最近あんまり映画のレビューを書いていませんが、まあいいでしょう。

今日は、東京都美術館の「バベルの塔」展を見に行ってきました。
NITARIは実はブリューゲルが、3本の指に入るくらい好きなんですよ。

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ブリューゲル「バベルの塔」展の感想 

ブリューゲルのフランドル絵画って何?

 

ピョートル・ブリューゲルは1530頃~1569に今のオランダらへんに住んでいた人です。

詳しくは現在のベルギーのアントワープ(アントウェルペン)に住んでいたらしいんですけど、当時はその辺はベルギーとかオランダとかいわなくて「ネーデルラント」って呼ばれていました。フランス語では「フランドル」って言われていたそうです。

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この地域でその頃もっとも有名だったのがヒエロニムス・ボスという人で、彼は宗教画をいろいろ描いてたんですけど、なんか気持ち悪い動物っていうか怪物とかを描いていて、人気がありました。

それが「フランドル絵画」と呼ばれるジャンルの始まりです。

 

ボスの絵です。

 

「フランドル絵画」っていうのはすごく変わっています。

その頃はイタリアではルネサンスなんかがあって、表現がものすごく繊細で実際にそこにマリア様がいるかのような詳細なものだったのに対して、フランドル絵画の絵は、何となく下手(笑)

 

元祖ヘタウマなんですよね~
それが、たまらなくいいです。

(といってもビザンチン美術とか、ヘタっぽいのが魅力の絵はいろいろありますが)

 

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この絵は今回の目玉作品の一つ、ヒエロニムス・ボスの「放浪者」という作品なんですけど、身体の動きや腰の曲がり方とか変でしょ?

まさにヘタウマです。本当に素晴らしい。

 

フランドル絵画には暗喩がすごく多いです。

例えば上の絵の場合、男の靴が左右違ったり、リュックにスプーンが刺さってたり、後ろにいるのが娼館らしいんだけど、中に尼さんみたいのがいたり、含みがあるんですよね。

その全ての意味は分かってはいないそうです。

 

ボスの絵は特に、怪物とかがすごく多い印象です。
怪物の絵以外はどんなのを描いていたのかはよく知りません。

ブリューゲルはボスの登場したもっと後に出てきて、まずは「ポスト・ボス」みたいな感じのフォロワーとして売り出されてたみたいです。

 

なので、ブリューゲルの初期の版画とかは本当にボスにそっくりだったりします。

あと、油絵でもやっぱり怪物っぽいのも描いています。

 

でも私の思うブリューゲルの最も大きな魅力って、やっぱり農民の描き方って感じがしますよ。

私が好きな絵を一つご紹介します。

 

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私が実際にミュンヘンで見た、「怠け者の快楽」という作品です。
私はこの絵が一番好きかも知れません!

この絵にも物語がありました。

 

怠け者の天国と題されたこの絵には、農夫、学者、兵士の3人の人物が、それぞれ怠け者の典型として描かれている。農夫はでっぷりと肥え太った尻をこちらに向け、仰向けによこたわった学者は口をあけて、テーブルのボトルからワインがしたたり落ちてこないかと狙っている。彼は腰にインク壺とペンをぶら下げ、傍らに本を置いているが、これらはどうも使われた形跡がない。

http://blog.hix05.com/blog/2011/12/post-2267.html

 

 

ブリューゲルの油絵はそれほどたくさん残ってはいません。
41点くらいですかね?

私は死ぬまでに全部見たいなあと思ってます。

今は25点くらい見てるみたいです。

 

ブリューゲルの「バベルの塔」とは

 

ブリューゲルの描いたバベルの塔は、実は今回来日したものを含めて3種類あるそうです。

一つは既に失われちゃってるみたいだけど、今回来日したものは小バベルって言われる作品で、少し小さい。

 

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大バベルっていう作品が最も有名なもので、ウィーンの美術史美術館にあります。

 

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ブリューゲルの「バベルの塔」っていうと、一般的にはこちらの方が有名かと思います。

完成度はこちらの方が高いと思います。

でも今回来日したバベルの塔の方が、色使いはブリューゲルっぽい感じもしますし、塔の形がブリューゲルっぽい感じがして面白いと思いました。(ぼわーんとした感じが)

バベルの塔は旧約聖書の物語が元になっています。

人間は昔、一つの言葉をしゃべっていたんですね。
そんな人間たち、ある時天まで届くような大きな塔を立て始めてしまうんです。
で、困った神さまは「おいおいちょっとまてしww」ってなって、人間たちの言葉を通じなくして混乱させて、塔の建設を妨げた、という話です。

 

だから世の中の人はいろんな言葉をしゃべってるらしいよ。
面白いこと考えるよね、神さまも。

 

ブリューゲル「バベルの塔」展の感想は?

 

この美術展の見どころは、実はそれほど多くはありません。

本当に有名な作品というとボスの作品2枚と、「バベルの塔」だけです。
他にはそれほど有名じゃないフランドル絵画と、ブリューゲルの版画があるくらいです。

世の中の人がどれくらいフランドル絵画に興味があるか分からないんですけど、正直言ってこの展覧会は結構マニア向けっていうか、それほど一般ウケしそうな作品は置いてないなあという印象でした。

そもそも、ボスとかブリューゲルが好きな人って結構特殊ですよね。キモイし。いい意味で(いい意味できもいというのもあれですが)

 

私はフランドル絵画が好きなのですごくいい絵がほかにもいくつかありましたが、そうでもないのも多いです。

 

で、最近気になっているんですけど、東京都美術館てやたらに宣伝にお金かけますよね。

ブリューゲルの「バベルの塔」の一つが日本に来るっていうのは本当にすごい話だけど、ボスの作品は宣伝上は結構無視されているし、なんかすごい金をかけて大げさに宣伝している割に期待度ほどの感動はないかなっていう感じがします。

そういう美術展が東京都美術館ではちょっと多くなってきたかな。

 

例えばさ、公式サイトをご覧くださいよ。

babel2017.jp

 

とにかくもう、ひたすらに見づらくないですか?

 

デザインが凝りすぎてて見づらいんですよ。
なんか、この美術展そのものを表しているような。

 

なんか、「ブームに乗せよう」感が強すぎるんですよ。

純粋に絵が好きな人でも十分楽しめるのに、すごい宣伝費かけて客を呼ぼうとしていて、それだったらその分でもう少し絵を充実させることって無理なの?と思います。

 

「バベルの塔」展でもやっぱりそんな感じの演出が目立ちました。

 

日本ではなかなか見れない作品がほとんどなので楽しかったんですけど、なんかもう少し普通にやればいいのになーと思いました。

すごく混雑してるかと思って行ったけど、けっこう空いてたし。

 

ブリューゲル「バベルの塔」展のオススメ度は?

 

ブリューゲルやボスが好きな人は、やっぱり行かないとなって感じです。
2人以外の作品でも名画は何点か来ていますので、フランドル絵画に興味があれば必見です。

でも全体的には、既にブリューゲルやボスに興味があるオタク向けかなっていう印象でしたよ。

話題のためにとりあえず行くっていう感じではないと思う。

わざわざロッテルダムに行かないと見れない絵を一つ見れたのは私としては非常にありがたかったですけど(笑)。

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