死ぬまでに観たい映画
人間ドラマ・社会派

賛否両論?【アイ・アム・サム】ネタバレ感想と結末まで解説。

この映画は賛否両論(どちらかといえば「お涙頂戴」というイメージが強いですが)だったのですが、初めて見て、やっぱり批判的な印象を持ったので書こうと思います。

「アイ・アム・サム」のあらすじ

主人公のサムは、スタバで働く7歳の知能しかない中年男性サム。
娘のルーシーと二人で幸せに暮らしていた。

しかし、サムはソーシャル・ワーカーから、「父親として養育能力が足りない」との判断を下され、ルーシーは施設で保護されることになってしまう。

サムは法廷で戦うことにし、エリート弁護士のリタに弁護を依頼。
初めは興味のなかったリタだが、社会奉仕の仕事ができることをアピールするために弁護を引き受ける。

「アイ・アム・サム」のネタバレ感想と批判される点

ショーンが善で、他の人々が悪なのか?

この映画に限らずなんだけど、特に法廷ものだとアメリカ映画は、なんだかすぐに善悪に判断をゆだねようとしたがるから嫌ですね。
特に、この映画ではそれが如実なような気がしました。

6歳くらいの知能しかない父、という時点でこれはもう絶対「善」として描かれてしまいますよね。

一方で見ていればよくわかりますが、この映画ではこれでもか!というくらいに、二人を引き離そうとする人たちを「悪」に描いている。

もう、周りの人間を印象からして嫌な感じにしようと躍起になってる感じ。だって、サムがルーシーと面会する部屋なんか、監視されてるのはまだいいとしても、めっちゃ暗いわけですよ。

部屋のなかそんな暗かったらマジックミラーで見えなくね?とか普通に思ったし。
そういう施設的なもの全部暗いんですよね。

私はそういう意識操作みたいのが一番嫌いなんですよね……
もう少し公平な視線で冷静にこの映画を描いていたらもっと全然違った映画になったと思います。

そもそも、この映画は全てそのような作られ方をしているので、「最終的にはサムに良いような展開になるんだろうな」と予想できる。
その為に頑張って周りの環境を悪く魅せようとしているように感じてしまいました。

サムの社会的立場をもう少し真摯に描くべき

そもそも、サムがルーシーと引き離される事が絶対に悪いとは思えない人は少なくないはずです。

サムがルーシーを育てるのに無理がある、と思っても仕方のない状況ですよね、知的障がい者が子供を育てるのは。

しかし、実際にこういった状況になった場合はどうしたらいいのか?
この映画が、周りを「悪」と描いてしまうのは実は非常に判断力を曇らせてしまうのでよくないことだと思います。

本当にこういう事が起こった場合に、社会的に彼らをどのようにすればいいのかという問題提起ができるはずなのに、周りを「悪」として描いてしまっては、全く意味がないからです。

もう少し冷静に考える必要がある、重大なことではないですか?

障がい者は純粋で「善」である、という偏見

障がい者は絶対に善だという神話が、障がい者たちにとって息苦しい事実だ、というのをNHKのバリバラという番組で取り上げていて面白いな、と思いました。

視聴者や観客は障がい者に「純粋」を押し付け、「感動」や「涙」のドラマを強要するのは、逆に差別なんじゃないの?という話。

この映画にそのような意思があったかどうかは分からないけど、少なくとも知的障がい者の問題を本当に深刻に扱った問題には全然見えないんですよ。

最終的にはご都合主義で、都合よく里親が理解してくれて丸く収まりますけど。

そういう「丸く収め方」も、ただ観客に「本当によかったね」「これこそが本当の愛だ」とか思わせるために大ごとにしてますけど、もしもこんな事例(知的障がい者が一人で子供を育てる)が実際にあったら、もっと真摯に受け止めなきゃいけない社会問題ですよ。

安易に引き離すのは確かにどうかと思うけど、引き離す行為自体を「悪だ」とか絶対にいえないはずです。

この映画の良いところは、役者の演技だけ。

とはいえ、とにかくショーン・ペンの演技のうまさはぴかイチです。

どう見ても知的障がい者にしか見えん。どう意地悪に見てもそうにしか見えないんだね。すごいですね。

それから、ダコタ・ファニングのかわいさもほんと異常だったよね。一体、なんなんだ。

この方はその後「宇宙戦争」という、スピルバーグの傑作映画にも出演していました。
その時はあんまり印象になかったですけどね。

多分、私がこの映画をあまりにも気に入ったから、役者にまで目がいかなかったのでしょう。

まあ、この映画の魅力ったらそのくらいですかね。

「アイ・アム・サム」の感想のまとめ

2人の優秀な演者がいる中で「嫌いな映画認定」は酷かもしれませんが、私の感じた怒りをそのように表現してみたいと思います。

あと、この映画ではサムがビートルズが大好きな設定なのに、使われている音楽の多くがカヴァーだったことが、この映画の薄っぺらさを象徴しているように思う。

その他の嫌いな映画こちら