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「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」解説&あらすじネタバレ感想

どうもこんにちは、NITARIです。

今日は、クエンティン・タランティーノ監督最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観ましたので、あらすじ感想です。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」あらすじ

出演者

  • リック・ダルトン:レオナルド・ディカプリオ
  • クリフ・ブース:ブラッド・ピット
  • シャロン・テート:マーゴット・ロビー
  • ロマン・ポランスキー:ラファル・ザビエルチャ
  • ジョージ・スパーン:ブルース・ダーン
  • マーヴィン・シュワルツ:アル・パチーノ
  • リネット・フロム:ダコタ・ファニング
  • スティーブ・マックイーン:ダミアン・ルイス
  • スコット・ランサー:ルーク・ペリー
  • チャールズ・マンソン:デイモン・ヘリマン

舞台は1969年。
50年代に西部劇で名をはせたリック・ダルトンは、ピークを過ぎた今、落ちぶれることを何よりも恐れている。

常にリックの傍にいるのは、かつて妻を殺すも罪に問われなかった売れないスタントマン・クリフ・ブース

リックが暮らしている豪邸は、前には注目を集めている映画監督のロマン・ポランスキーが妻で女優のシャロン・テートと共に暮らしていたが、現在は彼らは隣に引っ越しており、リックが住むようになった。

リックは仕事のないクリフに何とか自分のスタントをさせられるように監督に交渉し、一度は成功するも、クリフがブルース・リーに盾突いて喧嘩になったうえ、彼をぼこぼこにしてしまった事で首になってしまう。

リックは落ち目である自分にいら立ちを焦り感じ、本番中にセリフを忘れてしまうことに激昂していた。

そんなある時、クリフはヒッチハイカーの少女を拾って彼女の家に送ってゆくことに。
その場所は、多くのヒッピーが暮らしている場所で、西部劇の撮影場所としてクリフも訪れたことのあった場所だったのだが・・・

シャロン・テート殺人事件とは?

映画監督のロマン・ポランスキー監督の妻であり妊婦だったシャロン・テートが1969年に、カルト集団に惨殺された事件です。

シャロン・テートはロマン・ポランスキー監督作である「吸血鬼」に出演したことがきっかけで、事件の前年にロマンと結婚していました。

シャロンを殺したのは映画にも出てきたカルト指導者であるチャールズ・マンソン

マンソンは、ロマン・ポランスキーとシャロン・テートが住んでいた(映画ではその後リックが暮らす)家にその前に住んでいたテリー・メルチャーが、彼の音楽をメジャーデビューしなかったことを恨みに思っていたそうです。

つまり、逆恨みだったわけです

ロマン・ポランスキー監督とは?

ここでいちいちロマン・ポランスキー監督の説明をするのもどうかなーと思いますが、一応どういう映画監督なのか説明しておきますね。

元々第二次世界大戦中にポーランドに住んでいたユダヤ人です。彼はアウシュヴィッツに収容されるも父によって逃がされ、生き延びました。母はアウシュヴィッツで亡くなっています。

ポーランドで制作された作品は共産主義の本国では無視されましたが、西側諸国からは評価されたため、63年にイギリスへ移住し、それからアメリカに渡りました。

そこからヒット作を作っていた矢先に、この映画のモチーフになった、妻の惨殺事件が起こってしまう、というわけです。

1977年には13歳のモデルをレイプしたとして罪の問われ、逮捕されています。いろいろとややこしい経緯がありまして、ロマン・ポランスキーは事実上の国外追放処分となっており、それから一度もアメリカに戻っていません。

彼の映画にはその後もアメリカを舞台とした作品がいくつもありますが、すべて外国で制作している作品です。

代表作

  • 吸血鬼 The Fearless Vampire Killers (1967年)
  • ローズマリーの赤ちゃん Rosemary’s Baby (1968年)
  • チャイナタウン Chinatown (1974年)
  • テス Tess (1979年)
  • 戦場のピアニスト The Pianist (2002年)
  • ゴーストライター The Ghost Writer (2010年)
  • おとなのけんか Carnage (2011年)

