【ア・フュー・グッドメン】ネタバレ感想&必要な予備知識

2017-09-25外国映画戦争, 人間ドラマ, アカデミー賞, 社会派

1992年に公開された「ア・フュー・グッドメン」はトム・クルーズがイケメンで(ただし私の好みではない)、デミ・ムーアが巨乳でジャック・ニコルソンが悪人面であるということ以外にも、たくさんの見どころがある。

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【ア・フュー・グッドメン】ネタバレ感想

 

この作品は、一見、権力や圧力に対する抗議、みたいな映画に見えます。
でまあ、作りとしてもそういう映画に見えなくもないです。

でも実際は、この作品の持つ社会的メッセージは、奥深くに存在しているようです。

 

影の主役はジャック演じるジョセップ大佐

 

ジャック演じるジョセップ大佐の出番はあまり多くはありません。

基本的にこの作品の焦点は、トム・クルーズ演じるキャフィが、権力に対する負け戦にどう挑み、どのように勝ちをつかみ取るのか、という話だからです。

この映画にとっては、ジョセップ大佐は完全に悪役
部下に「コードR」という、「しごき」を命じておきながら、それが原因で部下が死んでしまえばその部下に罪を擦り付け、データを改ざんして逃げおおせようとする悪代官です。

加えてあの顔。完全に悪人面です。

私はジャックが大好きでたくさんの映画を観ていますが、それにつけてもなかなか目を疑いたくなるような悪人面ですよね。

 

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ア・フュー・グッドメン – 作品 – Yahoo!映画

 

こんな顔をしていたらコーヒーを薦められても毒が盛られてそうだと思うレベルでしょう。

 

この人が出てきた時点で裁判ではだいぶ不利な感じがしますが、実は相当やり手の大佐らしいです。逆に考えれば、この人が国を守っていると考えれば頗る安心。この顔一つで敵も逃げてゆく、と言ったところでしょうか。

この顔で別の映画ではふつーに前任の役とかもできるんだから、さすがジャックです。

で、この映画で一番重要なセリフというのは、実はそのジョセップ大佐がしゃべっているわけですね。

 

「お前に真実は分からん。この世界にはがある。それを銃が守ってる。誰が守る? お前が守ってるのか? 俺は大変な責任を負ってるんだ。お前らは勝手に海兵隊をののしって、何も知らずに気楽に過ごしてる。サンティアゴの死は人々を救ってる。お前らには奇怪なこの俺の存在が、人々を救ってるんだ。他人を気にもしないお前らに、何が真実だ。お前らには、この俺が壁に必要なんだ。我々は『誇り』『規律』『忠誠』を大事にする。その言葉で国を守ってる。それを笑いおって。俺は何も説明する気はないぞ。俺が与えてやった自由の毛布にくるまって、のうのうと寝てるやつらに。黙って、礼だけ言ってろ。それが嫌なら銃を取って守りに立て。お前に何の権利があろうが、俺の知ったことか!」

 

こわいですねえ~

で、この後キャフィに問い詰められた大佐は、勢いで「コードR」を出したと白状してしまうわけです。

ちなみに、この「真実はお前には分からん!(You can’t handle the truth!)」は、アメリカ映画の名セリフベスト100 – Wikipediaにおいて29位にランクインされているようです。

 

アメリカとキューバの関係についてのおさらい

 

ここで、この映画のキーになっている「キューバとアメリカの関係」についてさらっとおさらい。 

 

キューバとアメリカっていうのは1961年以降、国交が断絶していたんですね。すごくかいつまんで話せば、キューバは1959年にカストロ(最近死んだ)とチェ・ゲバラによってキューバ革命が成立して、社会主義国になったわけです。

当時の社会主義国といったらもう、ソ連ですよ。アメリカと当時冷戦中だった。
要するに、キューバは当時ソ連の方について、アメリカと仲違いした、ということです。

2015年に国交が回復するまでの間、実に54年間も絶縁状態にあったというわけです。オバマ大統領が国交を回復し、88年ぶりにキューバに赴いたのも記憶に新しいと思います。

映画に話を戻せば、要するにこの当時ジョセップ大佐は敵国の陣地内にいたようなもんなのです。非常に緊張感漂う重要な任務だったことは間違いがないということです。

 

www.huffingtonpost.jp

 

国防、ということを考えたときに

 

ジョセップ大佐が「コードRを俺が出した」と白状するのは、普通の法廷劇としてはあまりにもひねりがないというか、特になんの抵抗もなく簡単に白状したようにも見えますが、そもそもそういうわけで彼にはあんまり部下の死についての罪悪感はなかったと言えます。

それが証拠に、いざ逮捕されるとなったときにも、一体自分がどうして逮捕されなければならないのか不満げです。

当然、ジョセップ大佐は間違っていたわけです。重大な体罰があって、人が死んだわけだから。しかし、緊張状態の両国間に挟まれた異常な状況で組織を指揮するということは、どういうことなのか

ここで、我々は「国防」ということを考えなければならないわけですね。
くしくも、大佐は「壁」という言葉を使っています。

トランプが大統領に就任して以降にもよく聞かれたキーワードです。

そして、私たち日本人にとってもこの「国防」というのは、これから先今まで以上に重要になってくるのではないかと思われます。

 

映画の全体的な作りについては疑問がある

 

とまあ、このように非常に重要なメッセージを孕んだこの作品ですが、正直言ってつくりそのものはそれほど面白いものではありません

全然やる気のなかったキャフィ中尉が、特別弁護人ジョアンの情熱によってだんだんやる気を出して言って、3人で無罪を勝ち取ろうとする。その間に、ちょっとロマンスを匂わせたりもするけど、かなり控えめ。

結局正義が勝つ、という、頗るありきたりな展開ですね。

そもそも、全然やる気のなかった弁護士、という設定や、情熱を持った女性弁護人の存在とかが、どうでもよかった。なんで情熱的な役っていうと女性に担わせようとするんだろう……もっと淡々とやってほしい。

アメリカは裁判大国だから、世の中を「善悪」にはっきり分けたがるのでしょうか??
あ、キリスト教国家だからかな。

とにかく、タイトルにも「a few good men(少ししかいない善人)」と、すでに見るものに「善悪」の判断をゆだねている。この映画は、キャフィを善人として描いているのか? ジョセップの事を悪人と描いているのか?

最終的には、そのように描いているように、私には見えましたが、微妙なところですね。どうでしょう?

 

【ア・フュー・グッドメン】オススメ度

 

 

全体的な映画の作りには満足していないけども、基本的には面白いし、とにかく鬼上官ジャック・ニコルソンを見るだけでも2時間を費やす価値がある。

 

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