【関ケ原】感想・この作品が本当に描きたかった事

2017-09-25国内映画時代もの

超豪華キャスト&スタッフによる「関ケ原」を見てきましたので、感想と、分かる範囲で解説です。

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関ヶ原 : 作品情報 – 映画.com

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「関ケ原」を見るための基礎知識(っつーか、あらすじ)

日本で一番有名な「関ケ原の戦い」がどのように開戦し、そのように終わっていったのかという話です。

多分、日本の大体の方が「関ケ原の戦い」がどういったものかというのはなんとなーく知っていると思うんですね。

でも全然知らなかった場合、これは悲劇です。

なぜかっていうと、この作品は全然そういう基本的なことを分かりやすい感じで教えてくれないので、「石田三成って誰?」みたいな人だったら全然わからないと思います(さすがに、豊臣秀吉なんか聞いたことないって人はいないと思いますが)。

いやいやいや、石田三成知らない日本人なんていないだろwww

 

とか思う人もいるかもしれないけど、私は真田丸を見るまで名前しか知らんかった。どーん
(日本史はとうに忘れました)

 

今回は真田丸と時代がダダかぶりだったので割とわかりやすかったけど、たぶん全然知らんかったら誰と誰がどういう関係で~とかはわからなかったと思います。

まあ、そういう無知な人のためにちょっと解説しますとね、

ようするに……

 

 

 

石田三成 vs 徳川家康 

の話でっす!!!!!←ざっくりしすぎだwww

 

 

まあ、一応もう少し言いますかね……

石田三成と徳川家康は秀吉の配下にいたんだけど、秀吉が死んじゃったので、待ってましたとばかりに徳川が天下を取りにくるわけですね。

で、別に石田三成は全然自分が天下を取る気とかはない(秀吉の息子の秀頼という赤ん坊が継げばいいと思ってるので)んだけど、徳川がすごい策士で、どんどん周りを取り込んで天下を取ろうとするわけね。

石田三成は割と愚直な男なので、うまく立ち回れずに敵が多くなっていって、しかし何とかメンツを集めて天下分け目の「関ケ原の戦い」に挑むっていうわけですね。

この映画では半分以上は、戦に向かってゆく二人の政治的なやりとりみたいなものがずっと描かれています。

細かいところまで理解しようとするとかなり複雑で厄介だけど、作品としては別にそれほど作りは複雑ではないので、たぶんちんぷんかんぷんになることはないと思うのよね。

この先の細かい話はネタバレ感想にて。

【関ケ原】ネタバレ感想

どうしても歴史背景に無知なので少し感想を書きづらいのですが書いてみます。
この映画はなかなか面白かったですね。

とにかく、全然チャラチャラしてないんですね。とにかく。

日本映画でお金がかかってるんだから、私はもう少しはチャラチャラしているかなーと思ったんですけど、そういうのぜんぜんないです。

もう少しチャラチャラしていたらもっとわかりやすかったんでは、と思うほどに。

 

どういうことかというと、とにかく淡々としているわけです。
まず、ほとんどドラマらしいドラマは描かれません。

ドラマ性を排除するという妙案

とにかく、三成やら家康やらその周りが、ただその時代をどう生きてきたのかを淡々と撮っているだけという。

しかし、淡白な映画かといえば、全然そうではありません。
むしろ細部まで徹底して拘って忠実に再現しているようで、臨場感は高いしとにかく緊張感がある。

この映画において素晴らしい点はいろいろありますが、とにかく撮影も編集も素晴らしい。
最近では珍しいほど、映画の技術というのが凝縮しています。

合戦のシーンの美しさなんかは目を見張りますね。
本当にかっこいい。

淡々とした作品ですが編集の間の取り方は面白いし(ザクザク切ってましたね)、どこを切り取っても写真集になるような美しい撮影でした。

それから脚本もいいですね。

「脚本がいい」っていうのは、まあ実はこの作品は非常に言葉も難しいし、シェイクスピア演劇のように早口だったりするので、しばしばセリフが聞き取れないことがあります。

しかし、別にそれは問題ではないのですね。大筋が分かればいいので。
その現象を見ながら、黒澤明の映画を見ているような錯覚を覚えました(セリフが聞き取れないことが多いのよね)。

「脚本がいい」というのは、やっぱりとにかく徹底してドラマ性を排除していることにつきます。
もちろん原作は司馬遼太郎のものですが、もともとがこのようにドラマ性を排除したものかどうかは不明だけど、昨今の日本映画だったら三成と初芽の恋愛模様をもう少し凝ってり描いてしまうと思う。

