どうもこんにちは、NITARIです。

スピルバーグ監督の最新作、「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」を観てきましたので、あらすじやら感想を書こうと思います。

スポンサーリンク

「ペンタゴン・ペーパーズ」ネタバレあらすじ

部隊は1966年、ベトナム戦争さ中。ベトナムの視察をしたボブが国防長官であるマクナマラに、ベトナム戦争の戦況を報告していた。

しかし、彼の報告はマクナマラはじめとしたアメリカにとっては望ましくないものだったため、マクナマラはメディアからの問いには「飛躍的に進展している」と嘘をつく。

実際はベトナム戦争は負けに向かう戦争となっていることは明白にもかかわらず、政府はそれを隠していたのである。

視察をしたボブは危機感を覚え、その事実を伝える最高機密文書を極秘でコピーし始めた。

一方、夫の自殺によりワシントン・ポスト紙の社主となったキャサリンは、当時唯一の女性経営者として奮闘するが、優しい性格も相まって、経営方針では悩みの多い立場に立っていた。

ニクソン大統領の娘の結婚式の取材から記者が外されてしまった件を、編集長であるベンに伝え、女性の読者の減少を指摘するが、ベンからは「指図するな」と拒絶されてしまう。

2人の関係は悪くはないのだが、言いたいことを言い合う仲なので、時々意見がぶつかってしまうのだ。

そんな中、ベンはライバルであるニューヨーク・タイムズの敏腕記者であるニールが何かをつかんだのではないか?と勘づき、調査させる。そしてその予想通り、タイムズは大スクープを用意していた。

それは、政府が、ベトナム戦争の実態を記録した文書の一部だった。冒頭でボブがコピーした文書を、彼がタイムズのニールに売りこんだのである。

このスクープは、はっきりとポストの負けを意味していた。
慌ててベンは次なるスクープをつかもうと奮闘を始める。

国は、タイムズが機密保護法に違反しているとして発行の差し止めを命じる。しかしポストは調査を続けていた。

実は国防長官のマクナマラは、他でもないキャサリンの古い友人だったのである。そこでベンはキャサリンに、直接マクナマラに書類を貰うよう説得しようとするが、犯罪行為であるという事、それからキャサリンにとって重要な友人であるという事によって、断られてしまった。

ポストがどこからこの記事を得たのかを突き止めようと、記者のバグディキアンが元同僚のエルズバーグと接触を図ろうとする。
多方面に電話を掛けた結果、ようやくエルズバーグの居所を突き止めた。

そして彼にモーテルで会ったのだが、そこには4000ページにも及ぶペンタゴン・ペーパーズの全文が並んでいた。バグディキアンは文書を入手し、ベンの自宅へ持ち帰り、他の記者たちも呼ばれた。

彼らはすぐに記事作成に取り掛かる。

書類は4000ページもある上、通しページ番号の記載がなく、順番にも並んでいなかった。
タイムズが数か月かけて記事を用意したのに対し、ポストに残された時間はたったの8時間。

そして記者たちが奮闘する一方で、弁護士たちは「記事の発行は違反行為で、社の存続にかかわる」と記事の掲載を見送るよう説得していた。
ベンは表現の自由のために、なんとしてもこの記事を掲載したい。

横一線に並ぶ意見でどうにもならず、最終的にはキャサリンと共に電話会議に挑む。

今まで自分では大きな場面ではっきりとした意見を伝えるのが苦手だったキャサリンは、事情を把握し迷いながらも、「やるのよ」と記事の掲載を決定。急いで記事は印刷に回されることになった。

しかし問題が発生。

実はこの情報源がタイムズの情報源と同じ可能性が非常に高い事が発覚したのである。
このまま記事を出せば法廷侮辱会いに問われ、最悪の場合キャサリンをはじめ関係者たちは投獄される危険性すらある。

しかしキャサリンの意見は変わらなかった。新聞は発行された。
その後、ポストのスクープを見た他社も一斉に文書の記事を載せた。

最高裁で裁かれたのは、ライバル同士であるタイムズとポストだった。そこにキャサリンもいた。

結果は、新聞社の勝利。
最高裁を後にするタイムズに取材は殺到するが、2つ目の記事を出したポストには記者たちは近づいてこない。その代わりに、当時まだ非差別的立場にあった女性経営者キャサリンの奮闘に心を動かされた女性たちが、彼女に暖かい視線を送るのだった。

