映画レビュー

「カメラを止めるな!」感想&超低予算ヒット作を批評&解説します!

虫
いやー、本当に最高だったわー
NITARI
NITARI
何が?
虫
2017年に大ヒットした映画「カメラを止めるな!」ってあったじゃない?
あれ見たんだけどさー、ほんと死ぬほど面白かったんだよね。めっちゃ笑った。
NITARI
NITARI
あ、そーなんだー
虫
最初の40分くらいはダラダラしてて面白くないんだけどさ、そこからの怒涛の伏線の回収がとにかく最高なんだわ!
NITARI
NITARI
ファッ⁉

映画「カメラを止めるな!」のネタバレ感想

皆さま「カメラを止めるな!」はご覧になりましたか?

元々インディペンデント映画として、予算300万円で制作された「カメラを止めるな!」ですが、そのクオリティの高さにあれよあれよという間に話題沸騰、結局シネコンなど公開が拡大されて社会現象にまでなった映画です。

実は恥ずかしながら私は完全に出遅れまして…結局見たのは、テレビ初放送の時でした。

その時にTwitterで感想を見ていたら、「前半はつまらない」という感想が割と出てきました。

私は前半が面白かったけど後半は微妙だったなと思いましたので、その辺を解説していこうと思います。

「カメラを止めるな!」ワンシーンワンカット

虫
誰がなんといおうと俺はこの映画は超面白かったけど、冒頭の37分の短編映画はちょっと微妙だったんだよね。
やっぱりこの映画の魅力は伏線の回収じゃない?
NITARI
NITARI
おいおいおいおい。。。

誰がなんといおうと「カメラを止めるな!」の最大のクライマックスは冒頭の37分だっつーの!

私は、この映画の魅力は「37分ワンカット」のシーンだと断言します!!面白かったお!

映画の世界で「長回し」(今回の場合は37分)をするというのはなかなかすごい事なんですよね。

「長回し」とは?

映画の撮影方法。撮影したフィルムや動画を一度も編集などでカットせずに成立させる。
一つのシーンを一度もカットせずに撮影しきった場合は「ワンシーンワンカット」などと言われるが、「カメラを止めるな!」のようにいくつものシーンがワンカットで構成されている場合は使わない。

これまでにも多くの映画人が「長回し」に挑戦しています。これはもう映画を撮りたい!と思った人だったら素人であろうとベテランだろうと一度はやってみたくなるわけですよ。

サスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコックや、全編長回し撮影をしたアレクサンドル・ソクーロフ(「エルミタージュ幻想」)、日本でも古くから溝口健二相米慎二など、上げ始めたらきりがない「長回し映画」の数々。

この映画の監督である上田慎一郎もおそらく影響を受けたであろう三谷幸喜もいろいろな映画で長回しに挑戦していますし、「大空港2013」というwowowのドラマではまさかの105分全編ワンカットという神業を成し遂げています。

カメラの動きから役者の動き、スタッフの動きまで全部が完璧にあっていないと完成しない、とにかくひたすらにリスキーなのが「長回し」なんです。

もちろん長回しは映画の手法の一つでしかないわけですので、どんなにすごい技術でも面白くなければ意味がない。長回しゃいいってもんでもない。

しかし「カメラを止めるな!」はその「長回し」がとにかく効果的で上手いし、何よりも内容が面白いんですよ。

ゾンビが出てくる前こそダラダラ感がありましたが、いざゾンビが出て来てからのスピード感はかなり最高だし、そもそもあまりに撮影が上手い。うますぎる。

NITARI
NITARI
この撮影監督は天才だと思う!

途中でカメラ目線になって「カメラは止めない!」と言ってみたり、カメラを地面に落として撮影したり。
かなり挑戦的だしシュールでものすごくカッコ良いわけです。

実際はこのシュールな感じの長回し映画がすべて伏線になっていて、後半の展開に繋がっていました。

「カメラを止めるな!」伏線と回収

虫
そもそも前半だけ見ただけでは、最初の短編映画が伏線になってるなんて思わないよね!めちゃめちゃ斬新じゃない?
NITARI
NITARI
いや別に、あの手法自体は全く斬新なものでもないんだよね

