書評【哲学用語図鑑:プレジデント社】感想とオススメ度!!

2017-09-25その他書籍

今日は本の感想です!!

プレジデント社から出版されている、「哲学用語図鑑」を読みました。

帯にも書いてある通り、「ビジネスにも交渉にも役立つ教養」となっていますけど、果たして実際はどうなんでしょうか??

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「哲学用語図鑑:プレジデント社」の感想

かわいいイラストでキーワードを読み解く分かりやすい構成

 

この本を選んだ一番大きな理由は、とにかくイラストがかわいい!!!

 

とにかく、イラストがかわいい!!!(二度言った)

 

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こんなイラストで哲学用語をわかりやすく解説してくれるんだから最高だよ!
と思って買ったわけです。

で、実際に分かりやすかったのか?というと、まあまあでした。

 

まあまあ、っていうのは、実際めちゃくちゃ分かりやすくしてくれてはいると思うんだけど、やっぱり思想によっては当然、意味不明なものが多いわけで、それを何とか解説してくれようとしている事だけは分かる。よく分かる。

だからこの本は哲学の入門書としてはかなり分かりやすいけど、これだけ読んだのではだめで、ちゃんと他にもいろいろ勉強が必要なのかな、ていう感じ。

 

でもとにかくイラストがかわいくてユーモアにあふれているので、観てるだけで楽しいですよ。

 

「哲学用語図鑑」の構成

 

この本は基本的に「哲学の歴史」っていう本ではなくて、あくまでも文字通り「哲学用語図鑑」になっています。

古い→新しい、の順に紹介されていますが、基本的には

 

古代(B.C.600~B.C.250)→
中世(A.D1~1400)→
近世(1500~1750)→
近代(1700~1975)→
現代(1850~)

という感じで、5つの章に分かれています。

 

各章の頭にはまず、「哲学者」がピックアップされていて、ざっくりと「誰」が「何」を考えたのか、ということが一覧で分かるようになっています。

 

こんな感じ↓ かわいい~

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で、そのあとに「哲学用語」から、どんな哲学があったのかということが説明されるわけです。←この部分がメインです。

 

どんなふうに掲載されているか、面白いなーと思ったところを抜粋したいと思います。

あんまり載せちゃうと怒られちゃうので、少しだけね。

 

プラトンの思想:「イデア」

 

かなり有名なプラトンの思想はどれを読んでも「マジかー」って思わせてくれる面白いものばかり。

その中で抜粋した「イデア」という考え方です。

 

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人が持つざっくりしたものの「形」の事をイデアというそうです。

 

例えばいろんな「木」があったとして、それぞれ皆形も大きさも、時には色も違うのに、なんでそれらを人は「木」だと認識できるのでしょうか?

どんな木を見てもそれを「木」と認識できるのは、人はそれを全ての木に共通の形(イデア)と知っているからと、プラトンは考えたわけです。

 

面白いこと考えるよねプラトン。

 

カントの思想:「物自体」

 

カントの思想は、この本のちょうど中盤、148ページくらいで出て来るんですが、私としてはものすごく衝撃的でした。

カントは18世紀を生きた哲学者なんですね。

ここに行きつくまでは私はこの本を「なるほど~」とか「考えてみれば確かに」って納得しながら読んでたんですけど、カントの考え方にはかなり度肝を抜かれました

 

例えば「物自体」という考え方。

 

 

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ここは説明が素人では難しいので、画像と照らし合わせて本文を引用したいと思います。

 

赤いレンズのサングラスをかけたら、物(世界)は赤く染まります。もし私たちの目が生まれる気このような構造になっていたら、私たちは本当の物(世界)を見ることができません。

それでは実際、私たちは本当の物(世界)を見ているのでしょうか?

(中略)

私たちは私たちの感覚器の構造が捉えた情報をたよりに、意識によって物(世界)を作り上げているだけなのです。だから物(世界)が本当はどのような姿形なのかを知ることはできません。

人は物自体に行きつくことはできないとカントは言います。

 

なんツーことを考えるんだキミは!?

