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漫画【NARUTOネタバレ感想】全巻読んだので、本気で批評してみる。

年始にNARUTOを全巻購入して読み進めてきましたが、ようやく完結しましたので感想を書きます。

NARUTO全巻イッキ読みの感想

まあ正直言って、読後感は「かなり疲れたな……」というのが本音です。

面白いか面白くないかで言ったら、なかなか面白かった部分が多いんだけど、たぶん、嫌いなところもすごく多かったから疲れちゃったんだと思います。最後までなかなか感情移入するのが難しい作品でした。

という事で、「嫌いなところ」と「好きなところ」に分けて感想を書こうと思います。

NARUTOの嫌いな所

①忍者が嫌い

おい……!!!

といきなり突っ込みを入れたくなるかもしれませんが、まあ、そういうことです(笑)。

別に、そもそも忍者が嫌いだったわけではないんですけど、この漫画を読んでいて、いかに私があんまり忍者が好きじゃなかったかという事がちょっとわかりました。

忍者っていうのは、まあ要するにスパイであり兵隊とか警察とかっていう立場なんですよね。

要するに、国家の犬なわけです。

私は反社会的な人間なので(笑)NARUTOが無邪気に「火影になるってばよ!」とか言われても、要は軍隊でいう「将軍」みたいのになりたい!っていわれても、あんまりかっこよくないわけです。

最初からもう、国家に準じた役職になりたがるヒーローってあんまかっこよくなかった。

比較してすいませんが、これが「ワンピース」のルフィだったら、そもそもなりたいのが「海賊王」っていう、犯罪者の世界のキングみたいなことだから、目指すところがかっこいいとか思っちゃうわけですよ。

②うずまきナルトが嫌い

またしても「おいおいおい!!」と突っ込みたくなりますが、そうなんですよ。

①でもちょっと言いましたけど、つまりそういう「火影」みたいのを目指している時点でかっこよくないわけだから、あんまり好きじゃないのは当たり前です。

でもこの人の好きじゃないところはそれだけじゃなくて、「仲間」を大切にするけど「仲間」以外を大切にしないところが嫌いなんです。

そもそも、この人の領域に入ろうとする人を必ずナルトは一度拒絶しますよね。
敵はまあ分かるんだけど、敵じゃなくてもそうです。

サスケもそうだったし、一番思ったのはサイ君です。
別にあの段階でサイ君を拒絶する意味はなかったわけです。

確かに、結果的には彼はスパイだったわけだけど、そういうことで受け入れてなかったわけでも無くて、単純に「ちょっと失礼な新人なうえ、サスケのポジションに入ってきたから」というだけで拒絶するわけです。

そういう態度はいかがなものか?

ナルトはかなり仲間を大切にしますけど、裏を返せば「仲間以外は大切にしない」という事のように思えます。実際、そうじゃなかった?

③うちはサスケが嫌い

サスケはナルト以上に意味不明で、ほんとに全然好きになれなかった。あれはただ単にウザい。

そもそも復讐者っていう肩書になっていて「お、これはかっこいいかな?」と最初はかなり興味津々だったんですけど(そういう人好きです)、しかしナルトと修行をしてみるととにかくナルトと自分の差の事ばっかり気にしてて、全然かっこよくない。

最初はどっちかといえば桜木花道と流川楓みたいな関係になってゆくのかな、と思ったのですが、サスケはナルトの事意識しまくりで、アンタはイタチを潰したいはずなのになんでナルトをそんなに気にするんだよ、としか思えなかったです。

