どうもです、NITARIです。

私はタランティーノが大好きで、大好きすぎて完全にヤバい。初めて出会ったのは中学の頃ですが、それ以来現在に至るまですっかり魅了されており、ことあるごとに観てはスカっとさせてもらってます。

さて、そんなタランティーノの中でも私が大好きなこの作品について語ろうと思う。

「イングロリアス・バスターズ」のあらすじと感想

時代は1940年代のドイツ&フランス。
当時はご存知のように、ホロコースト(ユダヤ人の虐殺)がナチスの手によってなされていた時代である。

そんな時代に、選ばれたアメリカのユダヤ人や元ナチ等によって結成された「バスターズ」という少数部隊は、ナチを壊滅させるためにフランスに侵入。
彼らはナチスにゲリラを仕掛けて部隊を全滅させ、その頭の革を剥ぐ事で「バスターズの犯行」だと分かるようにしたのと同時に、1人は必ずわざと逃がしてその蛮行を本部へ伝えさせるという奇抜な戦い方をしていた。

バスターズの最終目的は、もちろん「戦争終結」である。

その為には、ドイツ軍の幹部の一掃が重要。ヒトラーだけを潰してもすぐに変わりは出てきてしまうからである。

パリで小さな映画館を経営するエマニュエルは、ドイツの英雄であるドイツ兵のフレデリックに言い寄られて困っていた。
実はエマニュエルはかつてショシャナという名前で自分以外の一家虐殺から逃れたという経緯を持つ、身元を隠したユダヤ人だったのだ。

そんなある日、ドイツ軍から強制連行されて、ゲッベルスのいるカフェへ。フレデリックは、彼が活躍した様子を映画化したプロパガンダ映画の試写を、ぜひエマニュエルの映画館で上映したいとのことなのだ。

一方、バスターズはパリでの試写会に潜入すべく、ドイツ軍のスパイと小さな居酒屋で待ち合わせをする手はずになっていた。スパイは、ドイツで知らない人はいないという女優ブリジットだった。

ドイツ軍のいない居酒屋で、という条件での交渉だったはずだが、ドイツ軍に扮したバスターズが店に入るとそこでは楽し気に飲んでいるドイツ兵たちと女優ブリジットが。
たまたまその日、ドイツ兵の子供が生まれたという事で非番になって、皆で飲んでいたという。

ブリジットと合流したバスターズだが、ドイツ語訛りから彼らの正体はばれてしまい、銃撃戦に。結局その場に居合わせた、ブリジット以外は全滅したが、何とか残りのバスターズとは合流できた。

彼女から伝えられた情報によれば、参加の予定となっていた映画の試写会で開催される映画館が小さい箱に変更されたことと、当初予定されていなかったがなんと、ヒトラーも参加することになったのだという。

映画館を経営するショシャナとバスターズ、ナチを壊滅させようとする2つの少数勢力が蠢き始めたのだった。

イングロリアス・バスターズのすごい所①

もう、ハンス・ランダ大佐役のクリストフ・ヴァルツである
あまりにも最高。最高すぎる。

もうこの人があまりにも素晴らしいので、この映画は勝ったも当然というものだ。

元々タランティーノは他の映画でも、とにかく役者を魅力的に見せることがあまりにもうまいことは周知のことと思う。

パルプ・フィクションのジョン・トラボルタやユマ・サーマンにせよ、キル・ビルのルーシー・リューにせよ、デス・プルーフのゾーイ・ベルにせよ、タランティーノの映画に出ている役者は本当に魅力的。

しかしである。
そんな名だたる「タランティーノ俳優」の中でも私は、クリストフ演じるランダ大佐は群を抜いてすごいとおもう。

この映画に出る前までのクリストフの映画は、正直Wikipediaで確認した限りでも一本も日本で見ることができなようだ。
なんでタランティーノは彼に役を与えたのかがまず謎。

そして、この役はあまりにも全てにおいて魅力的(もう細かい動きとかも全部)で、一体どこまでタランティーノが演技を付けたのか?

いくつかのシーンでいうと、まずは圧倒的に素晴らしい冒頭のフランス人農家でのやり取り。
「ありきたりな聞き込みだ」とランスは言い、ペンを取り出して調査の用意をするんだけど、その所作と、ペンを持つときの不思議な間。

それから、正体を隠したショシャナとの面談で、彼はアップルシュトルーデルを注文。クリームの注文を忘れたので後から追加し、ギャルソンがクリームを二人のパイに乗せた時に、なぜか汚いものを見るかのようにパイを凝視するその間。

あと、同じシーンでパイを食べているときに、大きなかけらを口に運んだあと、なぜか小さなパイの破片をフォークでつついて口に入れるのだが、その細かい演技。

以上は、はっきり言って全く映画の流れには関係のない所作であるから、当然クリストフが自分で役を解釈して演じたのだろうけど、「どうしてそうなった!!?」と問い詰めたくなるような面白い空気が流れている。

