星野源の新刊、「いのちの車窓から」を買って、さっそく読みました。

前に星野源の本で読んだものは、「そして生活はつづく」と、「星野源雑談集」です。

 

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星野源のエッセイ本、たまにいたたまれなくなる理由

前よりもっと「生活がない」源ちゃん

前に彼が書いた「そして生活はつづく」で、彼は、「自分は生活が苦手だ」というようなことを書いています。

私は生活が嫌いだったのだ。できれば現実的な生活なんか見たくない。ただ仕事を頑張っていれば自分は変われるんだと思い込もうとしていた。でも、そこで生活を置いてきぼりにすることは、もう一人の自分を置いてきぼりにすることと同じだったのだ。

(中略)

そんなわけで生活を面白がりたい。

「そして生活はつづく」本文より

 

今の星野源はミュージシャンとしても俳優としても文筆家としても成功して、「生活を面白がる」必要がなくなってしまったのかもしれません。

というくらい、生活の話はほとんど、ない。

たまにタクシーを探したり散歩をしたりするくらいで、あとはほとんど仕事の話です。

私個人的には星野源という人を知りたくて、それだったら星野源が仕事をしていないときに何をしているのかな、って知りたかったんですけど、星野源はいまはあんまり「生活」していなくて仕事してる。

それが今の星野源そのものなんだと思います。

明け方に目を覚ますところから一日を正確に描写している「ある日」も同じで、そこに描かれているのは星野源の生活ではなくて仕事の話でした。

唯一仕事と関係のない話だな、と思ったのが「柴犬」でした。

星野源の作品には共感しすぎて憂鬱になることが……

私は前にも書いたけど、あんまり星野源の音楽が好きってわけでないんです
大ヒットした「SUN」とか、「恋」は大好きなんだけど、「くせのうた」とか「くだらないの中に」のような曲が苦手です。

というのが、すごく聴いてていたたまれなくなるからです。

悪いことは重なるなあ 苦しい日々は続くのだ
赤い優姫が照らすのは ビルと日々の陰だけさ

 

希望がないと不便だよな マンガみたいに
日々の恨み 日々の妬み 君が笑えば解決することばかり

以上、歌詞より引用。

今回の本でも、

3階のベランダから僕のランドセルの中身をすべて落とし、笑顔で取って来なよと言ったあの男子の鼻の穴から、先のとがった鉛筆を思いっきり奥まで突き刺したかった。

 

「お前ウザいよ」を言われた幼いあの日から、嫌われないように自分の性格を歪め、そもそも人間が好きではないと思おうとしていたが、僕は人が、人と接することが大好きだったのだ。

 本文より引用

すっごく憂鬱な気持ちになってしまうわけ(・_・;)

これはですね、別にこういう気持ちを持つことを否定しようというのではなく、もうそれは本当に真逆でね、もう本当にあまりにも気持ちが分かりすぎて、共感を通り越して憂鬱になってしまうわけ。

これを読んで、「源ちゃんかわいそう」って思える人や「分かる分かる」って共感できる人が羨ましいくらいに。

星野源のこういった作品から読み取れるのは、どうやら星野源がまだ昔のいじめや傷跡から解放されていないように見えること。

で、私も多分そういうの解放されてないし解放されないだろうな、と思っている中で楽しく生きているから、星野源に敢えて私が「見逃してる」部分を歌われるとすごく苦しいし嫌な気持ちになるっていう、そういうことです。

要するに、源ちゃんは全然悪くないです。

他のアーティストの暗い作品とか映画とか小説とかは大好きで積極的に鑑賞するというのに、星野源に限って触れることができないのが、星野源自身がそういう過去に対して実はあんまり解放されてないことに、しかも気づいていないんじゃないか、って思うからです。

そして私はいたたまれなくなる、とこういうわけです。

小さい頃に虐められた人なんて本当に多いと思うんですよ。だけど、何か源ちゃんの語るものには、まだその当時の傷をまざまざと見せつけて来るようなグロテスクさがあるんだと思います。

それはもしかしたら描写のうまさ、なのかも知れません。

何が一番我慢ならないかというと、星野源自身が小さい頃の自分の事を「確かに多分ちょっとウザかったかもしれない」とか、「暗くてしょうもなかった」って思っているところなのかも知れない。そう思いながら恨みを抱いているところなのかもしれない。

なんか必要以上に共感しすぎてしまう。

星野源すごく好きだけど、心の傷に塩を塗ってくる感じはちとこたえる。
これは本当に私だけの意見かと思われ。

だからいつも笑っていて、とは思わない!

心に暗いものを抱いている人なんかいくらでもいるし、そういうものを持っている人がいつも笑わなければいけない世の中も、私は嫌いです。暗いことが嫌われる世の中では私はどうやって生きたらいい!!!笑

だから、私は源ちゃんが暗い歌を堂々と歌うことを辞めては欲しくないです。
まあ、私はあえて聴かないですけど(苦笑)

彼の歌に励まされるみんなが聴いて、源ちゃんがこれからも健やかに楽しくやっていければ一番ですねっ!!!