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スピルバーグ作品【激突!】感想:犯人が謎過ぎる理由は?

「激突!」はスピルバーグのデビュー作です。非常に低予算で作られたこの映画ですが、大変の評価の高い作品です。

一体この映画の何が面白いのか?本当に面白いのか、検証してみました。

あんまりまだこのブログで私の好きな監督の話などを詳しくしているわけではありませんが、そろそろそういった話もしていこうと思います。

わたしは何を隠そう、スティーブン・スピルバーグ監督の大ファンであります。

スピルバーグって誰でも知ってるし、単なる娯楽映画の巨匠とか思ってる人が多いんです。ただ単にスピルバーグの映画は面白くて(感動して)ヒットすると思ってませんか??

とんでもないことです!

スピルバーグ

出典:スティーヴン・スピルバーグ – Wikipedia

スピルバーグ監督映画「激突!」あらすじ

この映画はスティーブン・スピルバーグのデビュー作です。

出演者

デイヴィッド・マン – デニス・ウィーバー
妻 – ジャクリーン・スコット 
トレーラーの運転手 – キャリー・ロフティン

主人公のデイヴィッドは、カリフォルニアまでハイウェイを車で走っていた。
妻との約束があるので、急いで帰らなければならない。

前方を走っていた巨大なタンクローリーはスピードが遅すぎる。
彼はそれを追い抜いた。

するとタンクは今度は彼の車を猛追してきた。
それが地獄の始まりだった・・・

スピルバーグ監督「激突!」ネタバレ感想

絶対に見逃せないスピルバーグの魅力が詰まる「激突!」

私の知るスピルバーグは、映画に対してとてつもなく冷静で、知能派で、トリッキーで驚くべき数々の映像的仕掛けと作り上げてきた名匠です。ただ単にヒット作ばかりを生み出してきたわけではなく、狙いは常に明確

誰も成し得ることのできない映像の魔術師的資質が、ほとんどどの作品でも観ることができるのです。大興奮!

かの、スタンリー・キューブリックという芸術的大巨匠をして、スピルバーグを妬んでいたというのは有名な話。

さて、そんなスピルバーグの第一作にして、そんなスピルバーグの天才的仕掛けが存分に楽しめるのが、この「激突!」という傑作であります。

映画「激突!」にちりばめられたトリック

とあるサラリーマンが自宅に帰る道中、大きなトラックを追い越したところ、執拗に追い詰められ命の危険にまで発展する、という、非常にシンプルな話です。

これが徹底的に面白い。

スピルバーグが最も得意とするのは、「追い詰められてゆく弱者の描き方」だと思っています。そういう点を描かせたら、スピルバーグは天才です。

例えば「シンドラーのリスト」では、蝶番を作るユダヤ人のおじさんが、仕事をさぼっているということでアーモン・ゲートに殺されそうになる(実は誤解だが)、しかしゲートの銃が不発で全然玉が出てこない、膝まづかせたおじさんに後ろから何度も空砲を打ち付けるというシーンで、スピルバーグは一度もカットを割らずに、だんだんカメラを人物たちに寄せてゆくことで緊張感を高めていきます。

並みの監督だったら、まずこのシーン自体思いつけないような演出のうまさで、手に汗握る素晴らしいシーンが作られます。

激突!では、全編にわたって「追い詰め」だけがトリッキーに描かれています。
余計なドラマ性は全くありません。

トラックから出て来る犯人の足だけ見せて、店の中の誰が犯人なのかを推測するシーン。観ている側も一体だれが犯人なのかは分からず、デイヴィッドの視線だけで推測してゆく。

エンストしたバスを助けようとしたデイヴィッドが、逆にバスにハマって動けなくなるところを、トンネルの向こうからタンクがやってくるシーンなんか完全にホラーです。

映画「激突!」で最後まで犯人を見せなかった理由

この映画で犯人を最後まで描かなかった理由は、「見せない」ことで恐怖心を煽る、という狙いのためです。

この「見せない」手法は彼を有名にした大きな要素の一つです。

「ジョーズ」でも人喰い鮫が姿を現すのは、映画の殆ど終盤です。
「未知との遭遇」でも、家を襲う謎の生命体の姿を描こうとしません。
「宇宙戦争」でも、序盤は宇宙人の姿を見せずにパニックだけを描きます。

そして「激突!」でも、やはりタンクローリーの運転手を結局最後まで見せない、しかも結局終わるまで、運転手の「動機」も描かせない。

描かせないから、理由が分からないから「怖い」という心理描写を巧みについてきます。

例えば何かしらの殺人事件を描いた映画があって、序盤で犯人像や、彼が恋人かなんかを殺された恨みで復讐している、という描写をしてしまった場合、観客は

「理由があっても暴力はダメだ」
「恋人を殺されたのなら、気持ちは分かる」
「そんな理由があるなんてかわいそう」

という、まあ「自分なりの解釈」を頭でこねくりながら見てしまうことになりますよね。
ただ怖がらせたいだけの映画の場合は、そういう情報は不要です。

「なんで?なんか知らんけどなんでこんな襲ってくるの??(((( ;゚Д゚)))」という状況だとしたら、怖さで行ったら断然こっちのほうが怖いでしょう。

もちろん、それが全部の映画に当てはまるわけでないですよ。
「ただ怖がらせたいんだったらそのほうが有効」という話です。

デイヴィッド役のデニス・ウィーバーが最高すぎる件

この映画を耐えがたいほど魅力的にしている理由の一つに、主人公デイヴィッド役のデニス・ウィーバーの存在があります。

若かりし頃のデニス・ホッパーにもちと似ているデニス。

この人演じるデイヴィッドは本当に大災難です。
デイヴィッドは仕事で出張かなんかしてるんですけど、それで帰ろうっていうときにタンクに追いかけられるんですよ。

で、可哀想なのは、タンクに追いかけられるだけではなくて、妻がめっちゃ怖くてなんかむちゃくちゃ怒ってるんですよね。

怒ってる?っていうか、妻のためにとにかく早く帰らなきゃいけないわけ。

だからもう、本当は引き返さなきゃいけないくらいの危険なことになってるのに、もう妻のために帰んなきゃいけないわけですよ。怒ってるから。多分離婚されちゃうから。

そんな中でタンクローリーに絡まれて、まあ相当怖い思いをするんですが、そういうわけでデイヴィッドも途中でめっちゃ反撃に出ようとはしてみたりします。もう、キレちゃうわけ。

だってそりゃ当然ですよ、自分は何も悪くないのに絡まれて、しかも「ほんとマジで早く帰らせてくれ」っていう状況にいるわけなのに。

そんな残念な夫を演じきっている素晴らしい役者さんがデニスです。

デニスは見た目がすごい残念感で、ほんと鬼気迫る感じです。すっごいヒョロヒョロしてるんだけどズボンが、当時のはやりかもわからないけどぱっつんぱっつんですね。

尻がかなり気になる。

ぷりぷりのデニスの尻

とにかく、デニスの尻も含め、この映画はまずは絶対にみなければいけませんよ。
誰もが必見であります。どんな人でもかならず楽しめます。

もし、誰か友達でこの映画があんまりおもしろくないって言ってる人がいたら、もうその人との友情を続けるべきか考えた方がいいです。分かっとらんです。

映画「激突!」の感想まとめ

さて、愛してやまないスピルバーグ作品をご紹介しました!

スピルバーグは大好きなので、レビューを書き溜めています。
これからどんどん増やしてゆくので、こうご期待!

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