行くなよ
NITARI
NITARI
それな

まあ、話題作だし見てみようかな、という、ほとんどそれだけの気持ちで観に行きました。

(あとそれと、山崎賢人と吉沢亮のイケメン堪能の為に)

しかし、正直言って思ったより面白かったです。

原作は知らないので、もしかしたら原作のファンからすると「ダメじゃん!」ていうところもあるのかもしれませんけど、映画だけ見たら結構面白いですよ。

色々と面白かった理由をお伝えできるのですが、ざっくり言ってどうしてこの映画がきっちりと面白いものになったのかをまず解説したいと思います。

映画版「キングダム」が成功したたった一つの理由

この映画が成功した理由に関して、細かい部分ではいろいろとあるのですが、大きな理由はたった一つです。

お金かけたから!!!!!

これを読んで「なんだその言い分は!」と思った方がいるかもしれません。

「金だけを理由にするな!バカにするな!」
「原作も面白いだろ!」
「山崎賢人の演技が良かっただろ!」
「長澤まさみがセクシーだからだ!」
「演出が良かったんだ!!」
「お金をかければ成功するわけじゃないだろ!」
「てゆーかそもそも別にそんなに面白くなかった!」

いろんな意見があると思います。最もなご意見。
しかし私はこの映画はなかなかよくできた映画だと思うし、その一番大きな理由が「お金をかけたから」だと思っています。

「お金をかけると成功する」の真実

日本映画界には、お金はありません!

お金がない、という言い方はちょっと違うかもしれなくて、正式には「お金を出してくれるスポンサーがあんまりいない」っていうニュアンスに近いです。

お金をかけて映画を作るっていう事が今は全然できていないんです。

日本で映画の製作費は1本どれくらいかとこの間調べたことがありまして、まあ映画と言ってもピンキリですからざっくりの平均なんですけど大体5000万くらいらしいです。

私これすごい低額でびっくりしました。

一方ハリウッドではどうかと言うと、大体ざっくり言って10倍の5億円くらいかけているらしいです。アメリカにも低予算の作品は多くありますけど、概ね平均ではそのくらいのお金をかけているんですよ。

逆に言えばそれだけ日本は映画にお金をかけていない。
いや、かけられないんです。

日本は金をかけるべきエンタメ大作が生まれ辛い国であるといえます。

私は古今東西のいろいろな映画を観てきて、基本的には大作より低予算の作品が割と好きですけど、ハリウッドでお金をかけて作られた作品のクオリティの高さに驚くことがあるんですよ。

一方で、日本の映画はなんでこんなダメなんだ、と思う事もある。これは単純に、お金をかけていないから。お金をかけていなくていい映画を作ろうとすると、監督の腕だけに頼らなくちゃいけないんです。

これではいいエンタメ映画を量産できないわけです。

お金をかけるだけで一気に、映像面、美術面、俳優面と、様々な角度からクオリティを上げてゆくことができるので、監督ひとりの手腕に頼るのでは完成しないクオリティを完成させることができる、というわけです。

逆に行ってしまえば、「お金さえ出せば概ね最低基準のクオリティは見込める」と言えるわけですね。

このあたりまで説明すれば、映画にお金をかける事がいかに重要かは分かっていただけると思います。

もちろん、ハリウッドも含めて、お金をかけてもクソ映画はありますよね。それは単にお金をかけた以上に監督かプロデューサーがカスであるという事だといえます。

映画「キングダム」の映像美について

というわけで、私は声を大にして「キングダムはお金かけたから良かった」と言いたいわけです。

キングダムは、10億円ほどの製作費をかけたと言われています。
もちろん、この基準はハリウッドからしたら、それほど高くはないと思いますが、最低限の基準にはなってくると思います。

まず、私がびっくりしたのが映像のクオリティ。全然安っぽくなかったんですよ。

まあお金をかければこれくらいの映像ができるんだな、という事が証明されたとも思いますが、やはり細かい部分で監督の手腕も発揮されていました。

全体的に、特に前半の身を隠しているシーンに関してはトーンを暗めにしているので、映画全体が落ち着いた雰囲気で安っぽく見えないんですよね。

基本的に思ったよりファンタジーの少ない映画ですが、3人ほどクリーチャーっぽいのが出て来ていて、そのあたりの描写は大体暗がりの中で撮影されていたのも良かった。

特に後半出てくる巨人みたいな感じの人との闘いの場面に関しては、映像暗めなのもそうですがカメラのアングルなどが非常に工夫されていて、安っぽさを感じさせない演出が光っていたと思います。

ちょっと前半部分は映像が暗すぎて、「これって映写ミスではなかろうか」と思ったくらいだったけど、後半のバトルシーンへのコントラストとしては結構よかったのかもしれません(でもかなり暗かった気がするけど・・・)。

全体的に映像が安っぽくなくてリアリティがあったよね。

お金をかけていると安っぽくないのは当たり前ですから(もちろん演出のすばらしさもあるけど)、どんどん映画にお金をかけてほしいですね。

もちろん、セットに関しても同じことが言えます。
中国でロケをしたとのことですが、セットのクオリティも凄かった。

全然安っぽくない。お金をかけるっていいよね。
お金をかけるっていう事は、素材やデザインの妥協をしなくても済むという事です。

皆がいい!と納得できるまでデザインにこだわることができるから、お金があるのってすごく良い。スポンサーの皆さん、日本映画にお金を流し込んでください。

アクションシーンも良かったですよね。

これももちろん、監督の才能にもなると思うんですけど、ワイヤーアクションの使い方もよかったです。安っぽくない。

日本映画は基本的にお金をあまり使えないので、お金をかけて大掛かりにしたシーンばっかりちゃんと見せようとしてしまって、なんかカメラワークがぎこちなくなったりごまかしが入ったりすることがありますよね。