多分タランティーノも監督しながら感嘆したに違いないと思う。

これほどまでに圧倒的な演技というのはそうはないので、もうこれはアカデミー賞助演男優賞は当然で、むしろ2000年以降のアカデミー賞助演男優賞を一人上げろと言われても彼を選びたい。それくらい素晴らしかった。

ダイアン・クルーガーも秀逸

もう一人無視できないのが、ブリジット・フォン・ハマーシュマルク役のダイアン・クルーガーだ。彼女もこの映画で大きく花開いた一人である。

とにかく彼女に関しては、以前に「トロイ」を見た時の演技があまりにも大したことなかったので、ダメな女優(ただし、美人)という立場であったが、この映画を観た時にはあまりにも別人になり切っていてかなりびっくりした。

とにかくこの映画のクルーガーは美しいしかっこいい。とにかく魅力的なのである。
それ以来特に「トロイ」を見たわけではないのだが、まああの映画はそもそも面白い映画ではなかったので、あんなものかなあという感じ。

クルーガーの無駄遣いだったのだろう。

そういえば「トロイ」はブラット・ピットの映画だった。
共演のエリック・バナは割と好きな役者で印象にあるが、「トロイ」はブラピの印象も特にはない。

そのブラピも「イングロリアス・バスターズ」ではなかなか秀逸な演技をしている。

私は別にブラピが好きでも嫌いでもない(まあ、どっちかってゆうと好きかな?)が、この映画では魅力を爆発させているので一見の価値があると言える。

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イングロリアス・バスターズのすごい所②

それはもうストーリーである。
とにかくタランティーノの映画の中でも突出して面白い映画だと私は思う。

内容や構成が面白いのは間違いがない。
しかし一番すごいのは、最後にバスターズやショシャナの野望が果たされ、ナチが壊滅することであると思う。

史実と全く違うのである。こんな映画は初めて見た。

今までにもいろんな史実に基づいた映画を観てきたが、ここまで史実を完全に無視して戦争が終結する映画というのは他にはない。

その自由さに、映画が終わった後もしばらく衝撃から立ち直ることができなかった。

そもそも映画というのは生まれて100年。絵画芸術やその他の芸術に比べて映画の場合は、その表現の幅は逆にそれほど広いとは言えないため、そろそろ新しいものを出してくることは難しいのかな、と思われた2000年代前半にあって、この映画はもはや「新ジャンル」と言って言えなくもないのではないかと、とにかく驚きをかくすことができなかったのである。

これは「タランティーノ」という新しいジャンルだと。
まあそういう考えは彼が出てきた90年代からあったけど、「そろそろタランティーノも新しい事は出なくなってくるかなー」とか思っていた矢先だったので、その衝撃は計り知れない。

イングロリアス・バスターズのダメな所

いろんなところで言われていることだが、この映画においてはあまりにもナチを無差別に殺害しすぎている、という点。

あまりに「ナチ=悪」として描かれていて、逆にユダヤ人のプロパガンダなんじゃないの?とか言われることが多々ある。

まあ、その点に関しては、大きな声で否定できるものではない。
この映画において描かれるナチへの残忍な扱いは、たとえ戦争という枠の中での事であっても流石に不味くない?というのである。

確かに「ナチに人間性はない」と、頭の革を剥ぎ続けることがリベラルな姿勢であるかと言われれでどうかと思う。

問題はバスターズが最終的にヒーローとして描かれているかどうかである。

ここに関しては、否定も肯定もできない。
少なくとも、一歩離れた視線からバスターズを少々批判的に(またはシニカルに)扱っている、とは言えないかもしれない。

しかしながら、注意深く観察していると、特にパリ郊外の居酒屋でのドイツ兵たちの描き方や彼らに対するバスターズの虐殺に関しては、ドイツ兵の人間性と、逆にバスターズの非人道的な様子が描かれているようにも思える。

このあたりに関しては、特にタランティーノが政治的な立場などを深く意識しているというよりは、各々人間性を描いたほうが面白い、バスターズは残忍なほうが面白い、と考えた結果のような気がする。

つまり、たぶんあんまり何も考えてない。

タランティーノは、人種問題や政治的なものを映画に取り入れることを多くしているが、特にその点において深い思想を持っているとは言い難いのだろう。

もしもそういった深い思想を持っていたとしたら、もう少しこの映画も中立なものになっていて全然面白くなくなったかもしれない。

確かに問題のある映画かもしれないが、この映画では居酒屋のシーンのドイツ兵の描き方によって(あとは、フレデリックなども)ギリギリOKかな、と思う次第。

まとめ

さて、以上のようにいろいろ書いては見たが、とにかく最終的にはイングロリアス・バスターズが最高すぎるよね、という話に尽きる。

しかし、最後に記したようにこの映画の思想を両手放しで肯定することはできない。
ただ、考えてみるとタランティーノの映画なんてものは両手放しで肯定できるものなんかはそもそもあんまりないので、別にいいんじゃないかな。

 

それにしても西部劇に移行してからのタランティーノは、私としては全然、まるで面白くないので、早くもとのタランティーノに戻ってほしいと切に願うのみである。

それとも、タランティーノは終わってしまったのだろうか。

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