 

( ゚д゚)ポカーン

 

カントは一事が万事こんな調子で、とにかく衝撃の連続。

カントのこうした哲学自体も凄いと思うんだけど、とにかく私はカントっていう人がこれほど人と違ったフィルターを使って、どんなふうに世の中を見ていたのか不思議でならないというか、なんかすごい苦労しただろうな、とかいろいろ考えちゃいましたね。

 

私は自分も結構いろいろ考えて生きづらい思いとかしてた方だけど、わたしなんか全然ふつうだったわ。

カントと比べるのもどうかと思うけど。

 

ニーチェの思想:「ルサンチマン」

 

ニーチェって映画でもけっこうモチーフにされたりしてたんだけど、結局どんな思想なのかよく知らなかったんですけど恥ずかしながら、今回少しわかりました。

 

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弱者が力ではかなわない強者のことを悪に仕立て上げ、自分を納得させる心理をニーチェはルサンチマンと呼びます。

キリスト教は、人々の心の中にあるルサンチマン道徳という言葉に変えて正当化したので、爆発的に受け入れられたのだとニーチェは考えました。

 

 

これは面白い考え方ですよね。

この思想に関してはつづきがあります。

 

ダーウィンによれば自然界の生物は強いものが生き残る自然淘汰によって進化してきました。そこには善悪という道徳は存在しません

(中略)

ところが人間界には往々にして才能や健康に恵まれた強者が悪で、弱者が善という道徳が見て取れます。

(中略)

ニーチェによれば人間の弱者は束になって、実際の力ではかなわない強者を「思いやりがない」とか「欲が深い」と決めつけ、精神的に優位に立とうとします。このような弱者の畜群本能が道徳という価値をねつ造したのだとニーチェは考えました。

 

バリバリのアンチ・キリスト主義

「神は死んだ」というくらいだからそうなんですけど、面白い考え方だし納得できますよね。

 

また別の機会で詳しく話そうと思っていますけど、私は最近「キリスト教」というものに若干懐疑的でして(まあ、実は微妙に昔からなんですけど)、だからこそこういう思想は面白いなと思います。

それにしてもこの本によれば、神の解釈って本当に哲学的にもいろいろ云々されていて興味深いです。

 

ちなみに、私はSEKAI NO OWARIがものすごく好きなんですけど、彼らの音楽には驚くような哲学的な歌詞が含まれています。

で、今回ニーチェの思想の部分を読んで、このバンド(っていうかヴォーカルの深瀬慧)は、かなりニーチェの思想に影響を受けているんだなーと思いました。

 

レヴィナスの思想:「イリヤ」

 

このレヴィナスっていう人は全く聞いたこともなかったんだけど、なんか気になる感じでした。

 

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レヴィナスはユダヤ人で、大戦中にホロコーストで家族や親せきや友人の殆どが殺されてしまったそうなんですね。レヴィナス自身は脱出したんですけど、要するにすべてを失ってしまったんです。

で、レヴィナスは考えた。

どうしてすべてを失ったのに、世界はまだ存在しているんだろう?
一体、何が存在しているんだろう?

 

イリヤとは、このような主語なき存在の事を言うそうです。

 

正直、この説明だけではほとんど分からないんですけど、なんかすごく気になります。
レヴィナスは世界をどんなふうに見ていたんだろう??

 

これからもちょっと自分なりに勉強したいなーと思った部分です。

 

「哲学用図鑑:プレジデント社」オススメ度は?

 

 

これはかなりおすすめです!

何度も言うけど、イラストもおしゃれだし、難しいわりには分かりやすいですよ。

 

ただ、帯にあるように「ビジネスにも役立つ」かどうかは不明です(笑)。

教養として一冊持っておくのには最適なんじゃないかなって思います。

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Posted by NITARImovies