しかしながら、今回のように、一つの作品の中に劇中劇が表現されている、いわゆる「入れ子構造」のお芝居や映画は古今東西では使い古された手法です。

かなり多くの映画がこうした手法で制作されていますが、多分この映画を監督した上田慎一郎にも影響を与えてるのではないかな、と思うのが先ほども少し書きましたが三谷幸喜作品

三谷作品にはこうした入れ子構造の作品が非常に多いんですよね(特に舞台で多いかもしれませんが)。

※三谷幸喜の「入れ子構造」作品最高傑作がこちら↓

「カメラを止めるな!」は典型的な伏線回収もの。
様々な映画を観慣れている人だったら開始45分くらいで何となく先が読める展開だったと思います(私はそうでした)。

もちろん細かい笑いのセンスはかなりのもので、私自身すごく楽しませてもらえましたが、正直言って想像を超えた驚くような展開だったかと言われればそんなことはなかったです。

私自身はシュールで自由な37分ワンカットで十分楽しめる素晴らしい作品だったのに、後半でいちいち「これは実はこうだったのよ」とかなくてよかったと思ってしまった。説明はいらなかったなか、と。

めっちゃウケるシュールなギャグを丁寧に説明される気まずさみたいなものを感じます。

「カメラを止めるな!」の低予算について

虫
そういえばこの映画は300万円で撮影されたって書いてあったけど、それってすごいの?
NITARI
NITARI
めちゃめちゃすごいよ!異常だよ!

この映画の最も意外な点を上げるとするならば、それはもう圧倒的に「300万円で撮影された」という点に尽きると思います。

このレベルの作品が300万円で撮影されたことは、はっきり言って異常かと思います。
観ている限り機材と場所代だけでももう少ししそう。

37分の長回しシーンはいかにも低予算のそれだけど、それ以降は構造もしっかりしているしスタジオなども使っていたり機材もちゃんと使われていたよね。

役者も全員が素人かと思いきや、ちょこちょこ見たことある役者も出ていたし、本当にノーギャラだったんだろうか?

虫
この映画が300万円で撮影されたんだとしたら、他の映画は何にお金を使っていたんだろうな?
NITARI
NITARI
それな

これだけの映画が300万で作られているのに、一般的なヒット作が推定数億で作られているというのも、一体どういう事なんだろう…とか、いろいろ思ってしまいました(平均5000~1億くらいだそうです)

いろんな低予算映画を観ましたけど、低予算なりに頑張っているB級みたいな映画が多い中で、この作品は一般的な映画のクオリティに300万円で押し上げているのが本当にすごいと思います。

一方で、私がこの映画をイマイチだと思った点がこれでもあります。

NITARI
NITARI
低予算映画としては、ちょっとまとまりすぎてるんですよね

後半部分の演出方法や脚本、編集、音楽に至るまであまりにも平凡で、よくある商業映画のフォーマットに準じた「普通の」作品になってしまった、という感じがしました(音楽とかね)。

確かに本当によくできてたし、笑えたんですけどね。

この映画がもし、もう少しお金をかけたものだとしたらますますよかったかもしれないな、と思ってしまうのも少し残念。(特に音楽のつけ方は微妙な感じでした)

多分前半がユニークで面白かったから残念に思えたかもなぁ…

蓋を開けてみたら「低予算だけど普通に楽しめる一般的な商業映画」として成立してしまったことに納得感はありますが、冒頭の勢いから減速してしまった感じがあり、やや物足りなかったかな。

「カメラを止めるな!」が好きな人におすすめの映画

伏線回収ものとしてはあまりにも圧倒的に面白いのがこの「サマータイムマシン・ブルース」。

伏線回収ものらしく、やはり前半は少しダラダラした時間か過ぎてゆきますが後半に至るまでの想像を超えた展開は見ものです。

もちろん、笑える作品です。

低予算映画としてはかなりのクオリティの作品です。
何しろ、一つの部屋の中で会話だけで話が展開して伏線が回収されてゆくミステリーですからね。

そしてもちろん、笑えます。

細々したどんでん返し&伏線回収でかなりの人気を博している作品です。
上の2本より私の評価は劣りますが確かに面白いです。

ちゃんと笑いも取って来てます。

まとめ

というわけで私自身は「前半が良かった。後半部分が蛇足」という結論になりました。

最後に、役者さんたちは非常に素晴らしかった。これも監督の力量なのかな?

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