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実話をもとにした映画「ブラックホーク・ダウン」感想と解説。

どうもこんにちは、NITARIです。

「ブラックホーク・ダウン」を観ましたので、感想です。

「ブラックホーク・ダウン」のあらすじ

出演者

  • マット・エヴァーズマン二等軍曹 – ジョシュ・ハートネット
  • ジョン・グライムズ特技下士官 – ユアン・マクレガー
  • 車輌部隊指揮官ダニー・マクナイト中佐 – トム・サイズモア
  • ノーマン”フート”ギブソン一等軍曹 – エリック・バナ
  • ジェフ・サンダーソン一等軍曹 – ウィリアム・フィクトナー
  • 前線基地司令官ウィリアム・F・ガリソン少将 – サム・シェパード
  • トッド・ブラックバーン上等兵 – オーランド・ブルーム 

1993年、アイディード将軍による独裁政権により内戦状態が続いていたソマリアへ、アメリカは軍を派遣していた。
目的はアイディード派の民兵による軍事的包囲をやめさせることだった。

1993年10月。
アイディードとその側近2名を捕えるという作戦は予定通りいけば1時間で終了するはずだった。

作戦には100人近い兵士が参加。その誰もが、この作戦の失敗を予想はしていなかった……

「ブラックホーク・ダウン」の感想

これはマジで面白いです。
映画としてはめちゃくちゃよくできています。

とはいえ、開始30分はキャラ紹介、そこから最後までただひたすらに銃の撃ち合いなので、内容として特別ひねりがある、というわけではありません。

しかしながら息もつかせぬ緊張感と、まるで観客をも戦場に引きずり込むようなリアリティと臨場感はとにかく素晴らしいと言っていいでしょう。

「ブラックホーク・ダウン」の新米兵士たちの奮闘

作戦自体は開始すぐにポシャってしまうため、そこから映画の最後まではほとんどが敵地からの脱出を描いた作品です。

ということはどういうことかというと、今までの戦争映画のように積極的にアメリカ軍が作戦を決行するといったコントロールされたものではなく、基本的に班も作戦もめちゃくちゃになった混とんとした状況で、司令塔からの指示によりその場からの撤退を描いているということです。

もともと私は戦闘映画が好きでいろいろとみていますが、どんな作戦も基本的にはアメリカ軍が仕掛けて、いろいろあって失敗したり成功したりすることが多い中で、「ブラックホーク・ダウン」の場合かなり初期の段階で作戦の要であるブラックホークが撃墜されてしまうのが他の戦争映画と一味違うところです。

また、この映画ではその内容をより効果的に見せるため(なのか、実際にそうだったのかはわかりませんが)、多くの兵士たちに実戦経験がないという設定になっています。

主人公のマットもジョン・ビールズ中尉のてんかんの発作での離脱によって急遽班長を言い渡されますが、実戦経験はないと言っています。

また、血気盛んな若者として参加しているオーリー演じるトッド・ブラックバーンにも、当然ですが実戦経験はありません。

最初から最後までいい味を出していた、ユアン・マクレガー演じるジョン・グライムズや、しまいには司令塔であるガリソンまでが初仕事ときたもんだ。

(冒頭の30分のフラグの立ち方がやばいww)

「ブラックホーク・ダウン」には悪はいない。敵がいるだけ

この映画で素晴らしいなと思ったのは、敵味方の勢力を善悪で描かなかったことですね。
当然の事ですが、この作品には多くの敵が出てきます。とてつもない量の敵が出てきているし、要人クラスの人物も出てきて会話をしたりする。

しかし、あくまでもこの映画にとって彼らは「敵」であって、悪の象徴として描いていないというのはよかったと思います。

もちろん、敵を「悪」として描いていない以上、味方を「善」としても描いているわけではありません。

これはとても重要なことで、戦争というのは特に善悪で発生するものではないということがよく分かります。

もちろん、独裁政権が国民を苦しめているというのは大前提としてはあるんだけど、だからといって彼らを「悪」と断定してしまうのは危険なことですから。

「ブラックホーク・ダウン」に観る戦争の厳しさ

というわけで、「ブラックホーク・ダウン」は決して「戦争はダメなことです」と説教しているわけでもなければ、「独裁で国民を苦しめるのをやめさせたい正義感」を描いているわけでもなく、もちろん「アメリカって素晴らしいよね」って描いているわけでもありません。

この作品が素晴らしいのは、ただ戦争の過酷さを描いたこと。そのうえで、これを見て誰がどう思うのかはそれぞれの判断に任せているように見えます。

特に私が好きなのは、これほど厳しい市街戦を何とか切り抜けた兵士たちの20人くらいが、最後に装甲車に乗り切れずに「走ってついてこい!」って言われるシーンです。

もう、この畳みかける辛さは本当にすごい。し、ひどい(笑)。
最後の最後まで命を削って帰還した兵士には拍手を送りたくなるような展開でした。

モガディシュの戦いについての謎

しかし、私はもちろん戦争に関してずぶの素人なんで勝手に言わせてもらいますが、そもそもこの「モガディシュの戦い」って本当に勝機あったんか?というのは疑問ですよね。

結局この映画では、この戦いがどうして失敗してしまったのかは描かれていませんよね。

もちろん、さっきも書いたように戦闘経験が浅かったとか、思ったよりめちゃくちゃ民兵が準備してきたとか、アメリカ軍が見張られていて基地から出た時点で報告され、準備万端で迎え撃ちにあってしまったとかいろんな要素は描かれています。