そしたら一気に駄作に転落していたと思います。

実は、この映画には三成と初音の恋模様以外はほとんどドラマ描写がないので、この二人が恋仲っぽくなった時には若干がっかりしたんですよね。

「そういうのいらんわー」と思って。

でも最後の最後の二人のすれ違うシーンなんかは非常によかったですね。あっさりしているがために重要性は際立ったと思います。素晴らしいです。

あと、平岳大演じる島左近との関係も非常にいいですね。
ここにも多少のドラマ性がありますが、最後の最後に「では、これにて」って言っただけで分かれるシーンのあっさり感などは素晴らしいです。

この映画が描きたかったもの

この映画がそれだけあっさりしていて、じゃあ一体何を描きたかったのか?ということを考えていました。

この映画は、別に関ケ原を描きたかったわけではないと思うんですよね。
モチーフは関ケ原の戦いなんだけど、もしこの戦争をもっと詳細に描こうとするなら、もう少し戦略的なことを分かりやすく描くと思うんですよ。

私が無知だからかわからないけど、少なくともこの作品では、あんまりそういうことは描かれていないんですね。
今どっちが優勢か、とかいうのは、正直言ってキャラクターの表情を見ないと分からない。(これは詳しい人が見れば分かるのかもしれませんけど)

誰がどう攻めていてどういう状況でどんな感じにどっちが優勢か、みたいのはあまり描かれず、とにかくぶつかり合い、殺しあうという「現象」を描いているといった印象。

実は、それはこの映画全体がそうです。

全体的に、この映画は「関ケ原現象記録映画」って感じで、ただただ淡々と状況が展開してゆくだけなんですね。

その結果分かるのは、石田三成という男は一体どういう人間なのかということ。

この作品はたぶん、「関ケ原」っていうか「石田三成」っていうタイトルでもやっていける。

前に「真田丸」を見ていたので比較してみると、まああの作品は思い切って関ケ原の戦いを省略するという大胆な演出はしたものの、基本的には丁寧に戦況などを説明してくれた作品ですね。

まあ、とにかくこの映画のほうは尺がないのでそうはいかないにせよ、たぶんもっとそういう戦争の中身をはじめから描く気はなかったんではないかなと思います。

ちなみにそのように(つまり、ドラマ性を排除して)描くことの利点として、善悪として登場人物をとらえられないという点があります。

この映画では三成が過剰に善人として描かれても、家康が悪人として描かれてもいない。そういう問題ではないのだということが最後までよくわかります。

関ケ原という合戦を通して、石田三成という人物のありのままを描きたかったのだろうなと思います。

ドラマ性を排除したのは、リアリズムの再現としては最も効果的な手法でしょう。

「関ケ原」は完璧な作品なのか?

ただ、じゃあこの映画が何の非の打ちどころもなく素晴らしいかといえば別にそうでもないんですね。

作りとしては非常に立派なものですけど、淡々としてるし途中よくわからないエピソードなどもあるので、眠くなった(←ダメじゃんwwww)

あと、私は基本的に時代ものはあんまり好きではないということで、そもそもダメ感が半端ないんですが、そんな私でもこの映画の作りがよかったぞ!ということを言いたかったんです。

役者について

で、これほどたくさんの一流の役者が出ていてみんないいんですが、圧倒的に素晴らしいぞ!という感じはなかったかな。

石田三成を演じた岡田准一、よかったです。
有村架純、普通です。
滝藤賢一、想像通りです。
役所広司、想像通りです。
松山ケンイチ、ファンです←

皆いいんだけど想像を超えたものではなく、しいて言うなら平岳大は予想以上にすばらしかったなーと思いました。

大体この島左近って人は、戦場で撃たれたときにこれで終わり感すごかったのに、そのあと中越典子が手当して「戦場に戻れます」って言ったときには、マジかーと思った。

しかもそのあとも割かし全然元気に戦っていてすごい。

多分この映画はこれほどまでにすごい役者を使っているのに、やっぱり淡々としていて少し演者と距離を保っているから、どちらかといえば演出ありきの作品になったのかなと思います。

それはそれでいいと思います。

【関ケ原】おすすめ度

この映画はなかなかおすすめですね。

とにかく戦のシーンがかっこいいし、面白いです。
最後の最後までよかったです。日本映画の威力を感じました。

実は原田眞人監督の「日本のいちばん長い日」も観てないので、これは見てみようかなーと思いました。

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