これは本当に素晴らしいですね。
最初から最後まで驚きの連続でした。

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予想を覆す展開の連続、楽しませるならこーでなきゃ!

この作品は、まあ途中いろいろ突っ込みたいところはあるにせよ(笑)「マジで?」という驚きと意外性の連続でした。

もうほんとにね、映画人たちは残らずこの映画(原作?)を手本にした方がいいんじゃないかな?というくらいです。

順を追って解説しようと思います。

 

※いつも以上にネタバレするので、見てない人はまず見てから読むように。

 

見どころ① 全体の構成

この映画は、親子でスーパーに来てから最終盤に主人公たちが店を脱出するまでずっとスーパーの中で展開されます。つまり、密室劇です。

視点を変えれば、「霧の中」という環境から出られないという意味では、その後の展開も密室劇ですよね。

私は本当に密室劇ってのが大好きです。

それは、密室にいる人々を描くだけで面白い作品を作れるというのは、途轍もない演出力と脚本力が必要だからです。

この映画がホラー作品なのに優れた密室劇になっているのは、単にあんまりモンスターが出てこないからです。もしもこれが密室にしたってもっとモンスターが出て来たら、もっとずっと平凡な作品になったと思います。

この作品ではおまけ程度にモンスターが出て来るだけで、基本的には閉塞的な環境にある人々の動向をおった作品です。大変素晴らしい事です。

見どころ② 唐突な人々の死

この作品のもう一つ優れたところに、音楽をほとんど使っていないことが挙げられます。

近頃のハリウッド作品は、そもそも音楽を使い過ぎです。はっきりいって全然緊張感がありません。

その点、この作品は途中で虫みたいの出て来るまではほとんど音楽を使用していない。非常に優秀な作品(特にホラー作品)に多くみられる素晴らしい傾向だと思います。

スーパーに行ってしばらくすると、霧に包まれて出られなくなる。スタッフの若者が発電機を見に行こうとしたら、シャッターの隙間から触手うにゃうにゃうにゃー!!っと出てきて、胸とか足とかを引きちぎって(この辺で「お、結構アグレッシブにくるな」という感じです(笑)、しまいには霧の中に引きずり込まれてしまう。

まず、「何その触手wwwwww」でしょう。

殺せんせーのリアル版みたいなタコの触手みたいなのが飛び出てきたときには、「おいおいおいおい、こんなしょーもない映画を求めていたわけではないぜwwww」と、失笑の嵐が今にも聞こえてきそうです。

もしこの映画を観ながら、途中で辞めたいな、と思う部分がなん箇所かあるとしたら、まず第一関門はこの場面だと思います。(実際私はwowowで何気なく見てたのに、このシーンでテレビを消しました)

まあ、そんなお笑いシーンがあった後で、外が危険だからと店にいる方々に説明しようとするわけです。触手の破片が残ってるから、何とか人々を説得しようとします。で、はじめは全然信じてなかったスタッフの方とかもさらっと信じるわけです。

そんな中、主人公と仲違いした過去を持つ黒人の弁護士が、「俺は絶対に信じない。触手なんか見ない」と言って、もうすでにほとんどの人が信じてるのに断固として現場を見ようともしない。「いやいや、とりあえず見ろしwwwww」と思ったりもしますけど、結局信じない彼らは外に出て食べられちゃいます。

そもそもこの黒人の弁護士がこの時点で死んだところが意外過ぎてよかった。

普通、これだけ嫌な奴っていうのは、最後の最後まで主人公の足を引っ張った挙句、一番苦しむ死に方をするのが定石なのに、かなりイライラさせてくれるにもかかわらずあっという間に死に、その死に顔すら拝めないという、大変珍しい展開です。

それから、店の女の子の死に方の悲惨さもなかなかのものです。これを描くためだけに直前に男との絡みを見せてくるあたり、ほんと性格悪くて大好きですよ。

見どころ② オカルトおばさん

この作品で重要な点というのは、とにかくスーパーという密室に閉じ込められた人々の心が、恐怖によってだんだん侵されてゆくところです。

その作用に最も貢献したのは、あのオカルトおばさんでしょう。

初めはとにかく誰からも疎まれていたオカルトおばさんを、人々は恐怖のあまりに支持し始めるわけです。

この展開が、普通のホラーと全く違うところでしょう。これがなかったら全く違う作品になっただろうことは容易に想像がつきます。

この人がいるおかげで主人公たちがとにかく追い詰められていくわけ。
結局、怖いのは人間なんだな、と思い知らされる素晴らしい展開ですよね。

ちなみに、このオカルトおばさんを演じたのはマーシャ・ゲイ・ハーデンという女優、私は以前から「この人、天才なんじゃないだろうか?」と思っていましたが、やはりとてつもない演技力を発揮していましたね~。素晴らしすぎます。

そして彼女の死に方のすばらしさと唐突さ。最高でしたね。
彼が殺さなかったら私が殺したかったくらいです。

見どころ③ とにかく人でなしで悪趣味なエンディング(サイコー)

最後に主人公たちが銃を取り出して、銃弾が一つ足りないところでエンディングは予想できましたけど、それにしてもとにかく非道で最悪で悪夢のような素晴らしいエンディングですよね。圧巻です。

このエンディングはキングのものとは違ったみたいですね。

そして、あのキングをして「このエンディングを思いついてたらこっちにした」と言わしめた圧巻のエンディングです。素晴らしいとしか言えない。

凄いでかい獣もほんとかっこよかったし。

気になるところがないかと言えば……

まあ、途中で急に話がエイリアンになってしまったり、そもそもCGが安っぽすぎ、などの突っ込みどころはありますけどね。
隣の薬局に行く展開のエイリアンっぷりはないわーと思ったけど、ばあさんがすごい瞬発力で火を放って焼き殺したりとかはほんとにいい感じだった。

ただ、あそこまでエイリアンかまされると、見るのを止めたくはならないにしてもちょっとスマホとかいじりたくなった(笑)。

しかし、それをおいてもかなりの面白い作品だったことは言うまでもありませんがね。

まずは作品の原作を読みたいと思いました。

 

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 ちなみに、世の中にはびこっている「ハッピーエンド」じゃないエンディングの事を「バッドエンド」っていう風潮辞めてほしいな。

「バッドエンド」って作品的に台無しのエンディングって意味にしか思えないんだよね。「アンハッピーエンド」ならわかるけど。

この映画は誰もが「バッドエンド」っていうみたいですけど、素晴らしいエンディングなのでバッドエンドではありません。嫌いな人だけが「バッドエンド」と言え。

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