まあもちろん、近くにいるナルトに勝てないで、どうやってイタチに勝つんだ?と思って焦ってたのかもしれないけど。

つまり、ナルトとサスケは今までに私が読んできたどの漫画よりも、かなり人間的なんですよね、人間臭いんです。

でまあ、それは別に悪い事ではないし、正直言ってNARUTO全部を通じて作者岸本斉史の人物描写というか観察眼はかなりのものだな、と思ったわけです。

その点においては、少年漫画としては異例かな、と思います。

ただ、肝心の着地点が「仲間意識」「承認欲求」に帰依するところが本当に残念。

後で書きますが、岸本は相当癖のある人間で、本人が「仲間」を大切にしたい、そういうメッセージを伝えたいと先走っているのかな、とも思います。

サスケに関してはめちゃめちゃ周りに影響されまくってて、自分がイタチを殺したくせに人のせいにしているのとかほんとどういう事かと思った。

③木ノ葉が嫌い

またしても基盤のところを否定しますが、ナルトが木ノ葉を思えば思うほど、好きじゃなくなって行く自分がいました。

漫画では木ノ葉はかなりいい国だという風に描かれていましたが、そもそも国家という枠にこだわる人があんまり好きじゃないんですよね。

木ノ葉の人は皆仲間だ、みたいな感じが私には受け入れられなかった。

だから途中でペイン長門が、「木ノ葉だけが正義を語る事が許されるのか?」とか突っ込みますけど、ほんとその通りだなと思います。

最終的には忍界大戦では5つの国が一丸となってたけど、それまではかなり断絶されていて、その事にあんまりナルトが気付いていないところはどうかとおもいますよね。

なんか、「自分達の国は素晴らしい」とか思い込んでる感じが、すごく今の日本みたいだなと思いました。

ナルトに関しても同じで、日本人的だよなーと思ったわけです。

しかし岸本という人は、ものすごく色んな人の感情がわかるのに、どうしてあんな人情みたいな話にこじつけてくるのか??謎です。

NARUTOの好きな所

反対に、この漫画で好きな所を挙げてゆこうと思います。

①カカシ先生が好き

まあ、これにつきますよ。カカシ先生。

カカシ先生の素敵さに関しては、もう異常なレベルで、そもそもこのNARUTOというのはなかなか話は込み入っていて面白いにせよ、根本的にはオリジナリティがあまりない(まあ別にこれは少年漫画ぜんたいがそんな感じですが)。

しかしながらカカシ先生と来たら、今までになかったようなキャラ!
カカシ先生のような、フラフラしてるけどかっこいキャラは今まで見たことがありません。

なんというかキャラがいい意味で練りこまれすぎてないんだよね。

この漫画ぜんたいがそうなんですけど、読み進めていくうちに登場人物の過去が明らかになってゆきますよね。
まあこの「実はこうだった」っていう過去編がそもそもあんまり好きじゃないんですけど、このカカシ先生の過去に関しては割と前半ではあっさりしているんです。

というのが、最後の最後で大きなオチが待っているからだけど、基本的にはカカシ先生がどうしてああいうキャラになったのか(写輪眼じゃなくて、人間として?)は描かれないですよね。

すごく小さい頃にガイ少年と入学の時にですね、既にカカシ少年は口にマスクをしていたしああいうキャラになっているわけです。

そこがなんとも私としては素晴らしかった!!

彼が生徒思いだけどクールで冷静でマスクをしていたのは、単に彼の元々の性格がそうだからっていうだけ、意味はないわけです(それとも、私見逃してる??笑)

ナルトにかかわるあらゆるキャラクターが、ナルトに出会ってナルトに影響されてゆきます。

でも実はカカシ先生は、ナルトの事は大好きだけど、ナルトから何の影響も受けておらず、1巻で出会ったときのカカシ先生とは特に何も変わっていない。
それがとにかく素晴らしいと私は思います。

他の漫画でも少年漫画の場合は、大体主人公によって影響を受けるもんなのにね。

それは、そもそもカカシ先生が「変わること」を恐れない、何事もまずは受け入れるという精神を持っているからで、カカシ先生は師でありながらナルトにあっさりと追い抜かれても「俺を超えたな」くらいにしか言ってない。

