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キンコン西野の「革命のファンファーレ」を読んだ感想だよ。

キンコン西野「革命のファンファーレ」

好感度の低い事で有名な芸人・キングコングの西野亮廣が書いた「革命のファンファーレ」を読んだので感想です。

キンコン西野の「革命のファンファーレ」の感想

私はテレビはほぼ全く観ないので普段からキンコン西野の事をテレビで見ることはまずないんですが、この間「オイコノミア」(これだけは欠かさずみています)に出演していたのを見てから気になっていました。

キンコン西野といえば、絵本を作ったり、その絵本をプロデュースしたり、大口叩いたりと、何かと炎上したりしてたのは知ってた。
私よりはテレビを見る妹に聞いたら、「西野の好感度はガチで低い」というようなことだったので、それは素晴らしいな、と思って「革命のファンファーレ」を遅ればせながら読んでみたわけです。

「革命のファンファーレ」に書いてあること

「革命のファンファーレ」に書いてあるのは、西野がいかにして「えんとつ町のプペル」の企画を立ち上げて絵本を制作し、それを大ヒットにこぎつけたかという話一辺倒。

彼の、「えんとつ町のプペル」に対する思いとか、「えんとつ町のプペル」で伝えたかったことなんて言うのは一切書かれていません。

マジで絵本の内容に関してはゼロ。
かろうじて、映画化した時にはこんな話にしたい、とさわりを書くくらいでした。

まあ、そこがこの人の素晴らしいところだよな、と思うわけです。

絵本をどういう気持ちで作ったという事は、別段知る必要もなければ、大体絵本を読めばわかるわけだから。

そんなことよりも、彼がどんな戦略で絵本プロジェクトを成功させたかが非常に問題。

で、その中でかなり面白いな、と思ったのはまず前提として、「絵本を金儲けの対象に乗せた」という事だと思います。

絵本業界って、どう考えても全然儲からなそうですよね。
この本でも書かれているけど、大人が昔読んだ絵本を子供にも読ませるという永遠のループで成り立っているというわけです。

彼はそこに眼を付けて、その「思考停止で新しいものが出て来てない」産業から一発当ててやろう(という良い方は悪いかもしれないけど)と戦略を立てて成功したわけです。

世の中のいろんな分野っていうのは、マネタイズのモデルが結構広まっていて、まあ多分西野みたいな人からしたらまだまだ隙間があるとは思うんだけど、今のネット社会だと割と工夫して成功している人も多いのは事実だと思う。

だけど「絵本」産業というのは、まず「絵本は子供のためのものだから、お金儲けとか考えるのは汚い」とか思われがちで(たぶんですけど)、西野からしたらものすごい入りこむ余地があったんだろうなあと思います。

ほんと、上手いですね。

チャリティーや支援活動に暗い日本の社会

日本では割とチャリティーとかっていうのも全然広まらなかったり、ボランティア(非営利支援)って素晴らしいとかいう風潮がありますけど、実は本当に支援活動したい場合はマネタイズが重要になってくるわけだし、企画者の経済状況もすごく重要だと思うのよね。

無償でなくても大きくお金を儲けることで再分配できるんだから、それって本当に素晴らしい事なんです。

だけど、現状日本は「え、絵本で金儲けってどうなのよ」とか言われちゃう思考停止社会なんだよな。

別に西野はチャリティーをやろうとしているわけではないけど、まあ要はお金を稼ぐだけ稼いで絵本産業自体を盛り上げる、という事も出来ているわけで。

この「革命のファンファーレ」を読むと、ただ一つの作品を世に送り出しただけで、数えきれないほどの風をいろんな業界に送ることができているのだから本当にすごい。

この企画は「分業制」という新しいムーブメントを作り、「クラウドファンディング」を広め、「絵本制作」をビジネスにして、他にもあらゆる新しいプロモーションを打ち立てた。

まさに「革命のファンファーレ」といって過言ではないことですね。

しかし、実は言っていることは当たり前

ただし。

彼がウケるのは特別日本がマネタイズがヘタで非効率的で思考停止だからであって、彼の言っていることはよくよく考えると別に新しくもなんともない。

要は、「今までの方法では非効率だったらか効率化しただけ」ともいえるわけです。
もちろんかなり独創的なアイディアもあるけど、本質的には結構まともなことを言っている。

そもそも、西野はかなり頻繁に炎上している(最近は知らないけど)し好感度低いらしいけど、彼が好感度低い時点で日本は相当遅れていて、アメリカとかだったら全然目立ちもしないんではないでしょうか?

ただ、もちろん戦略家っていうのはいくらでもアイディアが出てくるのだろうから(ホリエモンしかり)、もしもそういう高い基準の国で彼がビジネスを始めたらそれはそれで別の方法を作ってしまうのかもしれないけど。

絵本「えんとつ町のプペル」の感想

で、私が思うのは、西野のようなビジネスモデルが当たり前の社会になって初めて、作品のクオリティが問われると思うんですよ。

ここで絵本「えんとつ町のプペル」の無料公開全ページをご覧ください。

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プペルは無料公開のものを読んだけど、いろんな分野を細分化しすぎたために完全に詰め込み過ぎ。ストーリーも詰め込み過ぎでテーマが散漫だし、そもそも前半は誰が主人公か視点が定まらない。

童話レベルならいいんだけど、絵本だったら視点をプペルとルビッチとコロコロ変えるべきではない。

絵は評判がいいみたいだけど、キャラと背景のタッチのバランスがよくないしあまりにも全部を書き込み過ぎていて気持ちが悪かった。
お世辞にも美しい絵とは言えません。

作品というのは、詰め込めばいいってもんじゃないよのね。

まとめ

 

でもまあとにかくこの「革命のファンファーレ」に関しては、クリエイターは必ず読むべきだと思うし、別にクリエイターでなくても何かを売ろうとかマネタイズを考えている人にとってはすごくいいんじゃないかな?と思います。

とてもおススメです。

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