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」ネタバレ感想

全くワケがわかりませんでした。

この映画、よほど評判が悪いのだろうと思って海外のサイトを見てみたら、レビューの平均評価は4つ星くらいになっていて、何がワケが分からないといってその事実が一番ワケ分からなかったです。

この映画の一体どこをどのように評価したらいいのかさっぱり理解できません。

私だったら、星1つくらいかな。
タランティーノ作品の中でも、前回の「ヘイトフル・エイト」と同じくらい酷かったですね(いや、「ヘイトフル・エイト」よりはましかも…?)。

とにかく、かつてのタランティーノ作品の切れ味は完全に失われたといってもいいでしょう。
もはやこれはタランティーノ作品というよりは、「タランティーノに憧れている別の作家」の作品のようにすら感じます。

それとも、もしかしたらタランティーノは昔からこれをやりたかったのに、天才すぎて「イングロリアス・バスターズ」までは話が面白くなりすぎていたのでしょうか?

だからそれ以降の話はどんどんつまらなくなって、薄っぺらくなっても、それが本当にやりたいことだったのかも、とすら思ってしまうくらい、つまらなかったです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の脚本

ざっくり言って、この映画は「パルプ・フィクション」イングロリアス・バスターズ「デス・プルーフ」を足して3で割って、1:9くらいの割合で水で薄めたっていう感じの映画でした。

タランティーノ作品は、素晴らしくポップで見た目にかっこいいですが、中身もかなり練りこまれていて面白いっていうのが魅力の一つであることは間違いないですよね。

つまり、どの映画もものすごく内容が面白い。ストーリーが面白いんです。

しいて言うなら、「パルプ・フィクション」だけはストーリーというよりも斬新な構成やセリフ回しの圧倒的な新しさで爆発的に評価されたような気がします。

しかしそのほかの作品は(少なくとも「ジャンゴ」までは)そもそもストーリーがめちゃくちゃ面白い作品だったように感じます。

今回の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」はなので、もしかしたらどちらかと言えば「パルプ・フィクション」的なものをもう一度作りたいという気持ちで企画されたのかもしれません。

しかし問題は、内容のなさに加えて説明的なシーンとセリフの多さだったように感じます。

特にこの作品は冒頭の30分くらいがひどくて、いかにリックが嘗ては名をはせたのに今は落ちぶれているか、ということと、クリフがうだつの上がらないスタントマンであるかということをカットインなどを入れながら永遠と説明してくれるんですよね。

彼らがそういう立場にいる、ということを説明する以外の魅力が全くないし、説明にも新しいものや緊張感がまるでない。

これが、「イングロリアス・バスターズ」の冒頭で、クリストフ・ヴァルツに映画史に残る名オープニングを演じさせた、あのタランティーノの作品なのでしょうか?

以前はタランティーノの書いたセリフを聞いているだけで永遠と時を忘れさせてくれたというのに、「ジャンゴ」以降は一笑すらも難しくなってしまって、かなり辛いんですけど。

60年代カルチャーを知らないと楽しめない?

この映画は全体的にタランティーノが昔から大好きだった「パロディ」がふんだんに出てきますよね。

一番わかりやすいのはブルース・リーです。
この世界のブルース・リーはずいぶん弱かったですよね・・・

私が大好きなスティーブ・マックィーンもブルース・リーも「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の時間線の中では割とショボかったですね・・・

その二人はかなり分かりやすかったですが、ほかにもいろいろ「これはなんかのパロディだな」と思うものが合っても元ネタが分からなかったんだよね。

私は映画ブログを書いているので、普通の人よりは映画に詳しいと思うんですよ。
そういう私が観てもちょっと分からなかったです。B級映画とかはほとんど詳しくないので当たり前かもしれませんが。

ただ問題は、今までもタランティーノってすべての作品でかなりパロディをしてきて、やはり大体元ネタは分からないんですけど、別に分からなくても普通に楽しめたことなんです。内容が面白かったので。

でも今回の作品は、あまりにもパロディしか描いていないのが本当にしんどかったし中身がなかったです。

車とか音楽とか出てくる役者とか、全部が60年代へのオマージュなんですけど、正直言って私は60年代のカッコよさだけ協調したような作品は全然面白いと思わないんですよね。

「シャロン・テート殺人事件」を知らないと楽しめない?