ペンタゴン・ペーパーズのラストを解説

最後がちょっとわかりづらかったかな、と思うので細く解説。

実はこの「ペンタゴン・ペーパーズ事件」というのは、有名な「ウォーターゲート事件」と同時期に起こった出来事です。

「ウォーターゲート事件」というのは、大統領選のさ中に、ニクソン側が野党である民主党の本部に盗聴器を仕掛けようとしたのを警備員が発見し、暴露された大スキャンダルです。

結局その事件によってニクソンは失脚したという事。
その発覚した場面を描いているのですね。

まあ、この場面が必要だったのかな~?っていうのは思いますが。

ペンタゴン・ペーパーズの感想・報道の自由

スピルバーグの作品は、正直言って外れはほとんどないですね。
「リンカーン」はあんま面白くなかったけど、それ以外は例外なくものすごく面白い。

今回の「ペンタゴン・ペーパーズ」も大変期待してみていましたが、期待通りの面白い作品だった。

なぜタイムズではなくてポストをモチーフにしたのか

この事件で最も重要な人物は、実はベンでもキャサリンでもなく、最初にスクープしたタイムズのニールであることは間違いがない。

しかしこの映画ではニールは完全にわき役。脇役どころか、顔も出てきていない。なぜか。

これはもう、この「時代」を映し出すうえで立場の非常に弱かったキャサリンという女性を描くことを重要視したからに他ならない。

この映画で最も重要なテーマは「報道の自由」で、それと追随するテーマとしては「反性差別」というのがある。
どう見ても男性優位の社会において、女性の決定により国家を動かすような大きな決断がなされたという事を描きたかったのである。

この映画は、観れば誰でもわかるように、反トランプの意識の非常に高い作品である。
まあ、「反トランプ」に限らず、国家と報道とは相いれない関係にあることはどの時代でもそうだが、特に近年では世界中でその意味を問われる事件が非常に多い。

自分は逮捕される危険性があったとしても、報道すべきであるという信念を貫いた人々と、それを担った女性の存在には非常に心を揺さぶられる作品だった。

ハリウッド最高の女優メリル・ストリープ

メリルといえばとにかく毎年アカデミー賞にノミネートされる常連である。
最近では、メリルが映画に出演していたら、主演女優賞に一票投じる決まりがあるのか?と思うくらい、必ず出てきている。

まあ、そんなメリルだが、今回はこの映画では役者として唯一のノミネートとなった。
正直いつもメリルはすごいという事はわかっていたが、この映画を観てそのすごさがますます際立った気がした。

メリルといえば、自信に満ち溢れた編集長として鳴らす「プラダを着た悪魔」なんかも非常に印象的だったが、今回の社のトップという役回りであるにも関わらず、なんとも頼りにならない優しい社主を見事に演じ切っていた。

強いリーダーを演じることが多かった彼女だが、今回は似ているようで全く違う。本当にすごいもんだ。これはノミネートもされるわ。

この映画にはトム・ハンクスなど名優もほかに出ているが、正直言ってメリルのすごさが勝っていた。でもそれでいいんだと思う。

この映画の主役はあくまでもキャサリンなのだ。

問題点もいくつか

問題点というほどの事でもないのだが、作品のクオリティに関しては、それほどとても高いわけでは正直なかった。

前半の株式公開などのややこしいやり取りは、「キャサリンが社主としてイマイチ」なことを表現するにしてはちょっと長いしややこしい。
もちろん実話がもとになっているのは分かるが、もう少し構成がどうにかならなかったのかなあと思った。

そしてこの映画の大きなメッセージである「報道の自由」だが、どう見ても誰でもメッセージとして受け取りやすすぎるという点がある。分かりやすいのだ。

まあ、わかりやすいのがすべて悪いわけではないけど、出てくるみんなが情熱的で、伝えたいメッセージが前に出てきたので直接的だったかなあと。
もちろん、題材がそうだったのかもしれないけどね。

私は「ブリッジ・オブ・スパイ」のほうが好きかな。社会派としては。

まあでも、こういったメッセージの場合はこのくらいわかりやすいほうがいいのかなあとも思う。私の隣に座っていた女性は泣いていたし……

私ももちろん、とても感動はした。

ペンタゴン・ペーパーズの類似作品

類似作品として挙げられるのは、第88回アカデミー賞作品賞を受賞した「スポットライト 世紀のスクープ」である

言っていることは大体かぶっているが、この映画でモチーフになっている実話は宗教的なものだった。

大変面白い作品なので合わせて強くお勧めしたい。

それにしてもスピルバーグの映画は何を見ても面白くて参っちゃうネ。
今度はSF大作っぽいけど、どうせ面白いんだろうな~。

スポンサーリンク