拘りがないんだと思います。

そういうところがとにかく素敵で、最後の最後までかっこよかったし、今までの少年漫画ではいないキャラだったので素敵だと思います。

ふつうにニコニコしているだけで魅力が爆発していた、カカシ先生でした。

②我愛羅が好き

我愛羅は別に極端に珍しいキャラではないんですけど、私が唯一感情移入できたキャラでした。

我愛羅は過去がとにかくかわいそうで、虐げられ続けて辛かったんだと思うんだけど、ナルトも言っていますがナルトと似たような過去を持っているんですよね。

で、結構早い段階でナルトはそのことに気が付く。そしておびえるわけです。

「俺と同じような過去を持っていながら、こんな風に悪に満たされてしまった我愛羅に、俺が敵うわけない……!」というような。

この時点で我愛羅は悪の象徴みたいな感じの描かれ方だったけど、私としてはかなり初期の段階から「おいおいナルトよ、お前我愛羅を敵対しないで助けてやれよ。早く気づけよ」としか思えなくて、最初の戦いの時点でナルトより我愛羅を応援してしまったという……

ナルトは本当にやってくるやつをぶっ飛ばすしか能がないですからね。

ナルトの過去と我愛羅の過去は似ているのですが、ナルトはイルカ先生に出会ったことで人の温かさに気づいてまっすぐ成長する。

私としてはそういうとこが嫌いで、人間はそんな風に簡単に闇を克服できないよなと思っていたから、ナルトが嫌いというのもある。

我愛羅はそういう闇に対して本当に苦労して徐々に克服していく様が目に見えたから(まあそれはナルトの影響は大きんだけど)、心から応援したしよかったなあと思いました。

まあ敢えて上げることもないですが、サイ君なども同じで、まあ心を開く過程は非常にあっさりしていて微妙でしたが、サイ君はすごく好きです(面白いし可愛いし顔も好き)。

内容の感想をまとめる

というわけで好きな所と嫌いな所を列挙しました。
お気づきかと思いますが、大体好きじゃない漫画だった。残念ながら。

この漫画の持つメッセージがとにかく嫌いでしたね。

「仲間を大切にする」という部分はそのまま身内意識の塊のように見えたというのもありますが、この漫画で一番重要なテーマは「承認欲求」ですよね。

「誰かに認められたい」「誰かに受け入れられたい」という欲求の事です。

この承認欲求が満たされなかった子供が山のように出てきて、成長するにつれてだんだん認められるようになって仲間との絆が生まれる、という大筋なわけです。

でも、それっておかしくないですか?

承認欲求を解決する要素として、「だんだん認められるようになる」って本当におかしいと思う。

皆に認められるようになったから、自分は幸せだ、ではないんですよ。それでは問題は解決していない。

承認欲求というのは、他人との関係性の問題に見えますが、違うんです。
本来、「自分の中の問題」なのであって、他者からどうこうで解決する問題ではないのです。

承認欲求は、持って生まれた性格もありますが、幼少期の環境が作り上げたものだというのは間違いがありません。

だけど、それを解決するには、自分が自分を認めなければならないし、承認欲求そのものがなくなる事が大切で、それは別に人から認められたり受け入れられれば解決ではない。

いくら受け入れられても、自分で自分を認めなければ欲求は収まらないわけで。

本来だったら漫画としてはそういう展開になるべきだったと思う。
ナルトは最後に火影の名誉を手に入れるのではなくて、承認欲求に打ち勝ち、だれに認められるわけでもなくても幸せに生きてゆくという方向の展開があってもよかったと思う。

「火影」という存在が、他者から認められた英雄的存在であるので、それを目指すまではいいんだけど、人から認められるだけで話が終わってしまうのはあまりにも雑だしかっこ悪くないでしょうか。

まとめ

というわけでいろいろ語りましたが、とにかくあんまりこの漫画は好きじゃなかったというのが感想です。

まあとにかく他に類をみないほどカカシ先生がかっこよかったという事で素晴らしい出会いではあった。

しかし、漫画イッキ読みでもさすがに72巻も読むのは結構大変だった。
疲れました。