が、あまりにも作戦がズブズブすぎて、「逆になんで成功すると思った?」という感じがしました。

しかも結局捕虜は捕まえましたけど、アイディード将軍に関してはもう影も形もないし、そもそもアイディードがいなかったじゃん!なんだよそれ!みたいな描写もなく、もう完全にそれどころじゃなくなってる。

もちろんこれは映画でのことであって、実際はどうだったのかわかりません。

この映画は全体的にかなり面白いけど、作戦がズブズブなところと、やっぱり最後にはヒロイズムで納得させようとする感じはちょっといまいちだったかな。

「誰も英雄になろうなんて思ってないよ。結果的にそうなるんだ」
いいセリフだけど、「かっこいいかよww」と思って。そういうのは別にいらない。

アメリカ軍の他国への軍事介入に関して

映画では2機目に墜落した飛行機から乗組員の遺体がが引っ張り出されて玩具にされるようなシーンがありましたが、実際にはブラックホーク機の乗員などの遺体は裸にされてもてあそばれ、その様子が全米で報道されたようです。

映画でも遺体が玩具のようにされるシーンは、下手に痛々しいグロテスクなシーンよりもかなり怖い、ショッキングなシーンだなと思いましたが、それが全世界に報道されたかと思うと怖いし悲しいですね。

そのうえ、その痛いはのちに切断されて発見されたとか。

この事件をきっかけに、アメリカの世論は撤退を求めるようになったらしく、1994年にアメリカ軍をソマリアを撤退しました。

アメリカ軍の軍事介入に関しては、ソマリア内戦に限らず批判が多いのは周知のことです。

私自身、基本的にはアメリカのなんでも頭突っ込みたがる感じはかなり嫌いだし、全然介入する意味ないだろと思うことも多いですよね。

人の戦争になんでも間でも首を突っ込めばいいわけじゃない。

とはいえ、例えばソマリア内戦に関しても「他国の内戦なんだから放っておこうよ」っていうのは違うと思う。

それはもちろん、「他国であっても弱い立場の国民が明らかに苦しんでいる場合は、それを何とかするのが国連の仕事だ」という見方もまあ確かにあるんですけど、それともまたちょっと違っていて、「そもそもこの内戦が本当に確実にソマリアだけのせいで起こっているのか?」という点があるわけです。

そもそもアフリカに国境線を引いたのだって、19世紀にヨーロッパ諸国が勝手に侵略して国境戦を勝手に引いて植民地化したんですよね。
だからそれまで暮らしていた民族などはその勝手な政策のせいで分断させられたりしたんでしょ。

ソマリアに関しても、そもそも19世紀にソマリ民族の住む地域を3つに分割してフランス、イギリス、イタリアが勝手に植民地化していたのを、第二次世界大戦後に独立&合併したことをきっかけに生まれた国なんですね。

その事実自体がソマリア内戦の直接な理由になってはいないようですが、ソマリアが過剰な民族主義を掲げ始めたことの理由にはなっているかもしれません。

アフリカに介入するなといったら、そもそも18~19世紀から介入するんじゃない!といったところで、戦後にそれらの国々でクーデターなどが起こって内戦状態になったりしたんだったら、「でも内戦は自分たちで解決しようね」とはできないのは当然です。

だから、第三者であり国力の強いアメリカが「何とかしよう」と思うこと自体は理解できると思います。

ただ、アメリカの軍事介入がただのおせっかいだったり、それどころかアメリカの利益になるがためのものだったりすることも多いから嫌になってしまうんだけどね。かなりうざい国であることは間違いないかと。

ほんと、アフリカ諸国や中東の不安定な地域に関しては、心が痛むね。
何してくれてんだよと思いますよね。

まあ、日本もかつては侵略とかしてた過去があるんで、人の事は言えない。

まとめ

ちょっと話がずれてしまいましたが、まあ、全体的にはかなり面白いしおすすめの映画です。

あと、かなり私好みの役者が出ていて、そういった意味でも楽しい。
昔のジョシュ・ハートネットはかっこいいし、ユアン・マクレガーは結構笑わせてくれましたが、大好きすぎるのはエリック・バナですね。彼は本当に顔が好き。

顔だけで、それほど演技はうまくないけど、今回もカッコよかったな。

それから「プライベート・ライアン」にも出ていたトム・サイズモアもめちゃくちゃかっこいいですよね。「プライベート・ライアン」の時もトム・ハンクスの右腕として大活躍していましたが、「ブラックホーク・ダウン」でも経験の浅い兵士の中でかなり頼りがいのある男でした。