そもそも「シャロン・テート殺人事件」の事を知っている人って、日本にはどれだけいるんだろうか・・・

この映画が成り立つほど、アメリカでは誰もが知っている事件なんでしょうか?

私はポランスキー作品が大好きなので事件の事は知っていました。
しかし、シャロンが実際に殺された家に今はリックが住んでいる事とか、シャロンがどういう人間とか、そういう事って結構わかりづらいなと思いました。

そもそもシャロン・テート殺人事件を知らない人は、最後にリックの家に乗り込んできたカルト集団がぼこぼこに殺されるところが「シャロンが殺されるはずだった家にリックが住んでいたために返り討ちにしたった(笑)」っていうことに果たして気づけたのだろうか?

そもそもシャロンを殺したチャールズ・マンソンとそのファミリーの事とかも話に聞いてたくらいだったんですが、アメリカでは誰でも絶対に知っている、つまり日本でいうオウム真理教みたいな存在なのかもしれませんね。。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が掘り下げたかった事

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が一体何を言いたかったのか、さっぱり分からなかったというところに帰っていきたいと思います。

私が解釈するに、この映画はマンソンファミリーをめちゃくちゃ馬鹿にして、シャロンが生き残った設定で話を作って笑い飛ばしてやろうっていう事だったのかな、と。

まあ別にそれがしたかったならそれならそれでいいんですが、それって「イングロリアス・バスターズ」の超縮小版って感じがするよね。

「ジャンゴ」でもKKKをすごく馬鹿にした作品を作っていましたし、タランティーノっていうのはなんかこうカルト集団みたいなものをバカにしてぶっ殺すみたいなことがすごく好きですよね。

ただ、今回のマンソンファミリーの事とかは、なんかそのカルト性を狂気として描いていたっていう事でもないし、その彼らがぼこぼこにぶっ殺される姿を見てもなんとも思わない。

すいません、私がマンソンファミリーの事をよく知らないからそう思うのであって、オウム真理教だったら普通に理解していたのかもしれません。

ただ、もしこの作品のモチーフがオウム真理教だったとしても、その狂気は上手く描いていかないとやばさは伝わってこないというか。

ナチスの事は誰でも知っていますが、それでも「イングロリアス・バスターズ」の冒頭で描かれた狂気が映画の重要なスパイスになっているのは間違いないわけです。
そういうことを描かないと、映画全体に全く緊張感は生まれないと思います。

タランティーノは暴力を描くのが好きだから、結局、最後に悪い奴をぼこぼこにしたかっただけなのかな。

もうそういうモチベーションで映画を作るんだったら、「デス・プルーフ」と「イングロリアス・バスターズ」だけ見ていればいいわけで、何も劣化した本作に時間を使わなくてもいいのではないでしょうか?

まとめ

というわけで、全体的に超退屈だった。

あ、一応私がタランティーノの事をもともとどう思っていたかというと、それこそ人生を変えてくれた神のように尊敬していました(笑)。私の青春を持って行った映画監督です。

「パルプ・フィクション」は好きすぎて「エゼキエル25章17節」の最後の部分を全部英語で暗唱できるくらい繰り返し見ていたんだよね(←やばい人 笑)。

だからジャンゴ以降のタランティーノにはがっかりです。

かといってかつての作品は今でもこれからも永遠に見続けます。

NITARI
NITARI
嘗て崇拝していた芸術家が最近になって駄作しか生まなくなって嫌いになったけど、過去の作品は愛し続けてゆく状況に名前を付けたい。

最後に役者の話。

主演のディカプリオも悪くなかったですが、ブラピはよかったですね。
ブラピはすごくかっこいいという事を、今までで一番感じました。かっこよかった。最高。

過去最高にかっこよかったと思います。

まあそれ以外は特に何にも面白くなかったです。

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