この「キングダム」は全部にお金をつぎ込んでいるので、監督には余裕があって、ちゃんと映画の演出に完全に集中することができていたという印象です。

映画「キングダム」のストーリーについて

さて、お金の話ばかりで辟易としたでしょうから、内容の話をしたいと思います。
これだけの作品になった背景にお金以外の要素があるとしたら、当たり前すぎますけどストーリーの面白さがあります。

本当に何一つ知らないで見始めた私としては、序盤で漂が死んじゃったあたりで「えっ!!?なんで?吉沢亮、カムバック!イケメンなのに!」とかまんまと思ってしまいました。

それから先もなかなか面白い展開が待っていましたよね。非常に興味深かったです。
内容がすごく面白いっていうのもありますけど、王道アクションコミックのフォーマットから外れすぎていないのも、夢中になれる要素の一つかと思います。

NITARI
NITARI
全体的にロード・オブ・ザ・リングっぽかったですしね
虫
お前LotR大好きな

このように、「キングダム」そもそも内容が面白かった説はかなり濃厚ではあります。
原作もぜひ読んでみたいと思いますけど、もちろんこの作品を映像化するにあたって「ちゃんとお金かけなきゃだめ」って思ってやり遂げる努力をしたプロデューサーを称えたいですよね。

映画「キングダム」の役者たち

この映画の魅力の4割くらいを担っているのが、役者たち。

とりわけ山崎賢人吉沢亮の美しさを見るだけでも価値があるとはこのことですわ。
その上橋本環奈長澤まさみなど押さえどころをわきまえてらっしゃる。

しかし彼らの魅力を、ちゃんとしたシナリオと演出で生かしているのも事実です。
監督は素晴らしいなと思います。

山崎賢人の顔のかっこよさはいつまでも観ていられそうですが、個人的には吉沢亮はより好みのタイプです←聞いてない

しかしながら、私の印象としてB級映画の名手という不名誉な立場であった大沢たかおの名演が光っていたのが最も驚き。大沢は素晴らしかったです。

映画「キングダム」が好きな人におすすめ

ここからは、映画「キングダム」にちなんだ作品を紹介していきます。

コミック版「キングダム」

私がまず読んでいない「キングダム」のコミック版です。
おススメとか言ってますけど、まずはお前が読めよという言葉がそこかしこで聞こえてきそうな案件ですよね。

ご指摘、ごもっともです。
がしかし金がない。全部で40000円近くとか、大人買いにもほどがある。どんな大人だよという感じすらします。

でもいつか買ってやるぜ。

映画「キングダム」写真集

これは吉沢好きとして(もちろん山崎賢人も)ほしい一品ですね。本屋でバカみたいにかじりついて立ち読みしました。

とはいえ読む部分は少なくて写真が主です。
写真のクオリティがとてもいいのと、特に山崎賢人ですがアクションシーンとかはフォルムがすごくかっこよくて、ホント漫画の中の人みたいだなと惚れ惚れします。

長澤まさみと橋本環奈のオフ2ショットもかっこよかったな~
吉沢と山崎と橋本の3人の対談付きです。

映画「斉木楠雄のΨ難」DVD-BOXセット

評価が分かれる映画ではありますが、私の大好きな作品です。
この映画を観て吉沢亮に魅了されました。あまりにも面白い。

私はこの映画の監督の福田雄一をかなり信頼しています。彼のコメディは笑える以外に見どころがないのが素晴らしい。まさに天才だと思います。

映画があまりにも面白いのでアニメ版も観ているのですが、そもそもひたすら原作が面白かったみたいですね。これも漫画版全部買いたいところです。

(中古で3500円くらいで買えるみたいなので前向きに検討中です)

詳しいレビューも別記事に書いているので参考にしてください。

映画版「斉木楠雄のΨ難」感想・稀に見るアホ映画を本気で批評するあまりにも唯々バカであほな「斉木楠雄のψ難」を真剣に評価してみました。...

まとめ

基本的にはこの映画には批判的な点はあまりないです。
この映画はハリウッドに持って行った場合でも十分中級クラスとして勝負はできると思います。

が、これはあくまでも私がこの映画に全く期待していなかった、という点があげられると思います。

こういう映画が面白かったためしが滅多にないからです。基準がないんです。

つまり、もっと日本映画にどんどんお金が流れるようになって、もっとお金をかけていい映画が製作されるようになって基準が上がれば、正直言ってこのくらいの王道エンタメ映画は量産できるかもしれないという事です。素晴らしいですよね。

言っておきますが、私は別にハリウッド信者ではありません。
むしろハリウッドはあんまり好きではないくらいです。しかし、お金をつぎ込んで実際素晴らしい映画が多い、というのもまぎれもない事実です。

私はそういう土台があることに関しては、非常にうらやましく思っています。

何度もこのレビューでハリウッドを引き合いに出したのは、この映画が非常にハリウッド的な方法で制作されているからです。
低予算の傑作は日本にも多いですからね。

しかしながら高評価の映画「キングダム」でもハリウッドの大作基準で行ったら中級クラスです。

こういう映画ができることで日本映画が盛り上がって、お金をかけた作品が普通に作られるようになればさらにその上を望めるかもしれません。

続編も予算がたっぷり組まれるようにこの映画のヒットを望みます。
皆、映画館でキングダムを観よう。